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龍帝皇女の護衛役 1話ー2
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「護衛?何だよやぶから棒に。そう言うのって実績がある専門家がやるべきじゃないの?」
俺は久しぶりに帰ってきた神代家、俺の保護者である神代夫婦の家で姉代わりの十子姉さんの作った朝飯を食いながら
これまた兄代わりである神代家の家長である礼司兄の唐突な一言で始まった。
普段は黒のスーツを着て颯爽と仕事をしているように見えるが家ではダサいスエットの上下のまま寝癖爆発で朝食中。
「本来ならそうだろうが今回は特殊なケースでお前が一番適任だと俺が上に押してきた。」
礼司兄は自分の膝の上に愛娘である舞子を乗せたまま朝食を食べつつ俺に言う。
「すごいじゃない、あんたもこれで肩書きだけの『特技武官』なんて言われずに済むでしょ。はいお代わりどうぞ。」
「十子姉さん、気楽に言わないでよ。」
黒い髪を後ろで一つに纏めたすらっとした女性が俺の姉代わりである十子姉さん。
十子姉さんは俺のお代わりを渡しつつテーブルに座る。礼司兄、十子姉さん、舞子、俺。そして…
「十子殿、我輩もお代わりを所望する。やはり学食のメニューも悪くはないが家庭の味は格別ですな。」
テーブルの端を陣取って専用の小さな食器を十子姉さんに差し出している小人が俺の師匠である。
これでも昔は名のある神様だったらしいけど今では人形サイズの体を維持するので精一杯らしい。
何の神様だったかは教えてくれないが師匠の教えてくれる術は現代の術式には見れない古めかしくも貴重な物ばかりだ。
「礼司殿、その護衛の話しかと了承した。こ奴の修行の一環になるでしょう。」
小さな端で米粒をほおばりながら勝手に受ける師匠。
「さすが羌先生、後進の育成には目ざといな。俺としてもあの学園内でVIP護るとなれば学生の勇吾が一番だと思っていたんだ。」
礼司兄はしきりに頷いている、それを真似して舞子も頷いている。
「学園?ふむ、護衛の任務は学園の中で行うのか?これはしたり!」
「勝手に話を進めるなよ、俺は受けると言ってないだろ。それに何だよ師匠急にがっかりした顔して。」
大方学園の外での任務だと勝手に勘違いしていたのだろう。学園には師匠の苦手なあの人が居るからな。
俺たちの会話を聞いていた十子姉さんが口を挟む。
「ちょっと勇吾、あんたさっきから聞いていればうじうじと男らしくない男ならばしっと受けなさいよ。」
その言葉にカチンと来た俺はつい売り言葉に買い言葉で返してしまう。
「別に受けないなんて言ってないだろ!それにこれは俺と礼司兄の話だろ!トコ姉は口を挟むなよ。」
「あんた、姉さんに向かってその口の聞き方!表に出なさい!」
不味いと思ったが後の祭りで師匠を載せたままのテーブルを礼司兄が部屋の隅に移動させている。舞子も慣れたもので
この険悪な雰囲気の中我関せずと言った体でご飯を食べている。
「トコちゃん、あんまりやりすぎないでね。家の修繕費でまた俺のボーナス飛んじゃうからね。」
「レイ君大丈夫よ、この愚弟を少し躾け直すだけだから。」
神代家の最大戦力は実は家長である礼司兄ではなく十子姉さんである。
俺の格闘術の師は十子姉さんで9歳の時に引き取られてから毎日毎日その拳を受けてきた。
町内無敗、その拳修羅に至るなんて影で言われている程でいまだに俺が勝てた為しがない。
こうなると止まらない、これも修行と言えば聞こえがいいがご近所さんからするとただの姉弟喧嘩であり
隣近所の壁には礼司兄が配った防御用の札が壁一面に張られている。そして…
「姐御ー暇だから飯食わせて!ごぶぉ!」
巻き込まれるご近所さん。
ちなみに俺が十子姉さんの正拳突きを防御して吹き飛ばされたのに巻き込まれた近所に住んでる河村さんが俺と壁にはさまれる形で気を失っている。
気を失っている河村さんを偲びつつ追撃で下ろされるかかと落しを寸出で回避、
体勢を整えるだけでも精一杯な状況で十子姉さんの猛攻は続く。
一撃一撃が大砲並でその拳と蹴りの回転速度が自動小銃の様な速さなのだから冷や汗が止まらない。
十子姉さんとの喧嘩はどおしても防御一辺倒になってしまう。
攻撃を捌き避けるだけでも手一杯、下手に反撃してみたら確実に誘われてカウンターが関の山である。
十子姉さんと喧嘩した後は自身の不甲斐なさと実力不足を痛感し少しへこむ未だ遠い高みが目の前に聳え立つのを見るのはかなりつらいものだ。
十子姉さんは俺がボロボロになるのを見計らって拳を止めるとニッコリと笑う。
「少しはマシになったわね、一撃もまともに入れられなかったわ。
勇吾、あんたちゃんと強くなってるんだから一人くらい護れるぞって
言ってみなさい。
あんたは私達の自慢の弟なんだからこれくらいの任務軽くこなして見せなさい!」
よく言う、決定打は確かに一撃も当たらずに済んだけど防御した腕は半日は上げられない。
まあそれでも成長してると言われれば悪い気はしない。
俺が息を整えていると師匠が縁側から降りて来た。
「悪くない戦いであったな、どうですかな十子殿。
視野拡張と気配察知に重きを置いた修行が身に付いているであろう。」
「ええ、50点位ですね。出来るなら私に一撃入れるくらい欲しかったな。」
そう言いながらも鼻歌交じりに家に戻る十子姉さん、「50点であるか厳しいな十子殿は」
などと言いながらも師匠も居間に戻っていったのを横目にボロボロになった庭先に残される俺は体中に付いたほこりを落とし俺と十子姉さんの戦いの余波に巻き込まれボロ雑巾の様になっている河村さんを掘り起こすと若干涙目の河村さんが不憫でならなかった。
「勇坊はすごいな姐御の攻撃受けてもケロッとしてる。俺なんて学生の頃ワンパンで瀕死だったのに…あっ、そういえば飯たかりに来たんだっけな、姐御!俺の飯ありますか?秋吉の所出禁になっちまって!」
なんだかんだで頑丈な河村さんはそのまま居間に上がりこむと礼司兄や十子姉さんと談笑しつつ朝食を食べて仕事に向かった。
礼司兄も朝食を食べ終わるとスーツに着替えて出かけて行った。
その時、「お前にとっていい経験になると思うやりきって見せろよ。」
と言い残して行ってしまった。
それからの一週間俺は十子姉さんの組み手と師匠の修行を受けながらも守るべき人物の事を教えられぬまま
あっという間に過ぎていった。
俺は久しぶりに帰ってきた神代家、俺の保護者である神代夫婦の家で姉代わりの十子姉さんの作った朝飯を食いながら
これまた兄代わりである神代家の家長である礼司兄の唐突な一言で始まった。
普段は黒のスーツを着て颯爽と仕事をしているように見えるが家ではダサいスエットの上下のまま寝癖爆発で朝食中。
「本来ならそうだろうが今回は特殊なケースでお前が一番適任だと俺が上に押してきた。」
礼司兄は自分の膝の上に愛娘である舞子を乗せたまま朝食を食べつつ俺に言う。
「すごいじゃない、あんたもこれで肩書きだけの『特技武官』なんて言われずに済むでしょ。はいお代わりどうぞ。」
「十子姉さん、気楽に言わないでよ。」
黒い髪を後ろで一つに纏めたすらっとした女性が俺の姉代わりである十子姉さん。
十子姉さんは俺のお代わりを渡しつつテーブルに座る。礼司兄、十子姉さん、舞子、俺。そして…
「十子殿、我輩もお代わりを所望する。やはり学食のメニューも悪くはないが家庭の味は格別ですな。」
テーブルの端を陣取って専用の小さな食器を十子姉さんに差し出している小人が俺の師匠である。
これでも昔は名のある神様だったらしいけど今では人形サイズの体を維持するので精一杯らしい。
何の神様だったかは教えてくれないが師匠の教えてくれる術は現代の術式には見れない古めかしくも貴重な物ばかりだ。
「礼司殿、その護衛の話しかと了承した。こ奴の修行の一環になるでしょう。」
小さな端で米粒をほおばりながら勝手に受ける師匠。
「さすが羌先生、後進の育成には目ざといな。俺としてもあの学園内でVIP護るとなれば学生の勇吾が一番だと思っていたんだ。」
礼司兄はしきりに頷いている、それを真似して舞子も頷いている。
「学園?ふむ、護衛の任務は学園の中で行うのか?これはしたり!」
「勝手に話を進めるなよ、俺は受けると言ってないだろ。それに何だよ師匠急にがっかりした顔して。」
大方学園の外での任務だと勝手に勘違いしていたのだろう。学園には師匠の苦手なあの人が居るからな。
俺たちの会話を聞いていた十子姉さんが口を挟む。
「ちょっと勇吾、あんたさっきから聞いていればうじうじと男らしくない男ならばしっと受けなさいよ。」
その言葉にカチンと来た俺はつい売り言葉に買い言葉で返してしまう。
「別に受けないなんて言ってないだろ!それにこれは俺と礼司兄の話だろ!トコ姉は口を挟むなよ。」
「あんた、姉さんに向かってその口の聞き方!表に出なさい!」
不味いと思ったが後の祭りで師匠を載せたままのテーブルを礼司兄が部屋の隅に移動させている。舞子も慣れたもので
この険悪な雰囲気の中我関せずと言った体でご飯を食べている。
「トコちゃん、あんまりやりすぎないでね。家の修繕費でまた俺のボーナス飛んじゃうからね。」
「レイ君大丈夫よ、この愚弟を少し躾け直すだけだから。」
神代家の最大戦力は実は家長である礼司兄ではなく十子姉さんである。
俺の格闘術の師は十子姉さんで9歳の時に引き取られてから毎日毎日その拳を受けてきた。
町内無敗、その拳修羅に至るなんて影で言われている程でいまだに俺が勝てた為しがない。
こうなると止まらない、これも修行と言えば聞こえがいいがご近所さんからするとただの姉弟喧嘩であり
隣近所の壁には礼司兄が配った防御用の札が壁一面に張られている。そして…
「姐御ー暇だから飯食わせて!ごぶぉ!」
巻き込まれるご近所さん。
ちなみに俺が十子姉さんの正拳突きを防御して吹き飛ばされたのに巻き込まれた近所に住んでる河村さんが俺と壁にはさまれる形で気を失っている。
気を失っている河村さんを偲びつつ追撃で下ろされるかかと落しを寸出で回避、
体勢を整えるだけでも精一杯な状況で十子姉さんの猛攻は続く。
一撃一撃が大砲並でその拳と蹴りの回転速度が自動小銃の様な速さなのだから冷や汗が止まらない。
十子姉さんとの喧嘩はどおしても防御一辺倒になってしまう。
攻撃を捌き避けるだけでも手一杯、下手に反撃してみたら確実に誘われてカウンターが関の山である。
十子姉さんと喧嘩した後は自身の不甲斐なさと実力不足を痛感し少しへこむ未だ遠い高みが目の前に聳え立つのを見るのはかなりつらいものだ。
十子姉さんは俺がボロボロになるのを見計らって拳を止めるとニッコリと笑う。
「少しはマシになったわね、一撃もまともに入れられなかったわ。
勇吾、あんたちゃんと強くなってるんだから一人くらい護れるぞって
言ってみなさい。
あんたは私達の自慢の弟なんだからこれくらいの任務軽くこなして見せなさい!」
よく言う、決定打は確かに一撃も当たらずに済んだけど防御した腕は半日は上げられない。
まあそれでも成長してると言われれば悪い気はしない。
俺が息を整えていると師匠が縁側から降りて来た。
「悪くない戦いであったな、どうですかな十子殿。
視野拡張と気配察知に重きを置いた修行が身に付いているであろう。」
「ええ、50点位ですね。出来るなら私に一撃入れるくらい欲しかったな。」
そう言いながらも鼻歌交じりに家に戻る十子姉さん、「50点であるか厳しいな十子殿は」
などと言いながらも師匠も居間に戻っていったのを横目にボロボロになった庭先に残される俺は体中に付いたほこりを落とし俺と十子姉さんの戦いの余波に巻き込まれボロ雑巾の様になっている河村さんを掘り起こすと若干涙目の河村さんが不憫でならなかった。
「勇坊はすごいな姐御の攻撃受けてもケロッとしてる。俺なんて学生の頃ワンパンで瀕死だったのに…あっ、そういえば飯たかりに来たんだっけな、姐御!俺の飯ありますか?秋吉の所出禁になっちまって!」
なんだかんだで頑丈な河村さんはそのまま居間に上がりこむと礼司兄や十子姉さんと談笑しつつ朝食を食べて仕事に向かった。
礼司兄も朝食を食べ終わるとスーツに着替えて出かけて行った。
その時、「お前にとっていい経験になると思うやりきって見せろよ。」
と言い残して行ってしまった。
それからの一週間俺は十子姉さんの組み手と師匠の修行を受けながらも守るべき人物の事を教えられぬまま
あっという間に過ぎていった。
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