「私はまた、失う」

私の身の上に起こった「東日本大震災」による「原発事故」での避難、被災生活中の出来事を書いた、ノンフィクションの話です。

2011年3月11日、東日本大震災により、原発は事故を起こした。
放射能を巻き散らかした福島第一原子力発電所のある町からの被災者である私や家族たち、町の人々への偏見や差別。

私たちは、すぐには故郷へと戻ることは許されなかった。
すぐには、ではない。
永遠に、だ。

何もかもに絶望し、私は生きる気力を失いかける。

救ってくれようとしてくれている人の手や、助けようとしてくれている人の声が、私には届かなかった。

ひどい惨状を見た。
全てが虚しく感じた。
私はまだ、もっと、何もかもを、失うの。

これは、「私にだけ起こりえること」じゃなかった。
誰にでも、起こりえることだった。

何度も諦めようとした。
もう無理だと思った。
私には何もなくなってしまったのだと思った。
それでも生きた理由がある。
生きることをなんとか選択出来た理由がある。

私が「失って失って失って」「傷ついて傷ついて傷ついて」も、生きて行くことを諦めず、「生きなければ」と思わせてもらうことが出来たのは、ただの小さな日々の積み重ね。

私を今、生かすものは、何だろう。
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