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第十四章
レベル220 パイレーツ諸島連邦・カリブ城
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「で、首尾の方はどうだ?」
「はい、白竜をこちらに寄越すと連絡がありました」
「ほう……言うだけ言ってみるもんだな。いつもやられていた事を真似してみたんだが、結構効果があるものだ」
南の海洋諸島、その中でもっとも人口の多いビグボート島、ここはそこにある王城だ。
和気藹々と話している二人の男性。
彼等はまだ、厄災が近づいていることを気づいていない。
「たっ、たたた、大変です! こちらに高速で近づいてくる未確認飛行物体が……」
突然駆け込んできた兵士がみなまで言いおわらないうちに、王城に轟音が響き渡る。
大地震が起きたかの様に城全体が激しく揺れる。
誰もが尻餅をついてアワアワしているところへ、壁を吹き飛ばし姿を現す一体の巨大な白竜。
それは窮屈そうに身震いをして、さらに王城を破壊していく。
「なっ、なっ、な、なにごとぉ!?」
王城に居た人々が驚愕の中、その白竜の眼前に一つの扉が現れる。
その扉が開き、一人の少年が出てくる。
出てきた少年が白竜に向かってなにやら叫んでいる。
白竜はプイッと横を向いて聞こうとはしていない。
やがてその少年は諦めたように首を振ると、人々の下へ歩いてくる。
城を守る兵隊達がやってきてその少年を取り囲む。
「おいおい、物騒だな、要るって言うから連れて来ただけだろう。そちらの要望の白竜、ロゥリがこちらだ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
まったくこのクソドラゴン、なにが気に入らないのかお城をめちゃくちゃにしていた。
天の岩戸から出てみると、城が半壊しているの。
ロゥリに聞いてもソッポを向くだけだし。
たぶん加速をつけたまま突っ込んだんだろうな。
ほんとロゥリに乗らずに天の岩戸に閉じこもってて正解だったな。
天の岩戸のスキルだが、ようは異次元バックみたいなものだった。
対象とする一人を現れた扉の中に閉じ込めておける。
扉ごと消えるので外からの干渉は一切出来ない。
当然、内側からの干渉も出来ず、どうも時間も止まっているっぽい。
中に入って、次に呼び出されたら、体感では一瞬でも現実時間はかなり過ぎている。
偉そうな名前の癖に、ようは中に入れた物の時間が止まるタイプの異次元バック。
まあ、入れられるものが人間、という違いはあるが。
あと、扉の見た目は自由に変えられるそうだ。
最初は魂のソサエティに続いてそうな、障子の貼られた和風のふすまだったのだが、パクリだと言われそうなのでやめさせた。
今は威厳がありそうな、和風の城門にしている。
で、これを利用すれば、ロゥリの背中に乗らなくても、安全に移動ができるんじゃないかと閃いたわけだ。
音の世界は、一時的な緊急回避にしか使えない。
消えた後は移動できても、再度現れる場所は消えた場所と同じ所。
しかし、天の岩戸ならば、ロゥリが居る場所にいつでも呼び出す事が出来る。
いわゆる、逆モンスターカードのようなものだな。
これを使って、ヤマト大国で岩戸に入り、パイレーツ諸島連邦で出してもらえばロゥリと同じ速度で移動できるというカラクリだ。
ただ問題は、移動中、ロゥリに指示出来ないって事だな。
おかげで、全速力でお城に突っ込むのを止められなかったようだ。
これ弁償しろって言われたらどうするんだよ?
ほら城の兵隊さん達、激オコじゃね?
何もしていないのにオレに槍をつき付けてくるし。
とりあえずオレは、中でも偉そうにみえる人にロゥリを紹介する事にした。
「こっ、こっ、こんな、城に襲撃をかけるなど……」
「おい、勘違いしてもらちゃあ困るぜ。あんたらが欲しがっていたのはドラゴンだ。ドラゴンっていう存在はこういうもんだろ?」
オレは必死で弁解する。
ドラゴンを欲しがったのはそっちなんだから、そのドラゴンが起こした災厄はすべてそっちもちだ。
安全にドラゴンを飼えると思ったら大間違い!
毎日、命の危険と隣り合わせ。
なにせ生物の頂点であるドラゴン、人様の言う事なんてまともに聞きゃしねえ。
ほら見てみろ、オレが言ってもそっぽを向いているだろ?
「は、白竜は人々を救う伝説が……」
「そんなものは竜の気まぐれでしかない。人を助けるのも人を殺めるのも、竜にとっては気分しだい」
あんただって、目の前に子猫が死にそうな目にあっていたら助けるだろ?
だが、その子猫が邪魔になれば始末する事だってありえる話だ。
竜にとって人とは、その程度の存在である。
などと言いくるめてみる。
「ガウガウ、ヘリクツバッカ」
「うるさいぞクソドラゴン」
「そ、それでは、別に竜を制御できてる訳ではないのか?」
「当然だろ? コレ見て、制御できてると思えるのか?」
オレはロゥリの足を蹴っ飛ばす。
するとロゥリの奴、尻尾でオレを吹っ飛ばす。
えらいスピードで壁に追突するオレ。
「おまっ、死ぬだろがっ!」
すんでの所で、剣から戻したカシュアが盾で受け止めて、背後にはアポロの魔法で衝撃を吸収してもらった。
「そりゃこっちのセリフだよっ! 突然盾にしないでよ!」
「カシュアなら、なんとかしてくれると思ったんだ」
「ほんと、都合の良い事ばかり言って……」
いやいやほんとに感謝してますよ。
カシュアが居たおかげでオレがこれまで生きてこれたと言っても過言ではない。
そう言っておだてると、仕方ないね! うむ、これからもボクに任せてくれたまえ! なんて得意げな顔をする。
まったくチョロイ奴だ。
『カシュアばかりずるい……』
もちろんアポロさんにも感謝してますよ?
「はい、白竜をこちらに寄越すと連絡がありました」
「ほう……言うだけ言ってみるもんだな。いつもやられていた事を真似してみたんだが、結構効果があるものだ」
南の海洋諸島、その中でもっとも人口の多いビグボート島、ここはそこにある王城だ。
和気藹々と話している二人の男性。
彼等はまだ、厄災が近づいていることを気づいていない。
「たっ、たたた、大変です! こちらに高速で近づいてくる未確認飛行物体が……」
突然駆け込んできた兵士がみなまで言いおわらないうちに、王城に轟音が響き渡る。
大地震が起きたかの様に城全体が激しく揺れる。
誰もが尻餅をついてアワアワしているところへ、壁を吹き飛ばし姿を現す一体の巨大な白竜。
それは窮屈そうに身震いをして、さらに王城を破壊していく。
「なっ、なっ、な、なにごとぉ!?」
王城に居た人々が驚愕の中、その白竜の眼前に一つの扉が現れる。
その扉が開き、一人の少年が出てくる。
出てきた少年が白竜に向かってなにやら叫んでいる。
白竜はプイッと横を向いて聞こうとはしていない。
やがてその少年は諦めたように首を振ると、人々の下へ歩いてくる。
城を守る兵隊達がやってきてその少年を取り囲む。
「おいおい、物騒だな、要るって言うから連れて来ただけだろう。そちらの要望の白竜、ロゥリがこちらだ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
まったくこのクソドラゴン、なにが気に入らないのかお城をめちゃくちゃにしていた。
天の岩戸から出てみると、城が半壊しているの。
ロゥリに聞いてもソッポを向くだけだし。
たぶん加速をつけたまま突っ込んだんだろうな。
ほんとロゥリに乗らずに天の岩戸に閉じこもってて正解だったな。
天の岩戸のスキルだが、ようは異次元バックみたいなものだった。
対象とする一人を現れた扉の中に閉じ込めておける。
扉ごと消えるので外からの干渉は一切出来ない。
当然、内側からの干渉も出来ず、どうも時間も止まっているっぽい。
中に入って、次に呼び出されたら、体感では一瞬でも現実時間はかなり過ぎている。
偉そうな名前の癖に、ようは中に入れた物の時間が止まるタイプの異次元バック。
まあ、入れられるものが人間、という違いはあるが。
あと、扉の見た目は自由に変えられるそうだ。
最初は魂のソサエティに続いてそうな、障子の貼られた和風のふすまだったのだが、パクリだと言われそうなのでやめさせた。
今は威厳がありそうな、和風の城門にしている。
で、これを利用すれば、ロゥリの背中に乗らなくても、安全に移動ができるんじゃないかと閃いたわけだ。
音の世界は、一時的な緊急回避にしか使えない。
消えた後は移動できても、再度現れる場所は消えた場所と同じ所。
しかし、天の岩戸ならば、ロゥリが居る場所にいつでも呼び出す事が出来る。
いわゆる、逆モンスターカードのようなものだな。
これを使って、ヤマト大国で岩戸に入り、パイレーツ諸島連邦で出してもらえばロゥリと同じ速度で移動できるというカラクリだ。
ただ問題は、移動中、ロゥリに指示出来ないって事だな。
おかげで、全速力でお城に突っ込むのを止められなかったようだ。
これ弁償しろって言われたらどうするんだよ?
ほら城の兵隊さん達、激オコじゃね?
何もしていないのにオレに槍をつき付けてくるし。
とりあえずオレは、中でも偉そうにみえる人にロゥリを紹介する事にした。
「こっ、こっ、こんな、城に襲撃をかけるなど……」
「おい、勘違いしてもらちゃあ困るぜ。あんたらが欲しがっていたのはドラゴンだ。ドラゴンっていう存在はこういうもんだろ?」
オレは必死で弁解する。
ドラゴンを欲しがったのはそっちなんだから、そのドラゴンが起こした災厄はすべてそっちもちだ。
安全にドラゴンを飼えると思ったら大間違い!
毎日、命の危険と隣り合わせ。
なにせ生物の頂点であるドラゴン、人様の言う事なんてまともに聞きゃしねえ。
ほら見てみろ、オレが言ってもそっぽを向いているだろ?
「は、白竜は人々を救う伝説が……」
「そんなものは竜の気まぐれでしかない。人を助けるのも人を殺めるのも、竜にとっては気分しだい」
あんただって、目の前に子猫が死にそうな目にあっていたら助けるだろ?
だが、その子猫が邪魔になれば始末する事だってありえる話だ。
竜にとって人とは、その程度の存在である。
などと言いくるめてみる。
「ガウガウ、ヘリクツバッカ」
「うるさいぞクソドラゴン」
「そ、それでは、別に竜を制御できてる訳ではないのか?」
「当然だろ? コレ見て、制御できてると思えるのか?」
オレはロゥリの足を蹴っ飛ばす。
するとロゥリの奴、尻尾でオレを吹っ飛ばす。
えらいスピードで壁に追突するオレ。
「おまっ、死ぬだろがっ!」
すんでの所で、剣から戻したカシュアが盾で受け止めて、背後にはアポロの魔法で衝撃を吸収してもらった。
「そりゃこっちのセリフだよっ! 突然盾にしないでよ!」
「カシュアなら、なんとかしてくれると思ったんだ」
「ほんと、都合の良い事ばかり言って……」
いやいやほんとに感謝してますよ。
カシュアが居たおかげでオレがこれまで生きてこれたと言っても過言ではない。
そう言っておだてると、仕方ないね! うむ、これからもボクに任せてくれたまえ! なんて得意げな顔をする。
まったくチョロイ奴だ。
『カシュアばかりずるい……』
もちろんアポロさんにも感謝してますよ?
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