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【R-18】実践形式 6月2日~3日
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貴重品はセーフティボックスに預けた。ここは高級なホテルだから信用できるだろう。
ケイに教えてもらったお店でばらまき用のお土産も買った。これで後は飛行機に乗れれば大丈夫。
ホテルに合わせて身なりも少し整えた。少し余分にお金を持ってきておいて良かったと思う。
そして、一番大事なコンドームもケイと一緒に買った。知らない相手の持ってきたものは信用できない。妊娠と性病は困る。
ただ、サイズもあるので一緒にいるときに目の前で選んでもらって杏梨が買った。コンドームを自分で買うのは初めてだ。ケイが選んだものは日本製のもので、サイズは普通よりも大きかった。
「虜にしてくれるんだろ? 」と言いながら、個数が多いものを渡してきたので、平静を保つのが難しくて顔をそらした。
約束の21時、綺麗なホテルのロビーに降りると、ケイはソファーに座って待っていてくれた。
「待たせてごめんなさい」
声を掛けると、ケイは立ち上がる。昼間とは違う襟のついたシャツにロング丈のパンツ。ホテルに合わせて身なりを整えてきてくれたのだろう。長身な彼にその服はよく似合っていて、恋じゃないのにどきどきした。
「時間通りだろ? 」
「もっと早く私がきたら、もっと長く一緒にいられたでしょ?」
そう言って隣の彼を見上げると、楽しそうに笑っていた。
「ああ、そうだな」
「どうぞ」
エレベーターを上がって、部屋に招き入れる。彼に抱きついて余計なものを持っていない事を確認した。ポケットにスマホと財布があるくらい。
「身体検査か? 」
バレバレだったようでケイが杏梨を見下ろしてくる。
「ただのスキンシップ」
背伸びしてキスすると彼は応えてくれた。脳味噌まで直接舐められているようなキスに、立っているのが難しくなる。
ようやく唇を放してくれたときには杏梨の息は上がっていた。抱きついていないと立っていられない。それが分かっているケイは杏梨が手を放しても倒れないようにその筋肉のついた腕で彼女をつかまえていた。
「おーい、そんなんで落とせるのか? 」
綺麗に並んだ白い歯が眩しく、彼は子どものような顔で笑う。
「テクニックじゃ敵わなくても、他にできることをするからいいの。ケイさん、お風呂一緒に入りましょ? 」
杏梨が彼の服に手をしのびこませると、彼は抵抗しなかった。服の下の彼の身体は腕と同様に日に焼けていて、手触りの良い筋肉がほどよくついている。脱がせながら触っていると、「こしょぐったい」とケイに怒られた。
膝をついて、ベルトに手をかける。部屋にカチャカチャと音が響いて、何でもないことなのに恥ずかしく感じた。ズボンとシャツを丁寧に畳み、テーブルの上に置く。あとは下着だけ。杏梨は上から少し撫でてから、手を入れてゆっくりと下ろした。
つい見惚れていると、上から声が降ってくる。
「おい、いつまで見てんだ? まさか初めて見る訳でもないだろ? 」
「こーゆーのは……初めてです」
○○○
その後一緒にお風呂に入った。今まで男の人と一緒にお風呂に入ったことはない。お風呂に誘ったのは、身体全体をみて安全確認するためと衛生面の点を考慮したから。その日知り合った人と夜を共にするならば、万全を期すに越したことはない。
「おい、ふざけてんの? 1から手取り足取り教えてやるほど、暇じゃねー。教えて欲しけりゃ、自分にできることしてみろよ? 」
何をどう洗えばいいかわからなくて戸惑っていたら、そんな言葉が飛んできた。出来る限りの事をして、誠意を見せると彼はヒントや指示をくれた。一晩中、その繰り返し。
プライドも恥も全部捨てて、愛のないセックスの沼に浸かる。正直、ケイには敵わなくて、虜には出来なかった。苦しい位の快楽に、自然に涙が出てきてこわくてケイにしがみつく。
「気持ちよすぎてこわい」
「素直なとこは……可愛いな」
彼は息を荒げながら、呟いていた。その顔が快楽に歪んでいたので、目標には届かなかったがそれで良しとしておこう。
抱き潰された。そんな言葉の似合う朝。
ケイは杏梨をお姫様抱っこで運んで、お湯を溜めたお風呂にそっと入れてくれた。
「ケイさんには敵わなかったです。でも、色々勉強になりました。ありがとうございました。楽しかったです」
頭をわしゃわしゃと洗ってくれるケイに向かって言うと、彼はその手の動きを早くした。
「杏梨は頑張り屋で素直だから、無駄なもん捨てたらきっと彼氏とやり直せるよ。
お前は……頑張れば意志疎通できるところに相手がいるんだから頑張れ」
小さな声は洗う音に紛れて途切れ途切れだったけれど、確かに杏梨の耳に届いた。ケイが杏梨の名前を呼んだのはこの一回きり。
「あんた悪くなかったよ。じゃあな」
あっさり帰って行った彼とは連絡先を交換しなかった。フルネームさえお互いに知らない。あの家具がファンシーで、女性が住んでいそうな部屋も、恐らく彼の家ではない。彼の事は何も知らない。
ケイとの時間は誰にも言えない。
誰にも言わない。
清廉潔白、完璧主義な自分にも、そんな秘密があってもいいだろう。
※今後もしも余裕があれば、この夜の話を詳しく加筆するかもしれません。(番外編等で)
【注意】この話はあくまで物語上の話です。世の中には悪い人もいます。危ない目にあってからでは遅いので、見知らぬ人にはついて行かないようにして下さいね( ;´・ω・`)
ケイに教えてもらったお店でばらまき用のお土産も買った。これで後は飛行機に乗れれば大丈夫。
ホテルに合わせて身なりも少し整えた。少し余分にお金を持ってきておいて良かったと思う。
そして、一番大事なコンドームもケイと一緒に買った。知らない相手の持ってきたものは信用できない。妊娠と性病は困る。
ただ、サイズもあるので一緒にいるときに目の前で選んでもらって杏梨が買った。コンドームを自分で買うのは初めてだ。ケイが選んだものは日本製のもので、サイズは普通よりも大きかった。
「虜にしてくれるんだろ? 」と言いながら、個数が多いものを渡してきたので、平静を保つのが難しくて顔をそらした。
約束の21時、綺麗なホテルのロビーに降りると、ケイはソファーに座って待っていてくれた。
「待たせてごめんなさい」
声を掛けると、ケイは立ち上がる。昼間とは違う襟のついたシャツにロング丈のパンツ。ホテルに合わせて身なりを整えてきてくれたのだろう。長身な彼にその服はよく似合っていて、恋じゃないのにどきどきした。
「時間通りだろ? 」
「もっと早く私がきたら、もっと長く一緒にいられたでしょ?」
そう言って隣の彼を見上げると、楽しそうに笑っていた。
「ああ、そうだな」
「どうぞ」
エレベーターを上がって、部屋に招き入れる。彼に抱きついて余計なものを持っていない事を確認した。ポケットにスマホと財布があるくらい。
「身体検査か? 」
バレバレだったようでケイが杏梨を見下ろしてくる。
「ただのスキンシップ」
背伸びしてキスすると彼は応えてくれた。脳味噌まで直接舐められているようなキスに、立っているのが難しくなる。
ようやく唇を放してくれたときには杏梨の息は上がっていた。抱きついていないと立っていられない。それが分かっているケイは杏梨が手を放しても倒れないようにその筋肉のついた腕で彼女をつかまえていた。
「おーい、そんなんで落とせるのか? 」
綺麗に並んだ白い歯が眩しく、彼は子どものような顔で笑う。
「テクニックじゃ敵わなくても、他にできることをするからいいの。ケイさん、お風呂一緒に入りましょ? 」
杏梨が彼の服に手をしのびこませると、彼は抵抗しなかった。服の下の彼の身体は腕と同様に日に焼けていて、手触りの良い筋肉がほどよくついている。脱がせながら触っていると、「こしょぐったい」とケイに怒られた。
膝をついて、ベルトに手をかける。部屋にカチャカチャと音が響いて、何でもないことなのに恥ずかしく感じた。ズボンとシャツを丁寧に畳み、テーブルの上に置く。あとは下着だけ。杏梨は上から少し撫でてから、手を入れてゆっくりと下ろした。
つい見惚れていると、上から声が降ってくる。
「おい、いつまで見てんだ? まさか初めて見る訳でもないだろ? 」
「こーゆーのは……初めてです」
○○○
その後一緒にお風呂に入った。今まで男の人と一緒にお風呂に入ったことはない。お風呂に誘ったのは、身体全体をみて安全確認するためと衛生面の点を考慮したから。その日知り合った人と夜を共にするならば、万全を期すに越したことはない。
「おい、ふざけてんの? 1から手取り足取り教えてやるほど、暇じゃねー。教えて欲しけりゃ、自分にできることしてみろよ? 」
何をどう洗えばいいかわからなくて戸惑っていたら、そんな言葉が飛んできた。出来る限りの事をして、誠意を見せると彼はヒントや指示をくれた。一晩中、その繰り返し。
プライドも恥も全部捨てて、愛のないセックスの沼に浸かる。正直、ケイには敵わなくて、虜には出来なかった。苦しい位の快楽に、自然に涙が出てきてこわくてケイにしがみつく。
「気持ちよすぎてこわい」
「素直なとこは……可愛いな」
彼は息を荒げながら、呟いていた。その顔が快楽に歪んでいたので、目標には届かなかったがそれで良しとしておこう。
抱き潰された。そんな言葉の似合う朝。
ケイは杏梨をお姫様抱っこで運んで、お湯を溜めたお風呂にそっと入れてくれた。
「ケイさんには敵わなかったです。でも、色々勉強になりました。ありがとうございました。楽しかったです」
頭をわしゃわしゃと洗ってくれるケイに向かって言うと、彼はその手の動きを早くした。
「杏梨は頑張り屋で素直だから、無駄なもん捨てたらきっと彼氏とやり直せるよ。
お前は……頑張れば意志疎通できるところに相手がいるんだから頑張れ」
小さな声は洗う音に紛れて途切れ途切れだったけれど、確かに杏梨の耳に届いた。ケイが杏梨の名前を呼んだのはこの一回きり。
「あんた悪くなかったよ。じゃあな」
あっさり帰って行った彼とは連絡先を交換しなかった。フルネームさえお互いに知らない。あの家具がファンシーで、女性が住んでいそうな部屋も、恐らく彼の家ではない。彼の事は何も知らない。
ケイとの時間は誰にも言えない。
誰にも言わない。
清廉潔白、完璧主義な自分にも、そんな秘密があってもいいだろう。
※今後もしも余裕があれば、この夜の話を詳しく加筆するかもしれません。(番外編等で)
【注意】この話はあくまで物語上の話です。世の中には悪い人もいます。危ない目にあってからでは遅いので、見知らぬ人にはついて行かないようにして下さいね( ;´・ω・`)
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