目撃者、モブ

みけねこ

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モブの証言「婚約破棄騒動」①

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 普通の家に生まれて、激動の何かがあったわけでもなく普通に生きていく毎日。学園に通うようになったのもたまたま家の近くだったからだ。
 鍛冶屋の父親の跡継ぎになるんだろうなぁと漠然と考えていて、小さい頃からよく父親の仕事を間近で見てきて真似するようになって、今では手伝うようになっている。だから学園に通う必要もないと思っていたんだけど。
「顧客増やしてこいよ」
「そうそう。お友達にうちの鍛冶屋のこと宣伝してきてよ」
「……それもそうだな! んじゃ行くわ!」
 俺は実家が鍛冶屋の、商魂が周りより少しある普通の男子だ。そうして学園に通うようになった普通の男子。
 この学園っていうのがちょっとまた特殊で、庶民から貴族まで通えるようなところだった。ただ制服が違ったり校舎が違ったりと、庶民が貴族と交友関係を簡単に築けるかと言われるとそうでもない。
 ただ難しいことはよくわからないが、他の学園よりも学費が安い。庶民のほうはそれなりに成績を残すと学費が免除される場合もある。多分貴族だとタダで通えるんだろうけど。もしかしたらその貴族からの援助もあって運営されているのかもしれない。知らんけど。
 とまぁ入学するために多少なりとも学力を試されて最低ラインを越さないといけない。ただ庶民は子どもの頃から学べる場所がまた別にあるため、そこに通ってそれから多少勉強すれば入学できるところでもあった。
 一応入学するために多少勉強した俺は無事に一般学部に入学。周りも同じように庶民のため友人もできて、普通に学園生活を満喫していた。もちろん、最初の目的である店の宣伝も忘れない。
 家は学園から徒歩圏内。なら実家から通えるじゃんと思っていたものの、残念ながらここは全寮制だった。家すぐ近くにあるんだけどなぁ、と思ったけどこればかりはしょうがない。毎日飯を作ってくれたり洗濯してくれる母親のありがたみを感じつつ寮生活を過ごし、休みの日には友達を連れて家に帰る。もとい、顧客を連れて行く。
 そうして徐々に店の売上も右肩上がり。学園生活も悪くもなく、無事卒業すればあとはオッケーだなぁとのんびりとした毎日だった。

「今度の交流会楽しみだなぁ」
「普段学食で食えないもんいっぱい出るもんな。めっちゃ食ったろ」
「貴族とお友達になりたいわけじゃないしな」
 学園には年に二回、貴族と庶民が交流できるようにと場が設けられる。ただそれを有効活用する生徒はあまり見ない。そもそも貴族にとって庶民は視界に入らない存在だし、庶民もそれを知っているため貴族に対していいイメージがない。それなのにどう交流しろと、という感じではある。
 ただこの交流会には軽食も用意されている。貴族も口にするもんだからそれはもう美味しいものが並べられている。庶民からしたらそっちがメインだ。よって一般学部は今度はどんな軽食が並べられるのか、そっちの話題で持ち切りだった。
「前回のあのふわっふわのお菓子うまかったなぁ」
「あれなんて名前だろ」
「名前知っててもそのへんに売ってるもんじゃないんじゃないか?」
「確かに~」
 ちょっとふっくらしているジャックは美味しいものに目がない。体型に出てるんだよなぁ、とちょっと柔らかい腹をツンツン突く。ただ本当にうまそうに食うもんだから、ついあれもこれもと食べ物を渡したくなる。
 眼鏡をかけているオリバーは頭がいい。本当に学びたくて学園にやってきた口だ。勉強でわからないところがあったらよく教えてもらっている。
 この二人は同じクラス、席も近くて気付いたらよく喋るようになっていた。今となっては大切な友達二人だ。
「そうだアシエ。お母さんがアシエのとこで包丁研いでほしいんだって。今度持っていくよ」
「オッケーわかった」
 ジャックのお母さんは料理上手。ただお父さんもジャックもよく食べるらしく包丁の稼働時間がとにかく長い。手入れする時間もなくて度々うちに依頼していた。ちなみに俺の紹介だと学割が利くからちょっとお手頃だ。

 そうして交流会の軽食を楽しみにして、当日を迎えた。まずは最初に貴族の生徒が入って場所を確保。あとからぞろぞろと庶民の生徒が入っていく。貴族側はテーブルに椅子が用意されていて優雅にティータイムが楽しめるようになっている。庶民は狭い場所で立食だ。まぁでもうまいもん食べれるならオッケー。
「あっ、見て見て二人とも! あれ美味しそうだよ⁈」
「へぇ、僕たちの知ってるサンドイッチとはまた違うな」
「もしかして中身が高級食材?」
「いや多分加工の過程が違うんだろう」
 すでにうまそうな軽食目掛けて走り出したジャックの後ろをオリバーとそんな会話をしながらついていく。別にうまけりゃなんでもいいけどなぁ、と思うけどオリバーの話も面白いから無視することはしない。
 両手に皿を持って、たんまりと盛って邪魔にならない場所に移動する。とにかくジャックが食うからあと何回か往復するだろうなぁと思いつつも、早速うまそうな軽食をモグモグと食べる。
「それ何味?」
「なんだろ、レモン……かな? すっごくいい香りがする」
「こっちはストロベリーだな。少し甘い……ジャック、食べる?」
「えっ、いいの? ありがとうオリバー」
「俺にもちょっとちょーだい」
 俺たちだけじゃなくて周りも似たような会話をしながら楽しそうにしていた。優雅にティータイムをしている貴族の生徒を見ているこっちの生徒は誰一人としていない。
「ん?」
「なんだ? 騒がしいな」
「何があったんだろうねー?」
 ところがだ、モグモグとうまいもん食べていると何やら奥のほうが騒がしい。何かあったのかとお互いモグモグしつつ顔を見合わせる。とはいっても騒がしいのは貴族側であって、こっちには関係ないかーとか思っている。
「君とは婚約破棄だ、イリス」
「……ご自身が何を仰っているのかわかっておりますの? ウェルス様」
 なんか聞き覚えのある名前だなと、とまた二人と顔を見合わせる。ああそういえば、この学園って確か王子様とかも通っているとかなんとか聞いたことがあったような。ただ俺たちには関係ないからそっかー程度にしか聞いていなかった。
 ところで「イリス」という女子生徒はとある公爵家の娘で王子の婚約者だったような。そこまで思い出して、さっきの王子の言葉も思い出す。
「……え? 婚約破棄?」
「え、なになに? そんな明日ご飯一緒に食べに行く約束駄目になったよ、ごめんねーって感じで断れるの?」
「そんなことできるはずないだろ。結構深刻な話だと思うけど……」
 正直俺たちは一体なんだなんだザワザワ、としかできない。貴族のいざこざって学園に持ち込むようなもんなの? それって貴族のパーティーとかでやったら駄目なの? と疑問符ばかりだ。しかも学園全生徒がいると言っていいぐらい、みんなが集まっている場所で。
 そのせいで王子もその婚約者も目立ちまくっている。でも俺たちからしたら婚約者のほうが少し可哀想に感じる。別にそういう話は個人ですればいいのに。こんな大勢見ているところでしなくたって。
「悪いイリス。しかし俺は本当に愛している者を見つけてしまったんだ」
 いやだからそんな話ここでするなって話。
「……その御心が、変わることはないのですね」
「受け入れてくれるか、イリス……」
「……わたくしにはもう、どうすることもできないのでしょう……?」
 気丈に振る舞ってるけど、その声が震えている。
「可哀想だね、イリス令嬢……」
「あれだけ努力していたお方だったというのに……」
 ジャックとオリバーだけじゃなくて、周りの一般生徒も同じようなことをボソボソと喋ってる。実はイリスさんは一般生徒に受けがよかった。いいところのお嬢さんっていうのに全然偉ぶることはなくて、王子のためにってすっごく陰ながら努力している姿が度々目撃されていた。
 なんで一般生徒が目撃しているかって? そりゃ他の貴族たちの目に入らない場所といったらこっちの校舎だからだ。ただこっちの校舎で堂々と、じゃなくて近くの物陰に隠れてひっそりとだけど。でもサボっている生徒が度々その姿を目撃していて、まさかーははは冗談だろと様子を見に行ったらマジで居た、といった感じ。
 そんな自分のために一生懸命だった婚約者フるのかよ、王子って人でなしじゃんという感想が頭に浮かぶ。
「だからこういう話は二人だけでしてもらって……って、ん? 誰だあれ」
 ふと王子の隣に視線を向けてみると、誰かいる。俺の声に二人ともそれに気付いたようで、背伸びをしつつ王子の隣を見ようとしていた。
「あれ? あれ一般生徒の制服じゃね?」
「あ、本当だ」
「……あれじゃないか? あの、噂になっていた生徒」
「あ~」
「なるほど~」
 オリバーの言葉にジャックと二人で相槌を打つ。王子の隣にいる、すっごい可愛い顔をしてる――男子生徒。実は一般生徒がほぼ知っていると言っていい生徒だった。
 女子とかよく言っていたっけ。小顔で、肌が綺麗で、そこらへんの女子よりも可愛い。羨ましい。身長もまだ小さいけど伸びたら美青年になるの? みたいなことを。確かに男子にしては可愛い顔してるな~って一般生徒の中では有名人だった。
 ってことはだよ? 王子が愛している人って、もしかして肩を抱き寄せている隣りにいる男子生徒ってこと? ってなるわけで。
 いやこの国は同性婚が認められていますが。マジか。
「……婚約破棄、お受けしますわ」
 そう言って綺麗にご令嬢のお辞儀をしたイリスさんに周りで見ていた女子生徒が涙ぐんでいる。そりゃそうだよな、イリスさんが悪いとこってどこにもないじゃん。ただの王子の我が儘じゃん、っていうのが今のところの感想。
「正式に決まったのですか?」
 ところがだ。ザワザワしている会場で綺麗な声が響いた。一斉にその声の持ち主のほうに振り向いたもんだから、まるで波が割れたかのようにその人物が現れた。
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