126 / 262
5章 希望の家と集う仲間
127 近状のご近所問題
しおりを挟む
「元の世界・・・。」
転生して10年以上経過している。
僕は元の世界の事が、凄く遠い昔のように感じている。
異世界の辞典で情報は手に入るけれど、既に自分のいた世界という感覚がなくなっている。
「元々俺は、こっちに呼び出されただけだ。
だから帰る方法は必ずあると思っていた。」
「探していたんだね。」
僕は帰る方法など考えたことも無かった。
ギスケは帰りたかったのだろうか。
「探ってはいたが、見つけたのはタマタマだ。
だが、向こうでは色々やり残したことがある。」
「帰るつもりなの?」
「残念ながら、こっちでやり残していることの方が多い。
まだ先の話だ。」
「アンタはどうする?
その気があるなら、いつでも向こうに送ってやるよ。」
そんなに便利に
「いや、やめておくよ。
ギスケと違って転生者だし、僕は向こうに未練はない。」
「そうか。
それとまだ重要な話は残ってるんだ。」
ようやく神魔砲の話か。
「実はこの世界は滅びかけてる。」
ん?ええと?ん?
「ハ?」
僕は自分の行動にデジャブーを感じた。
「実は隣接する異世界で行われた儀式に巻き込まれていて、それに対処しないとマズい状況なんだ。
そっちに世界を滅ぼそうとする馬鹿野郎がいてな。
以前にデカい地震があったのを覚えてるか?」
「うん、そう言えばあったね。
こっちでは地震が少ないみたいで、みんな世界の終わりでも来たような怯え方だった。」
「あれはこっちの世界と隣接世界の接触で起きた地震だ。
儀式を防ぎきれなかったせいだ。
その件はもう少しで片付きそうなんだが、今度はこっちの世界で厄介ごとだ。
勘弁してもらいたいぜ。」
ギスケが何かやっていたのはこの件だったようだ。
「で、世界に穴を開けて行き来していたら、元の世界への道を発見したんだ。」
完全に別の物語りが進行していたようだ。
「僕に何か出来ることは?」
「隣接世界の件はいずれ協力を頼むことがあるかも知れないが、当面はこっちの世界をなんとかしたい。」
隣接世界がどんなところか気になるけれど、まずは足下が重要だ。
「まず神魔砲を潰そうと思う。」
僕はそう提案した。
というよりそれしかない。
僕は続けて言った。
「師匠のことだから、当然そういう流れになることは予測しているはず。
おそらく鉄壁の防御を固めているだろうね。
それに勝つには、師匠の予測の上を行く必要がある。」
師匠の予測を超えるのはやっぱりアレしか無い。
「俺はここから動くのは難しい。
頼めるか?」
魔王と異世界の対処を負担しているギスケは忙しい。
「まあ、なんとかなると思う。
その代わりちょっと欲しい人材がいるんだけど。」
僕はそう答えた。
こうしてブリデイン王国の神魔砲クエストが始まろうとしていた。
そろそろ師匠無双を止めなければならない。
転生して10年以上経過している。
僕は元の世界の事が、凄く遠い昔のように感じている。
異世界の辞典で情報は手に入るけれど、既に自分のいた世界という感覚がなくなっている。
「元々俺は、こっちに呼び出されただけだ。
だから帰る方法は必ずあると思っていた。」
「探していたんだね。」
僕は帰る方法など考えたことも無かった。
ギスケは帰りたかったのだろうか。
「探ってはいたが、見つけたのはタマタマだ。
だが、向こうでは色々やり残したことがある。」
「帰るつもりなの?」
「残念ながら、こっちでやり残していることの方が多い。
まだ先の話だ。」
「アンタはどうする?
その気があるなら、いつでも向こうに送ってやるよ。」
そんなに便利に
「いや、やめておくよ。
ギスケと違って転生者だし、僕は向こうに未練はない。」
「そうか。
それとまだ重要な話は残ってるんだ。」
ようやく神魔砲の話か。
「実はこの世界は滅びかけてる。」
ん?ええと?ん?
「ハ?」
僕は自分の行動にデジャブーを感じた。
「実は隣接する異世界で行われた儀式に巻き込まれていて、それに対処しないとマズい状況なんだ。
そっちに世界を滅ぼそうとする馬鹿野郎がいてな。
以前にデカい地震があったのを覚えてるか?」
「うん、そう言えばあったね。
こっちでは地震が少ないみたいで、みんな世界の終わりでも来たような怯え方だった。」
「あれはこっちの世界と隣接世界の接触で起きた地震だ。
儀式を防ぎきれなかったせいだ。
その件はもう少しで片付きそうなんだが、今度はこっちの世界で厄介ごとだ。
勘弁してもらいたいぜ。」
ギスケが何かやっていたのはこの件だったようだ。
「で、世界に穴を開けて行き来していたら、元の世界への道を発見したんだ。」
完全に別の物語りが進行していたようだ。
「僕に何か出来ることは?」
「隣接世界の件はいずれ協力を頼むことがあるかも知れないが、当面はこっちの世界をなんとかしたい。」
隣接世界がどんなところか気になるけれど、まずは足下が重要だ。
「まず神魔砲を潰そうと思う。」
僕はそう提案した。
というよりそれしかない。
僕は続けて言った。
「師匠のことだから、当然そういう流れになることは予測しているはず。
おそらく鉄壁の防御を固めているだろうね。
それに勝つには、師匠の予測の上を行く必要がある。」
師匠の予測を超えるのはやっぱりアレしか無い。
「俺はここから動くのは難しい。
頼めるか?」
魔王と異世界の対処を負担しているギスケは忙しい。
「まあ、なんとかなると思う。
その代わりちょっと欲しい人材がいるんだけど。」
僕はそう答えた。
こうしてブリデイン王国の神魔砲クエストが始まろうとしていた。
そろそろ師匠無双を止めなければならない。
0
お気に入りに追加
622
あなたにおすすめの小説
職業選択の自由~ネクロマンサーを選択した男~
新米少尉
ファンタジー
「私は私の評価を他人に委ねるつもりはありません」
多くの者達が英雄を目指す中、彼はそんなことは望んでいなかった。
ただ一つ、自ら選択した道を黙々と歩むだけを目指した。
その道が他者からは忌み嫌われるものであろうとも彼には誇りと信念があった。
彼が自ら選んだのはネクロマンサーとしての生き方。
これは職業「死霊術師」を自ら選んだ男の物語。
~他のサイトで投稿していた小説の転載です。完結済の作品ですが、若干の修正をしながらきりのよい部分で一括投稿していきますので試しに覗いていただけると嬉しく思います~
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
異世界で生きていく。
モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。
素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。
魔法と調合スキルを使って成長していく。
小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。
旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。
3/8申し訳ありません。
章の編集をしました。
黒き叛竜の輪廻戦乱《リベンジマッチ》
Siranui
ファンタジー
そこは現代であり、剣や魔法が存在する――歪みきった世界。
遥か昔、恋人のエレイナ諸共神々が住む天界を焼き尽くし、厄災竜と呼ばれたヤマタノオロチは死後天罰として記憶を持ったまま現代の人間に転生した。そこで英雄と称えられるものの、ある日突如現れた少女二人によってその命の灯火を消された。
二度の死と英雄としての屈辱を味わい、宿命に弄ばれている事の絶望を悟ったオロチは、死後の世界で謎の少女アカネとの出会いをきっかけに再び人間として生まれ変わる事を決意する。
しかしそこは本来存在しないはずの未来……英雄と呼ばれた時代に誰もオロチに殺されていない世界線、即ち『歪みきった世界』であった。
そんな嘘偽りの世界で、オロチは今度こそエレイナを……大切な存在が生き続ける未来を取り戻すため、『死の宿命』との戦いに足を踏み入れる。
全ては過去の現実を変えるために――
一輪の廃墟好き 第一部
流川おるたな
ミステリー
僕の名前は荒木咲一輪(あらきざきいちりん)。
単に好きなのか因縁か、僕には廃墟探索という変わった趣味がある。
年齢25歳と社会的には完全な若造であるけれど、希少な探偵家業を生業としている歴とした個人事業者だ。
こんな風変わりな僕が廃墟を探索したり事件を追ったりするわけだが、何を隠そう犯人の特定率は今のところ百発百中100%なのである。
年齢からして担当した事件の数こそ少ないものの、特定率100%という素晴らしい実績を残せた秘密は僕の持つ特別な能力にあった...
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
兎人ちゃんと異世界スローライフを送りたいだけなんだが
アイリスラーメン
ファンタジー
黒髪黒瞳の青年は人間不信が原因で仕事を退職。ヒキニート生活が半年以上続いたある日のこと、自宅で寝ていたはずの青年が目を覚ますと、異世界の森に転移していた。
右も左もわからない青年を助けたのは、垂れたウサ耳が愛くるしい白銀色の髪をした兎人族の美少女。
青年と兎人族の美少女は、すぐに意気投合し共同生活を始めることとなる。その後、青年の突飛な発想から無人販売所を経営することに。
そんな二人に夢ができる。それは『三食昼寝付きのスローライフ』を送ることだ。
青年と兎人ちゃんたちは苦難を乗り越えて、夢の『三食昼寝付きのスローライフ』を実現するために日々奮闘するのである。
三百六十五日目に大戦争が待ち受けていることも知らずに。
【登場人物紹介】
マサキ:本作の主人公。人間不信な性格。
ネージュ:白銀の髪と垂れたウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。恥ずかしがり屋。
クレール:薄桃色の髪と左右非対称なウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。人見知り。
ダール:オレンジ色の髪と短いウサ耳が特徴的な兎人族の美少女。お腹が空くと動けない。
デール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ドール:双子の兎人族の幼女。ダールの妹。しっかり者。
ルナ:イングリッシュロップイヤー。大きなウサ耳で空を飛ぶ。実は幻獣と呼ばれる存在。
ビエルネス:子ウサギサイズの妖精族の美少女。マサキのことが大好きな変態妖精。
ブランシュ:外伝主人公。白髪が特徴的な兎人族の女性。世界を守るために戦う。
【お知らせ】
◆2021/12/09:第10回ネット小説大賞の読者ピックアップに掲載。
◆2022/05/12:第10回ネット小説大賞の一次選考通過。
◆2022/08/02:ガトラジで作品が紹介されました。
◆2022/08/10:第2回一二三書房WEB小説大賞の一次選考通過。
◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。
◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。
◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。
※アイリスラーメンの作品です。小説の内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる