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10 お淑やかに
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ざまぁするつもりでいたのだが、私の心がそれをすることを躊躇った。
とういうよりそんなことをしてもあまり意味がないことが分かったのだ。
私は悪役令嬢。
それは揺るがない事実。
それを払拭するためにはここでざまぁしている場合じゃない。
「もういいですわ。分かってくれたのであれば……」
「クラーラ、良いのか?」
「ええ……私の事についてこれまでと同様、この学園で安心安全に過ごせるのであれば良いですわ」
「そうか。其方がそう言うのであれば。マライア、クラーラに有難いと思わなければな。今後このような事が無いよう、生徒会長としてやっていくんだな」
「はい……ヨハン様」
朝の出来事はこれでお仕舞。
その後は普通に学園生活を取り戻すことに成功した私は誰とも寄り付かせない雰囲気を漂わせていた。
ただ、何人かの取り巻き達が私の周りに寄って来ることはあった。
その中でも特にしつこく私のご機嫌取りをする人が居た。
彼女の名前はアリーレ。
私が日記で度々彼女の事を苛めていたと書かれていた人物だった。
今は彼女に何もしていない。
と言いより誰ともせってしていないのだ。
余計な事をするとまた何か良からなぬ事が起こるかもしれない。
そう思って動けなかった。
そんなある日の事。
中庭を歩いていると、私の目の前に数名の女学生が集まって来た。
その中にアリーレとマルティが居た。
「クラーラ様。最近どうなさったのですか? 以前のように威厳ある態度を振舞って下さいまし。わたくし共はそのお姿に魅了されて集まっているのですから」
私がそんな態度で居たから生徒会長に目の敵にされたんだけど。
それに目立ちたくはないの、今は。
とういうよりそんなことをしてもあまり意味がないことが分かったのだ。
私は悪役令嬢。
それは揺るがない事実。
それを払拭するためにはここでざまぁしている場合じゃない。
「もういいですわ。分かってくれたのであれば……」
「クラーラ、良いのか?」
「ええ……私の事についてこれまでと同様、この学園で安心安全に過ごせるのであれば良いですわ」
「そうか。其方がそう言うのであれば。マライア、クラーラに有難いと思わなければな。今後このような事が無いよう、生徒会長としてやっていくんだな」
「はい……ヨハン様」
朝の出来事はこれでお仕舞。
その後は普通に学園生活を取り戻すことに成功した私は誰とも寄り付かせない雰囲気を漂わせていた。
ただ、何人かの取り巻き達が私の周りに寄って来ることはあった。
その中でも特にしつこく私のご機嫌取りをする人が居た。
彼女の名前はアリーレ。
私が日記で度々彼女の事を苛めていたと書かれていた人物だった。
今は彼女に何もしていない。
と言いより誰ともせってしていないのだ。
余計な事をするとまた何か良からなぬ事が起こるかもしれない。
そう思って動けなかった。
そんなある日の事。
中庭を歩いていると、私の目の前に数名の女学生が集まって来た。
その中にアリーレとマルティが居た。
「クラーラ様。最近どうなさったのですか? 以前のように威厳ある態度を振舞って下さいまし。わたくし共はそのお姿に魅了されて集まっているのですから」
私がそんな態度で居たから生徒会長に目の敵にされたんだけど。
それに目立ちたくはないの、今は。
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