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第六章

レベル97 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたらまたもやロリっ娘に

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「お坊ちゃま! 伏せてください!」

 このボス猫、どうしてくれようか? とりあえず、カードにしてじっくり調教していくか。
 と、モンスターカードを取り出した瞬間、突如ラピスがオレに覆い被さって来た!
 そして仰向けになったオレが見たものは――――空を埋め付くす槍の大群であった!

「ニース!」
「分かっておる!」

 その槍とオレ達の間に黒い影が遮る。

「ぐおぉおお! 全部竜種特効付きだと!?」

 ニースがその巨大な体を使って槍を受け止める。
 竜王の鱗を持ってすれば受け止めることも容易いと思われたが、それらの槍はニースの背中に深々と突き刺さっていく。

「これはどういうことだ、獅子王よ!」
「我は何も知らん! それにここは、我が嫁と子が守っていたはず……」
「それはコイツらの事かな」

 ドサリと何かがオレ達の方へ投げ込まれる。
 それは血にまみれた2頭のライオン。
 ふと辺りを見回せば景色が一変している。
 それまで木々しかなかったその風景に、槍を構えた無数の人型のトカゲが追加されている。
 そして目の前には巨大なドラゴンが一匹、真っ赤な瞳でこっちを見ていた。

「ウガァアアアアア!」

 そのドラゴンに向かって、鬣を逆立てて駆け出す白銀の獅子王。

「むっ、いかん!」

 慌ててニースが止めようとするがその手は届かない。
 ドラゴンの周りの人型トカゲが槍を構える。
 だが、そのドラゴンがそれを制止する。

 獅子王の拳がドラゴンの鱗をとらえる。
 しかし、ダメージが入った様子がまったく見当たらない。
 そのまま獅子王はドラゴンをよじ登り、首に食らい付く。

「哀れなものだ、かつては、古き竜王すら恐れたかの獅子が、今や子猫と同じレベルだとはな」
「竜王、ハイフレム……」
「知っている奴なのか?」

 ニースの話では、大陸の北方を根城としている竜王で、若き野望に燃えるドラゴン。
 各地の竜王を尋ねては、竜の世界の再建を企てていると言う。
 今でこそ大地は人が支配をしているが、数千年前は竜こそが大地の支配者だったのだ。

 それをこの若き竜王は再現しようとしている。

「竜王ニースよ、これが最後通告だ。我に従え、断るならばお前の命はここで終わる」
「誰にものを言っておる。お前ごときが、私を従えられる訳がないであろう」
「クックック、強がりはよせ、今やお前は力を失い、ただ風化していくだけの身であろう」

 さすがに人の国に篭られていれば我も手を出せぬ。
 それが、よもやこのような我の目と鼻の先に現れようとはな。
 かつて竜王の中の竜王であった、お前を従えるか打ち倒すかすれば、他の竜王も我の話に耳を傾けるだろう。

 そう言いながら首もとの獅子王を掴み投げ飛ばす。
 何度か地面をバウンドしながら戻ってくる獅子王。

「申し訳ありません。まったく気配を察知できていませんでした」

 ラピスが落ち込んだ表情でそう言ってくる。
 しかたない、向こうは現役の竜王、生物の頂点に立つと言われている存在だ。
 そいつが本気を出せば、オレ達を出し抜くなんて容易い事なのだろう。

 そんな事よりも、

「おいニース、あいつなんか勘違いしているぞ」
「そうでありますな」

 おいおい、どこのどいつが弱っているって?
 なま言ってんじゃねえぞ!
 お前の力を見せてやれ! ニース!

 第二陣の槍がオレ達に向かって放たれる。
 それをまた、己の体で受け止めるニース。

「まるでハリネズミのようだな! 年を取り過ぎて避けることもままならんか!?」

 アイツ、言いたい放題だぞ。
 いいのかニース。
 ん、自分が居なくなればオレ達が槍の攻撃を受ける事になる。

 大丈夫だ! オレ達にはコレがある!

『出でよ! 鉱石M!』

 呼び出した鉱石を傘の様に広げる。
 ついでにおめえに刺さってる槍も抜いてやるぜ。

『戻れ! 竜王ニース!』そして『出でよ! 竜王ニース!』

 再召還する事により刺さっていた槍が全部抜け落ちる。

「なに!?」

 それを見て驚愕の表情を見せる竜王ハイフレム。

「お坊ちゃま、全モンスターに召喚の準備を伝えました! いつでも行けます!」

 こんなもんで驚いてちゃ困るぞ。
 まだまだオレの手札はこんなもんじゃねえぜ!

『出でよ! オール・モンスターズ!』

 オレの周りに現れる7人の精鋭達。
 ラピスが駆ける! まずは雑魚の掃討だ!
 カシュアはオレの元で、飛んでくる槍を次々と叩き落とす。

 スラミィはオレのメンバーとしては初参戦。
 24レベルになったスラミィは、擬態にさらに磨きが掛かっている。
 ダンディの肩に乗ったスラミィがスパスパとモンスターの首を落として行く。

 ダンディが趣味の悪い防具と片手剣でモンスターを屠って行く。
 レベルは1と低いが、ラピスを翻弄したその剣技は今尚健在だ。
 グランドピアノのセレナーデさんは戦うのは始めてとの事だったが、レベルは13、そこそこの力は在る模様。
 細い、糸のような物を作りだし、それでモンスターを細切れにする。

 姫様の騎獣であるグリフォンのカイザーは空を自由に飛びまわり、モンスターを急襲する。
 風圧無効と超加速のスキルで影すら踏ませない。
 新顔のアクアは後方から水を飛ばし、他の皆をサポートしている。
 ちょっと戦力になっているとは言いがたいけど、まあこれはこれで。マスコット役、みたいな?

 そしてドラゴンナイトのロゥリは、竜王ニースと共に敵の総大将へ攻撃をしかけるのであった。

「なっ、なんだこの者達は! このような伏兵をどこに用意していたのだ!」
「ハイフレムよ、お前の敗因は私しか見ていなかった事だ。お前の本当の敵は私ではない」

 くっ、こんな雑魚をいくら呼び寄せたところで。と言う台詞が終わらぬうちに、ロゥリに指ごと爪を飛ばされるハイフレム。

「それに、私の跡を継ぐというのならそれはお前ではない、そう、そこの小さな若きドラゴンである」


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に、なるのは次回☆
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