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たこパwith彼氏②あいしてほしい 5月3日
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ラブシーンはちょっと引くくらい多かった。
ソファーに2人で座っているが、金田は微動だにしない。
やりすぎた?というか、距離遠いよ。
2人の距離は人1人分位空いていた。最初はもっと近かったのだが、金田が少しずつ離れていったのだ。
遠ざかるなんて、こういう映画選んだから引いちゃったのかな? ばかだった…
そんなことを思っているうちに映画は終了した。
「ワイン、美味しそうだったな」
映画の主人公がワイン好きで赤ワインを美味しそうにのんでいた。
「あっ金田さん、ワインありますよ。のみますか?」
「…杏梨が飲みたいなら」
「飲みましょうっ!」
いちゃいちゃには程遠い空気を温めるべく、杏梨は赤ワインを出してきた。
正直、ワインはあんまり好きじゃないけど、金田さんと一緒に美味しく飲みたい。
ローストビーフとチーズ、ミックスナッツを付け合わせに出す。
いつもの外食では食事メインでお酒は一杯程度にとどめている。
杏梨はお酒はあまり飲めなかった。
「乾杯っ」
赤ワインをこくんと飲んだ。金田の飲むペースに合わせていつもよりごくごく飲んでしまった。
気がつくと、世界が回っていた。
「なぁー金田さーん、ふわふわするー」
「杏梨?酔ったのか」
金田の顔が覗き込んでいる。
「酔ってないれすよぉー」
杏梨はけらけらと笑った。
杏梨は酒に弱い。だか、顔にはあまりでない。周りからは酔っているとは思われないが、気づいたときにはへにょへにょになっている。
人前ではあまり酔わないように気をつけていた。
「…酔ってるな」
金田は困った顔をしている。
「酔ってないですよぉ、金田さんっ一緒に飲みましょぉ?」
「杏梨はこっちな」
ペットボトルの水を差し出される。冷蔵庫からもってきたようだ。
「飲んで?」
有無を言わせぬ金田の言い方に、杏梨は素直に水を飲んだ。
「飲みましたっ!」
金田に報告する。
金田はペットボトルを手に取り、杏梨に変わってキャップを閉じた。
「飲んだから褒めてください~」
頭がふわふわして、座っているのがきつかったので金田にもたれかかる。
「よく飲んだ、えらい」
金田の声はぶっきらぼうだ。
「違います~そういうときは頭を撫でるんですよ~」
杏梨の言葉に金田が頭を撫でてくれる。
「えへへへへ、うれしーい」
杏梨はにまにまと笑った。
「他にして欲しいことはないか?」
金田が優しくきいてくる。
杏梨は目を閉じた。頭がくるくる回って、働かない。金田の体温だけが心地よかった。
「金田さん、愛してください~」
「?…してるが?」
「あいしてほしいんです~」
「どうやって?」
「わからないんですか?そうたは全部わかってくれるのに、金田さんは全然わかってくれない…」
「そうた?」
金田の声が強ばった。
はっと杏梨は目を開ける。
金田はもたれかかっていた杏梨をソファーに横にならせた。
「なら、そのそうたくんにあいしてもらったらいいんじゃないか?」
金田の声は聞いたことがないくらい冷たいものだった。
杏梨の頭の血の気が引いていく。
「金田さんっ、ちがっ、そういういみじゃなくて」
「俺帰るから、そうたくん呼んだら?」
金田は立ち上がり、帰ろうとしているようだった。
「私が好きなのは金田さんだけです…」
「でも、俺は全然わかってないんだろ?」
「だって、金田さん、私のこと好きなのかわかんない、
いつも淡白だし、全然触ってこないし。好きとも何とも言われたことないし、ほんとに彼女かもわかんないっ」
「…わかんないの?」
「わかんないです。
そうたはただ、私が寂しい思いをしてるのを見かねて優しくしてくれてるだけです。慰めてくれるだけで、えっちもしてません」
「ふーん…」
「直接きいてみてもいいです。」
杏梨はスマホに手を伸ばし、そうたに電話をかけた。
ぷるるるる 杏梨?どした?
そうたはすぐ出てくれた。
「あっそうた…」杏梨が話し出す前に、金田はスマホを奪い、廊下にでていった。
追いかけたくても、力が入らない。
やっちゃった…現実逃避に杏梨は静かに目を閉じた。
がちゃっ
どれくらい時間がたっただろうか。金田が廊下から帰ってきた。スマホをテーブルの上に置く。そうたとの電話は切れているようだ。
「金田さん…」
杏梨は目を開けた。金田の目は心なしか和らいだように見えた。
「そうたはなんて…」杏梨が言い終わらないうちに
「もう少し水をのめ」言葉を被せられる。
「酒弱いのに、俺に合わせていつもより飲んだから酔ったんだろ?気づかなくてごめんな」
金田の手が杏梨の頭を撫でる。
「お水飲んだら、ベットいくか?ちゃんとずっとそばにいるから」
杏梨はこくんと頷いた。
ソファーに2人で座っているが、金田は微動だにしない。
やりすぎた?というか、距離遠いよ。
2人の距離は人1人分位空いていた。最初はもっと近かったのだが、金田が少しずつ離れていったのだ。
遠ざかるなんて、こういう映画選んだから引いちゃったのかな? ばかだった…
そんなことを思っているうちに映画は終了した。
「ワイン、美味しそうだったな」
映画の主人公がワイン好きで赤ワインを美味しそうにのんでいた。
「あっ金田さん、ワインありますよ。のみますか?」
「…杏梨が飲みたいなら」
「飲みましょうっ!」
いちゃいちゃには程遠い空気を温めるべく、杏梨は赤ワインを出してきた。
正直、ワインはあんまり好きじゃないけど、金田さんと一緒に美味しく飲みたい。
ローストビーフとチーズ、ミックスナッツを付け合わせに出す。
いつもの外食では食事メインでお酒は一杯程度にとどめている。
杏梨はお酒はあまり飲めなかった。
「乾杯っ」
赤ワインをこくんと飲んだ。金田の飲むペースに合わせていつもよりごくごく飲んでしまった。
気がつくと、世界が回っていた。
「なぁー金田さーん、ふわふわするー」
「杏梨?酔ったのか」
金田の顔が覗き込んでいる。
「酔ってないれすよぉー」
杏梨はけらけらと笑った。
杏梨は酒に弱い。だか、顔にはあまりでない。周りからは酔っているとは思われないが、気づいたときにはへにょへにょになっている。
人前ではあまり酔わないように気をつけていた。
「…酔ってるな」
金田は困った顔をしている。
「酔ってないですよぉ、金田さんっ一緒に飲みましょぉ?」
「杏梨はこっちな」
ペットボトルの水を差し出される。冷蔵庫からもってきたようだ。
「飲んで?」
有無を言わせぬ金田の言い方に、杏梨は素直に水を飲んだ。
「飲みましたっ!」
金田に報告する。
金田はペットボトルを手に取り、杏梨に変わってキャップを閉じた。
「飲んだから褒めてください~」
頭がふわふわして、座っているのがきつかったので金田にもたれかかる。
「よく飲んだ、えらい」
金田の声はぶっきらぼうだ。
「違います~そういうときは頭を撫でるんですよ~」
杏梨の言葉に金田が頭を撫でてくれる。
「えへへへへ、うれしーい」
杏梨はにまにまと笑った。
「他にして欲しいことはないか?」
金田が優しくきいてくる。
杏梨は目を閉じた。頭がくるくる回って、働かない。金田の体温だけが心地よかった。
「金田さん、愛してください~」
「?…してるが?」
「あいしてほしいんです~」
「どうやって?」
「わからないんですか?そうたは全部わかってくれるのに、金田さんは全然わかってくれない…」
「そうた?」
金田の声が強ばった。
はっと杏梨は目を開ける。
金田はもたれかかっていた杏梨をソファーに横にならせた。
「なら、そのそうたくんにあいしてもらったらいいんじゃないか?」
金田の声は聞いたことがないくらい冷たいものだった。
杏梨の頭の血の気が引いていく。
「金田さんっ、ちがっ、そういういみじゃなくて」
「俺帰るから、そうたくん呼んだら?」
金田は立ち上がり、帰ろうとしているようだった。
「私が好きなのは金田さんだけです…」
「でも、俺は全然わかってないんだろ?」
「だって、金田さん、私のこと好きなのかわかんない、
いつも淡白だし、全然触ってこないし。好きとも何とも言われたことないし、ほんとに彼女かもわかんないっ」
「…わかんないの?」
「わかんないです。
そうたはただ、私が寂しい思いをしてるのを見かねて優しくしてくれてるだけです。慰めてくれるだけで、えっちもしてません」
「ふーん…」
「直接きいてみてもいいです。」
杏梨はスマホに手を伸ばし、そうたに電話をかけた。
ぷるるるる 杏梨?どした?
そうたはすぐ出てくれた。
「あっそうた…」杏梨が話し出す前に、金田はスマホを奪い、廊下にでていった。
追いかけたくても、力が入らない。
やっちゃった…現実逃避に杏梨は静かに目を閉じた。
がちゃっ
どれくらい時間がたっただろうか。金田が廊下から帰ってきた。スマホをテーブルの上に置く。そうたとの電話は切れているようだ。
「金田さん…」
杏梨は目を開けた。金田の目は心なしか和らいだように見えた。
「そうたはなんて…」杏梨が言い終わらないうちに
「もう少し水をのめ」言葉を被せられる。
「酒弱いのに、俺に合わせていつもより飲んだから酔ったんだろ?気づかなくてごめんな」
金田の手が杏梨の頭を撫でる。
「お水飲んだら、ベットいくか?ちゃんとずっとそばにいるから」
杏梨はこくんと頷いた。
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