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第1章
罪の重さ
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ものすごい視線を感じる。
見られてる。
…このくそ最低やろうっ!予定より早い
俺のせい…か…くそっ!くそっ!
悔しそうに悪態をついている。
一体誰の声…?
うっすらと目を開けると、少し離れたところに男がたっていた。
パーカーにジーンズ、少し乱れた髪の毛、目が合うと物凄い目付きでにらんでくる。
これは憎しみの目だ。そうたは背筋がぞっと寒くなるのを感じた。
「やっと起きやがりましたか。こおりくん。
とんだ最低やろう、おはようごさいます」
口が悪いのに、気味が悪い感じに丁寧な言葉を話す。
「リイト…か?」
スーツ姿ではなく、ラフな格好でわからなかったが、そいつはリイトのようだった。
20代くらいだとは思っていたが、服装を変えると、まだ学生のようにもみえる。
「人殺しの挙げ句に記憶障害ですか?勘弁してください」
冷たい目できっとにらまれる。その目は最後に見たあいりの目と重なった。
「人…殺し?えっ俺は殺してない!あいりは?あいりは死んだのか??」
廊下にちからなく横たわって泣いていたあいりの姿を思い出す。
そうだ、俺は何てことを…何てこと…
「そうですよ。殺したじゃないですか?乱暴に、力ずくであいりちゃんの尊厳を踏みにじった。身も心もこおりくんが殺した。」
「これがあなたが残したかった生きた証ですか?最低ですね、本当に。まぁ知ってましたけど」
リイトは吐き捨てるようにこおりに言葉をぶつけた。
「あいりは本当に死んだのか?」
無理やりセックスはした。だが、死因となるようなことはしていない。まさか…自殺?
「あー生物学的には生きてますよ。立とうと思えば立てるし、食べようと思えば食べられる。
ただ、でもそれができないかもしれない、しないかもしれない。
それが何でか、自分のした罪の重さは自分で考えてください。
もういい歳なんだから、それくらいできますよね?」
リイトの真っ直ぐ冷ややかな目線に、こおりは目を合わせられずにうなだれた。
何も言えない。
「でもまぁ、僕の仕事はまだ続くんで、
ああ…全くやりたくはないんですけど。
最低限の指示だけだしますね。あんた思ってた以上にばか猿なので、指示ださないと、またあいりちゃんを傷つけかねないし」
リイトは大きなため息をついた。
「まず、あいりちゃんとは直接会わないこと。
お金を、そうだなとりあえず50万くらい用意して、なるべく早めにあいりちゃんちの玄関ポストにいれておくこと。日曜日の朝9時半くらいでしたよね?時間ないので、これは早めに。
今までの交通費とつくってもらったご飯の食材費とでも書いとけば?受け取りやすいように」
「次にちゃんと仕事には行くこと。
仕事中は仕事だけに集中して。結果を出して、給料あげてね。お金、あいりちゃんのためにもいるから」
「あとは体調管理ね。食事、睡眠、適度な運動、食べたくなくても食べること。身体壊したら稼げないから」
「あ~あと、杏梨ちゃん?だっけ?頼られたら答えてあげなよ。
ただ、あの子まで傷つけたら…残りの時間はかなり嫌なものになること確実だから心してやって」
「最後に、自分の犯した罪の重さをおもいしってね。
そもそも、こおりくん、あいりちゃんの気持ち全然わかってないのむかつく。
言ってたこと、自分のしたこと、全部思い出せよ」
「んじゃ、これ以上話してたら、僕がいらいらするだけだから、ちゃんとやることやっといて」
「ずっと…みてるから」
こおりはただリイトの言葉をきいていることしかできなかった。
頭の中が真っ黒で、まわりも真っ黒で、目の前が真っ黒になったとき、こおりは意識を失った。
見られてる。
…このくそ最低やろうっ!予定より早い
俺のせい…か…くそっ!くそっ!
悔しそうに悪態をついている。
一体誰の声…?
うっすらと目を開けると、少し離れたところに男がたっていた。
パーカーにジーンズ、少し乱れた髪の毛、目が合うと物凄い目付きでにらんでくる。
これは憎しみの目だ。そうたは背筋がぞっと寒くなるのを感じた。
「やっと起きやがりましたか。こおりくん。
とんだ最低やろう、おはようごさいます」
口が悪いのに、気味が悪い感じに丁寧な言葉を話す。
「リイト…か?」
スーツ姿ではなく、ラフな格好でわからなかったが、そいつはリイトのようだった。
20代くらいだとは思っていたが、服装を変えると、まだ学生のようにもみえる。
「人殺しの挙げ句に記憶障害ですか?勘弁してください」
冷たい目できっとにらまれる。その目は最後に見たあいりの目と重なった。
「人…殺し?えっ俺は殺してない!あいりは?あいりは死んだのか??」
廊下にちからなく横たわって泣いていたあいりの姿を思い出す。
そうだ、俺は何てことを…何てこと…
「そうですよ。殺したじゃないですか?乱暴に、力ずくであいりちゃんの尊厳を踏みにじった。身も心もこおりくんが殺した。」
「これがあなたが残したかった生きた証ですか?最低ですね、本当に。まぁ知ってましたけど」
リイトは吐き捨てるようにこおりに言葉をぶつけた。
「あいりは本当に死んだのか?」
無理やりセックスはした。だが、死因となるようなことはしていない。まさか…自殺?
「あー生物学的には生きてますよ。立とうと思えば立てるし、食べようと思えば食べられる。
ただ、でもそれができないかもしれない、しないかもしれない。
それが何でか、自分のした罪の重さは自分で考えてください。
もういい歳なんだから、それくらいできますよね?」
リイトの真っ直ぐ冷ややかな目線に、こおりは目を合わせられずにうなだれた。
何も言えない。
「でもまぁ、僕の仕事はまだ続くんで、
ああ…全くやりたくはないんですけど。
最低限の指示だけだしますね。あんた思ってた以上にばか猿なので、指示ださないと、またあいりちゃんを傷つけかねないし」
リイトは大きなため息をついた。
「まず、あいりちゃんとは直接会わないこと。
お金を、そうだなとりあえず50万くらい用意して、なるべく早めにあいりちゃんちの玄関ポストにいれておくこと。日曜日の朝9時半くらいでしたよね?時間ないので、これは早めに。
今までの交通費とつくってもらったご飯の食材費とでも書いとけば?受け取りやすいように」
「次にちゃんと仕事には行くこと。
仕事中は仕事だけに集中して。結果を出して、給料あげてね。お金、あいりちゃんのためにもいるから」
「あとは体調管理ね。食事、睡眠、適度な運動、食べたくなくても食べること。身体壊したら稼げないから」
「あ~あと、杏梨ちゃん?だっけ?頼られたら答えてあげなよ。
ただ、あの子まで傷つけたら…残りの時間はかなり嫌なものになること確実だから心してやって」
「最後に、自分の犯した罪の重さをおもいしってね。
そもそも、こおりくん、あいりちゃんの気持ち全然わかってないのむかつく。
言ってたこと、自分のしたこと、全部思い出せよ」
「んじゃ、これ以上話してたら、僕がいらいらするだけだから、ちゃんとやることやっといて」
「ずっと…みてるから」
こおりはただリイトの言葉をきいていることしかできなかった。
頭の中が真っ黒で、まわりも真っ黒で、目の前が真っ黒になったとき、こおりは意識を失った。
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