ユニークスキル「平均値」で異世界転生～チート過ぎて最強になった俺は世界を救わなくてはいけなくなりました～

第四話 冒険者へ！

　俺はさっそく手に入れた隠蔽スキルでステータスの隠蔽をした。

ステータス画面（隠蔽）

氏名：ホープ・フォン・ドーベルベン
性別：男
レベル：１
HP：２００
MP:１５０
獲得EX：０
スキル：該当なし
魔法：火属性初級、水属性初級
持ち物：上流貴族子供服一式
その他：該当なし

　よし、こんなものだろう。次にこの世界の事ついて分かったことを纏めた。この世界には魔法が存在している。さらに魔物が生息しているらしい。国のあちこちに魔物が出現していて冒険者と呼ばれる職業や国の騎士たちが討伐している。貴族は各領地を与えられ統治し、国民から税を徴収したり、領地のあらゆる問題ごとや魔物討伐に関して国に代わって行うのが仕事のようだ。俺の家の領地は首都と隣り合わせのドーベルベン領という名前だそうだ。そしてこの国の名は「イーストウッド王国」だ。家族構成はさっき確認した通り。ユニークスキル平均値の影響なのか４兄弟中２番だ。

「それにしても俺のあの異常ステータス、いったい何が基準であんなことになっているのだろう。光の人は全ての平均値と言っていたが、平均値の範囲が不明なのがなぁ。この数値既に最強クラスなのではないか？一度他人のステータスを見て比較する必要があるな」

　ある程度現状確認した俺は食べ終わった食事を台所にもっていこうとベッドから出て部屋を後にした。

　かなり広い屋敷のようでどこが台所なのか分からず、彷徨っている俺を新たな侍女が慌ててそばにやってきた。俺の前で両膝をついて申し訳なさそうな表情で話し始めた。

「ホ、ホープ様！何をなさっておいでですか？食器は私共に下げさせるようにして下さい。そうでないと私共が御屋形様に叱られてしまいます。どうかこちらにお渡しくださいませ」

　そういって俺から食器を取り上げた。侍女は一礼した後振り返って台所のある場所へ行ってしまった。貴族の仕来りなんて知らないから失敗してしまった。これからはふるまい方も貴族らしく出来るように勉強したほうがよさそうだ。

それから再び部屋に戻ると小さな男の子が部屋の椅子に座っていた。おそらく兄さんだろう。俺は男の子のところへ行って声を掛けた。

「アンリー兄様、どうされたのですか？」

　俺がそう尋ねると笑顔で話しかけてきた。

「ホープが目覚めたって聞いたから様子を見に来たんだよ。体は大丈夫なのか？心配したんだよ。元気になってくれてよかった」

「心配かけてごめんなさい。もう元気です。先ほど食事を食べました。明日からは外に出る事も出来ますよ」

　俺は笑顔でそういうと、兄は安どの様子で笑顔を見せた。暫く兄と談笑した後自室へ戻ると言い部屋を後にした。その日の夕食では父親から祝福されまだ幼い双子以外の全員で職を共にした。食事後は暫く家族で談笑したのち各自自室へ戻りその日は終わった。
　それから俺がこの世界に転生して数か月が経過した。俺はこの世界のあらゆることを知るために本を読みまくった。この国の情勢、歴史、文化、民族など到底５歳児が読むものではないものを読み学んだ。そして魔法学についても学んだ。学習するときはこっそり本を自室へ持ち込み家族にバレないよう細心の注意を図った。５歳児が読めるはずのない本を読んでいるのがばれたら一大事だ。ある程度理解を深めてこっそり魔法の練習をする日々が続いた。

　あっという間に時は流れ、俺は５歳から１０歳の誕生日を迎えた。この国は１０歳になった貴族子息令嬢にお披露目会を開くのだ。所謂お見合いパーティである。１５歳で成人として扱われ、婚姻を結び当主補佐としての仕事をするのが常識なのだそうだ。俺の前の世界とはかけ離れいる内容で困惑してしまう。お披露目会に出席するため正装に着替え馬車に乗って王都にあるパーティ会場に向かう。両親に付き添ってもらうのが基本だ。俺は両親とともに会場に向かった。

「ホープももうお披露目会出席な歳になったのだな。目覚めてから５年は早かったな。ホープは次男だから公爵家を引き継げないが、何かやりたいことなどはあるのか？この機会に聞いてみたい」

　馬車の中で父親が俺に尋ねてきた。そう俺は次男だから後継者にはなれない。だからいずれは家を出る必要があるのだ。俺は家を出る前提で今まで様々な勉強をしてきた。そして俺が目指すもの、それは…。

「お父様、僕は冒険者になるつもりです」

　そう、冒険者になる。俺のこのチートステータスであれば絶対通用するはず。それに騎士になると組織に縛られて自由に動くことが出来ないのは嫌だ。俺がそう答えると、父親は驚いた表情になった。