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終章 世界の終わりと創世の伝説
234 勇壮にはいかない輸送計画
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「アグレト様、例の四人には話を伝えて構わないかな?
静かにさせるのも、ちょっと難しくなってるんだよね。」
ブリゲアンが僕に秘密を話す許可を求めた。
例の四人とは幹部クラスの魔族、マルゲル、マレナーラ、クアトロ、ペスカトールだ。
彼らはオキスが魔王になるために協力しようとしていたのだ。
しかしアリスが魔王になってしまった以上、事情を話しておく必要がある。
まあ、あのマゾ的な趣向を考えると、神の使徒である可能性は限りなく低い。
「分かった、話して構わないよ。
ついでに、いくつか協力してもらいたいことがある。」
僕は秘密を話す許可を出し、そして今後の動きに対して協力を求めた。
魔族が使役している魔物の中には、山岳地帯の物資の輸送に適した者がいる。
ケルガナーダ公国の件を片付けるのに必要なのだ。
現在のレイネス周辺には、魔族と使役されている魔物が合計一万を超える。
すでに一部の魔族や魔物は、レイネスのプラント建設や周辺の開拓に協力してもらっている。
戦闘向きの者達には、野生の魔物や盗賊対策で動いてもらってはいるけれど、刈り尽くしてかなり暇な状況だ。
そろそろ新しい仕事を与えた方がいいだろう。
ケルガナーダ公国に侵攻するクルセイダーズには、飛行船を使って対処する予定ではある。
しかし積載量10トンというのが、実は微妙な数字なのだ。
例えば冒険者を100人乗せたとする。
彼らの体重と装備の重量が100キログラムを超えると、その時点で積載量を超えてしまう。
食料や大型の武器、予備の弾薬まで考えると、乗せられる人数は激減する。
ある程度の長期戦も視野に入れると、ぶっちゃけ積載量が全然足りない。
ピストン輸送するにも、狙う撃ちされないように、戦闘区域からある程度離れた場所までしか物資を輸送できない。
つまり地上からの輸送が絶対に必要になるのだ。
魔族の使役するゴブリンやオークなどの魔物は近代兵器の扱いが絶望的に苦手だ。
しかしある程度の戦闘能力を有し、山道などを得意とする。
適材適所というのを考えれば、物資の輸送とその護衛にはピッタリだろう。
「つまり戦闘には参加せず、物資の輸送だけでいいということなのかい?」
ブリゲアンが僕に確認する。
「今回の作戦は、レイネスの戦力を確認するためのテストを兼ねている。
新兵器の有用性や部隊の練度を確認するためのものなんだ。
だから魔族達は輸送物資が狙われた場合を除き、戦闘の必要ない。」
僕は作戦の趣旨を説明する。
「あの四人が残念がるよ。」
ブリゲアン自身も残念そうにしている。
「その代わり、アストレイアが僕を召喚した理由を見せてあげるよ。
今回の戦いを見れば、必ず納得してもらえると思う。」
僕は自信を持ってそう言った。
事前準備は完璧では無いにしろ、出来る範囲のことは全てやっている。
これで駄目なら僕のせいでは無い。
アストレイアの見る目が無かったということだ。
「それは楽しみだね。
ではいつでも動けるように、さっそく準備に取りかかるよ。
それと一応。
もし微妙な結果になった場合、魔王アリスの元へ鞍替えする者が出るよ。
アグレト様が失敗するようなことは無いと思うけどね。」
ブリゲアンはそう言って去って行った。
「アリス・・・上手くやれているかな?」
僕は一人呟いた。
魔領にあった神の遺跡の封印が解かれてしまった件を考えると、それなりに不安になる。
魔領の中にも神の使徒が紛れ込んでいることは間違いない。
転生前の彼女の性格を考えると、目標や計画を立てて人を動かす分野には絶望的に向いていない。
どちらかというと、海に行こうとして山に登っていたりする性格だ。
そして人に騙されやすい。
情報によれば、ジキル達は既にアリスの元を離れている。
だから彼らのサポートは期待できない。
彼女の欠点を補って、うまく助言してくれるような存在が魔領にいることを願うばかりだ。
僕は必ずアリスに会いに行く。
今回もだいぶ待たせてしまった。
だから会ったら言うつもりだ。
「お待たせ」と。
待ちぼうけ無双をやらかしたら殺される!
静かにさせるのも、ちょっと難しくなってるんだよね。」
ブリゲアンが僕に秘密を話す許可を求めた。
例の四人とは幹部クラスの魔族、マルゲル、マレナーラ、クアトロ、ペスカトールだ。
彼らはオキスが魔王になるために協力しようとしていたのだ。
しかしアリスが魔王になってしまった以上、事情を話しておく必要がある。
まあ、あのマゾ的な趣向を考えると、神の使徒である可能性は限りなく低い。
「分かった、話して構わないよ。
ついでに、いくつか協力してもらいたいことがある。」
僕は秘密を話す許可を出し、そして今後の動きに対して協力を求めた。
魔族が使役している魔物の中には、山岳地帯の物資の輸送に適した者がいる。
ケルガナーダ公国の件を片付けるのに必要なのだ。
現在のレイネス周辺には、魔族と使役されている魔物が合計一万を超える。
すでに一部の魔族や魔物は、レイネスのプラント建設や周辺の開拓に協力してもらっている。
戦闘向きの者達には、野生の魔物や盗賊対策で動いてもらってはいるけれど、刈り尽くしてかなり暇な状況だ。
そろそろ新しい仕事を与えた方がいいだろう。
ケルガナーダ公国に侵攻するクルセイダーズには、飛行船を使って対処する予定ではある。
しかし積載量10トンというのが、実は微妙な数字なのだ。
例えば冒険者を100人乗せたとする。
彼らの体重と装備の重量が100キログラムを超えると、その時点で積載量を超えてしまう。
食料や大型の武器、予備の弾薬まで考えると、乗せられる人数は激減する。
ある程度の長期戦も視野に入れると、ぶっちゃけ積載量が全然足りない。
ピストン輸送するにも、狙う撃ちされないように、戦闘区域からある程度離れた場所までしか物資を輸送できない。
つまり地上からの輸送が絶対に必要になるのだ。
魔族の使役するゴブリンやオークなどの魔物は近代兵器の扱いが絶望的に苦手だ。
しかしある程度の戦闘能力を有し、山道などを得意とする。
適材適所というのを考えれば、物資の輸送とその護衛にはピッタリだろう。
「つまり戦闘には参加せず、物資の輸送だけでいいということなのかい?」
ブリゲアンが僕に確認する。
「今回の作戦は、レイネスの戦力を確認するためのテストを兼ねている。
新兵器の有用性や部隊の練度を確認するためのものなんだ。
だから魔族達は輸送物資が狙われた場合を除き、戦闘の必要ない。」
僕は作戦の趣旨を説明する。
「あの四人が残念がるよ。」
ブリゲアン自身も残念そうにしている。
「その代わり、アストレイアが僕を召喚した理由を見せてあげるよ。
今回の戦いを見れば、必ず納得してもらえると思う。」
僕は自信を持ってそう言った。
事前準備は完璧では無いにしろ、出来る範囲のことは全てやっている。
これで駄目なら僕のせいでは無い。
アストレイアの見る目が無かったということだ。
「それは楽しみだね。
ではいつでも動けるように、さっそく準備に取りかかるよ。
それと一応。
もし微妙な結果になった場合、魔王アリスの元へ鞍替えする者が出るよ。
アグレト様が失敗するようなことは無いと思うけどね。」
ブリゲアンはそう言って去って行った。
「アリス・・・上手くやれているかな?」
僕は一人呟いた。
魔領にあった神の遺跡の封印が解かれてしまった件を考えると、それなりに不安になる。
魔領の中にも神の使徒が紛れ込んでいることは間違いない。
転生前の彼女の性格を考えると、目標や計画を立てて人を動かす分野には絶望的に向いていない。
どちらかというと、海に行こうとして山に登っていたりする性格だ。
そして人に騙されやすい。
情報によれば、ジキル達は既にアリスの元を離れている。
だから彼らのサポートは期待できない。
彼女の欠点を補って、うまく助言してくれるような存在が魔領にいることを願うばかりだ。
僕は必ずアリスに会いに行く。
今回もだいぶ待たせてしまった。
だから会ったら言うつもりだ。
「お待たせ」と。
待ちぼうけ無双をやらかしたら殺される!
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