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婚約披露宴①初めまして、これからよろしく

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「私はこの国の貴族なのはお前も知っているだろう。私は宰相としてのこの国を支えている。そしていずれマイン、お前が家督を継ぐことになる。ずっと先の話だがな」

「はい。それは理解しております。父上様の顔に泥を塗らぬよう勉学に励みます」

「偉いわね、マイン。私も協力するから、がんばりましょうね」

母上様は笑顔でそう言った。そして今日の儀式のことの説明があった。
この国では5歳になると成人の準備として礼拝堂で祈りの儀を執り行うそうだ。
日本でいうところの『七五三』みたいな行事ということだろう。
この国の成人は15歳で、成人すると婚約している相手と結婚し、貴族として国政に参加することになるということだった。
驚いたことに、僕にも婚約者が既にいる、ということだ。


「お前の婚約者はシグレクト子爵の令嬢、スカーレット嬢だ。今年で6歳になる。祈りの儀を済ませてから婚約披露宴を行うことになっている。今日がその日、ということだ」

「え…。そう、なのです、か」

いきなりすぎだろう。しかも相手は年上と、な。
子爵って、うちより下の階級なんじゃないのか?
なんで子爵令嬢と婚約することになっているんだ。でもまぁ、決まっていることなんだから仕方ないか。受け入れるしかない。
婚約披露宴は今夜開催されることは、僕以外全員知っているのか、周りの従者達が忙しそうにしているのが目に映る。
朝から何事かと思ってはいたが、やっと理解することが出来た。
父上様の話が終わると僕は自室へ向かう。
とりあえず、いろんなことについて頭の中で整理することにした。
時は刻み、そして、太陽が沈み、あたりは薄暗くなった。
そして夜。
僕はタキシードに身を包み、一階の大広間へ。
これから婚約披露宴、だ。乗り切るぞ、僕。


「それでは、只今よりマイン様、スカーレット様のご婚約披露宴を開催いたします」

多くの来客の目の前に立たされていた。隣にはお初のスカーレット嬢がいる。
すらっとした体形で髪はつやつやで綺麗だ。
勿論顔は美人、これは鉄板だ。この子が僕の婚約者、なんだなぁ。

司会者はそれぞれの家の紹介を始めた。呼ばれた人は前に一歩進み一礼する。
仕来りだろう。
僕の番がきて、大人たちと同じようにした。
相手の家の紹介が全て終わると立食パーティーが始まった。
僕は疲れてしまい、壁の近くに置いてある椅子に腰かけた。
さすがに人が多すぎて人酔いした。全盛でも人とのコミュニケーションはとても苦手だった。
暫く座っていると僕に近づいてくる存在を感じて、その方向へ目を向けると…。

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