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84.ミストラル国防衛戦②
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各地からけたたましい音が響いている。フレイが危惧していたようにまだまだ経験の足りないヤツらが集まっている海賊団は他に比べて随分と押されていた。ただ単純に力負けしている、というのもあるがそれ以上に目の前に飛び込んできた光景に思わず顔を歪めた。
「なんだい、あれは……!」
息を呑んでいるフレイの視線の先には大量のイグニート国の兵士。ただし、どの兵士にも目に生気は宿っておらず僅かに見える肌はどす黒く変色している。しっかりと立っているというわけでもなくフラフラと覚束ない足取りのわりには、義賊たちを目にした途端ぐるんと目を剥いて襲いかかってた。
「どう見ても屍ですね。なるほど、生きている人間でないのなら海を渡っている最中何か起こったとしても気にする必要はありませんね」
「だから大量に流れてきてるってのかい⁈ それに、あれはっ……」
そこから先は言葉が続くことなく、フレイは奥歯を噛み締めてヤツらを睨みつけていた。屍だというのに動いている、思い当たる節が一つだけある。
「うわぁッ⁈」
悲鳴が聞こえ視線を向ける。そうこうしているうちにイグニート国の兵士たちは次から次へと流れ込んできて、そして目の前のヤツらは押し込まれている。
「行くぞ」
「ああ!」
それぞれ武器を構え地面を蹴った。真っ先に前に出た俺とフレイは振りかぶろうとしていた剣を弾き、構うことなくその身体に自分の獲物を突き立てる。突然の助太刀にすっかり腰が抜けたヤツらは唖然としていたが、そいつらはウィルやティエラが急いで後ろに下がるようにと腕を引いていた。
「容赦なく攻撃してやろうじゃないの」
「アミィ、バンバン攻撃魔術を放て」
「う、うん!」
「私もみなさんに当たらない程度に放つとしましょう」
言うが早いかエルダは術式を展開し宙に大量の炎の弾を出現させ、それを一斉に兵士に向かって放つ。アミィも負けじとヤツらの頭上に氷の槍を降らせた。俺たちもすでに息が切れているヤツらに斬りかかろうとしている兵士の対処をする。
「っ……なんだいコイツら、気持ち悪い!」
「カイム! 次から次に立ち上がってくるよ⁈ どうしたらいいの⁈」
「構わず魔術を使え!」
何度も斬り捨てようとも魔術を放とうとも、イグニート国の兵士は倒れてはむくりと起き上がり再び斬りかかってくる。コイツらもしかしたら身体だけが命令のまま動いているんじゃないんだろうなと目の前にいる兵士にダガーを突き立てる。だがいくら急所を攻撃しようともやっぱり何度も立ち上がっては言葉にならない唸り声を出して襲いかかってきた。
「……なるほど。こうなったら燃やしてあげましょう。前衛は足止めをお願いします。できることならまとめてくれると助かりますが」
「アミィも手伝う!」
「了解した! ティエラ、君は怪我人の治療を!」
「わかりました! みなさん、すぐに怪我を治しますからね……!」
「フレイ」
「わかってる!」
後衛二人と治療に当たっているティエラはウィルに任せるとして、俺とフレイは両サイドに展開し一箇所にまとまるように次から次へと攻撃をする。フレイの鎖鎌はこういった時は便利なもんで、大きく広げられた鎖はフレイの腕の動き一つで兵士を一つにまとめ放り投げられた。俺は広範囲に攻撃できる武器じゃないため手早く兵士を斬ったり蹴ったりで一箇所に押し込む。
「お二人ともご苦労様です」
「えぇーい! くらえー!」
兵士が一箇所に固まったところでエルダとアミィの術によって巨大な火柱が立つ。こう言ってはなんだがぶっちゃけると火葬だ。向こうが痛みも死に対する恐怖も抱かない屍を使ってくるのであればこっちもそれを火葬してやるしかない。
「アンタたちボサッとしてるんじゃないよ! 体勢を整えな! 次が来るよ!」
「は、はいっ!」
怪我の治療を終えた海賊たちにフレイが檄を飛ばし、及び腰にはなっているがまだ武器を構える気概はあるようだ。崩れた体勢を整え次の兵士に対して構える。だが今はいいとして、これだけの大量の屍の兵士を相手にするのだから必ずどこからか綻びが生じてくるはずだ。ここだけに構っているわけにもいかない。
「魔術を扱える人はいますか」
「は、はい、私が使えます……」
「炎が有効なのでそれ中心に魔術を使ったほうがいいですね。苦手でも他の属性で攻撃するよりはマシです」
「わ、わかりました!」
「あたしたちもずっとアンタたちのお守りをしてるわけじゃないからね。しっかりするんだよ!」
「あ、ああ!」
流石は姉御肌、やっぱりこういう時は頼りになる。及び腰も少しはマシになってさっきよりも兵士に対して対応できるようになっていった。何度かそこで援護をしつつ、他のヤツらの動きもまともになったのと兵士の数が若干減ってきたところで俺たちは場所を次に移した。
イグニートの兵士たちは北西から攻め込んできているものの、数が多いため多岐にわたって攻撃を展開している。義賊のヤツらは血の気が多く手堅く応戦しているものの、あちこちで徐々に押され始めていた。とにかく場所を移っては炎が有効だということを告げ、魔術が使えるヤツはバンバン術を放てとは言っているが使えるヤツがいないところが苦戦を強いられている。
自然と怪我人も増え、中には避難していた一般人が治癒が使えるからと後方のほうで支援に回っているところも度々目にするようになってきていた。義賊は腕に覚えがあるヤツがほとんどとは言え、流石にいっぺんにこれほどの量を相手にすると体力も削られていく。
「まだ国の中に入らせてはいないけどさっ……!」
「あまり時間をかけてしまうと押し切られてしまう……いい状況とは言えないぞ!」
「わかってる!」
目の前に飛んできた剣をダガーで弾きつつ周囲に目を走らせる。今のところ五分五分、ただし向こうは体力なんてものは気にしなくていい反面こっちはどんどん削られていく。どこかで押し切る何かを起こすしかない。
「流石に無限とは言いませんよ。恐らくどこかにいるでしょうから流れを止めれば好転するはずです」
さっきからエルダが俺と同様にあちこちを見ていると思ったら、やっぱり同じものを探していたかと目の前にいた兵士の腹を蹴飛ばす。流石に『赤』とはいえ遠くからこの量の屍を動かすことは無理がある。できないことでもないが、果たして自分の身を削ってまでやるヤツかと言われればそうでもないだろう。
「どこにいると思う」
「全体を見渡せる場所か、もしくはすべての屍に魔術を流し込めれる場所かと思いますが」
「そうなるよな」
俺たちの会話を聞いていたウィルたちがそれぞれ目を合わせる。そうとなればこの大量にいるイグニート国の兵士の屍の中に突っ込んで行くしかない。
「アミィ、ティエラと防御壁を作れ」
「わかった!」
「足手まといにならないよう頑張ります!」
「アンタは遅れないようにあたしが引き摺ってやるから気にすることはないよ」
「寧ろ気にするところしかありませんが?」
「では僕が後方を務める」
それぞれが役割を決め、そして先頭に立った俺は迷うことなく屍の中に突っ込んでいった。次から次へと襲いかかってくる兵士を弾き飛ばし蹴り飛ばして道を切り開き、その後ろじゃ防御壁を張っているアミィとティエラに攻撃が及ばないようウィルが守っている。フレイは言っていた通り足の遅いエルダを引き摺りつつ鎖鎌を振り回していた。
それなりに中に入り込み周囲は相変わらずイグニート兵で埋め尽くされているものの、前線に比べて隊列はまばらで殺意もそこまでない。ただ唸り声を上げながらユラユラと歩いているだけだ。ふと視線を上に移すと、風になびく白い布が見えた。
「おや、誰かと思ったら。こんなところで会うなんて思ってもみなかったよ、クルエルダ・ハーシー」
「やはり貴女でしたか。貴女の実験とその瞳ならこれほどの屍を動かすことは可能だと思いましたよ」
「君に褒められるとは、悪くはないね」
やっぱり大量の屍の中心でそれを動かしていたのは、あの時フレイの父親の屍を動かしていた赤髪の女だった。
「実験にしか興味のない貴女がこんな戦場に出てくるとは思いませんでしたが、一体どんな心境の変化でしょうね?」
眼鏡のブリッジを上げ女に一歩踏み込んだエルダはそう問いかける。女は一瞬だけ目を丸くしたと思うと宙に浮かせていた身体を地面へと下ろし、軽く肩をすくめた。
「君も知っているだろう? クルエルダ・ハーシー。実験には金と材料が必要だ。私の資金援助している人間が今回私に要請をしてきた。支援されてもらっている身としてはそこで応えないと対等ではない」
「だからといってこれほどまでの兵士の屍を動かす必要があったのですかね」
「仕方がないよ、向こうのご要望だ。それに……私も大量に実験ができて嬉しいよ」
女が目と口元を弧に描いた瞬間、さっきまでユラユラ身体を左右に揺らして歩いているだけの屍が一斉に俺たちに向きを変えた。
「君たち、いいところに来た。私の実験に付き合ってくれないか?」
「ふ……ざけんなっ! アンタは、人間を一体なんだと思ってんのさ⁈」
「人間? 周りにいる物のことかな? ただの実験体、そして材料さ」
一気に襲いかかってきた屍たちはフレイの振り上げた鎖鎌によって一掃される。冷静にとフレイ自身も思っているんだろうが、それでも許せないことがあるんだろう。鎖鎌を握っている手は力が入りすぎて若干震え、そして白くなっている。
「アンタは絶対許さないッ……!」
怒気を孕んでいるフレイの声色に、女はどこまでの楽しそうに歪んだ笑みを浮かべただけだった。
「なんだい、あれは……!」
息を呑んでいるフレイの視線の先には大量のイグニート国の兵士。ただし、どの兵士にも目に生気は宿っておらず僅かに見える肌はどす黒く変色している。しっかりと立っているというわけでもなくフラフラと覚束ない足取りのわりには、義賊たちを目にした途端ぐるんと目を剥いて襲いかかってた。
「どう見ても屍ですね。なるほど、生きている人間でないのなら海を渡っている最中何か起こったとしても気にする必要はありませんね」
「だから大量に流れてきてるってのかい⁈ それに、あれはっ……」
そこから先は言葉が続くことなく、フレイは奥歯を噛み締めてヤツらを睨みつけていた。屍だというのに動いている、思い当たる節が一つだけある。
「うわぁッ⁈」
悲鳴が聞こえ視線を向ける。そうこうしているうちにイグニート国の兵士たちは次から次へと流れ込んできて、そして目の前のヤツらは押し込まれている。
「行くぞ」
「ああ!」
それぞれ武器を構え地面を蹴った。真っ先に前に出た俺とフレイは振りかぶろうとしていた剣を弾き、構うことなくその身体に自分の獲物を突き立てる。突然の助太刀にすっかり腰が抜けたヤツらは唖然としていたが、そいつらはウィルやティエラが急いで後ろに下がるようにと腕を引いていた。
「容赦なく攻撃してやろうじゃないの」
「アミィ、バンバン攻撃魔術を放て」
「う、うん!」
「私もみなさんに当たらない程度に放つとしましょう」
言うが早いかエルダは術式を展開し宙に大量の炎の弾を出現させ、それを一斉に兵士に向かって放つ。アミィも負けじとヤツらの頭上に氷の槍を降らせた。俺たちもすでに息が切れているヤツらに斬りかかろうとしている兵士の対処をする。
「っ……なんだいコイツら、気持ち悪い!」
「カイム! 次から次に立ち上がってくるよ⁈ どうしたらいいの⁈」
「構わず魔術を使え!」
何度も斬り捨てようとも魔術を放とうとも、イグニート国の兵士は倒れてはむくりと起き上がり再び斬りかかってくる。コイツらもしかしたら身体だけが命令のまま動いているんじゃないんだろうなと目の前にいる兵士にダガーを突き立てる。だがいくら急所を攻撃しようともやっぱり何度も立ち上がっては言葉にならない唸り声を出して襲いかかってきた。
「……なるほど。こうなったら燃やしてあげましょう。前衛は足止めをお願いします。できることならまとめてくれると助かりますが」
「アミィも手伝う!」
「了解した! ティエラ、君は怪我人の治療を!」
「わかりました! みなさん、すぐに怪我を治しますからね……!」
「フレイ」
「わかってる!」
後衛二人と治療に当たっているティエラはウィルに任せるとして、俺とフレイは両サイドに展開し一箇所にまとまるように次から次へと攻撃をする。フレイの鎖鎌はこういった時は便利なもんで、大きく広げられた鎖はフレイの腕の動き一つで兵士を一つにまとめ放り投げられた。俺は広範囲に攻撃できる武器じゃないため手早く兵士を斬ったり蹴ったりで一箇所に押し込む。
「お二人ともご苦労様です」
「えぇーい! くらえー!」
兵士が一箇所に固まったところでエルダとアミィの術によって巨大な火柱が立つ。こう言ってはなんだがぶっちゃけると火葬だ。向こうが痛みも死に対する恐怖も抱かない屍を使ってくるのであればこっちもそれを火葬してやるしかない。
「アンタたちボサッとしてるんじゃないよ! 体勢を整えな! 次が来るよ!」
「は、はいっ!」
怪我の治療を終えた海賊たちにフレイが檄を飛ばし、及び腰にはなっているがまだ武器を構える気概はあるようだ。崩れた体勢を整え次の兵士に対して構える。だが今はいいとして、これだけの大量の屍の兵士を相手にするのだから必ずどこからか綻びが生じてくるはずだ。ここだけに構っているわけにもいかない。
「魔術を扱える人はいますか」
「は、はい、私が使えます……」
「炎が有効なのでそれ中心に魔術を使ったほうがいいですね。苦手でも他の属性で攻撃するよりはマシです」
「わ、わかりました!」
「あたしたちもずっとアンタたちのお守りをしてるわけじゃないからね。しっかりするんだよ!」
「あ、ああ!」
流石は姉御肌、やっぱりこういう時は頼りになる。及び腰も少しはマシになってさっきよりも兵士に対して対応できるようになっていった。何度かそこで援護をしつつ、他のヤツらの動きもまともになったのと兵士の数が若干減ってきたところで俺たちは場所を次に移した。
イグニートの兵士たちは北西から攻め込んできているものの、数が多いため多岐にわたって攻撃を展開している。義賊のヤツらは血の気が多く手堅く応戦しているものの、あちこちで徐々に押され始めていた。とにかく場所を移っては炎が有効だということを告げ、魔術が使えるヤツはバンバン術を放てとは言っているが使えるヤツがいないところが苦戦を強いられている。
自然と怪我人も増え、中には避難していた一般人が治癒が使えるからと後方のほうで支援に回っているところも度々目にするようになってきていた。義賊は腕に覚えがあるヤツがほとんどとは言え、流石にいっぺんにこれほどの量を相手にすると体力も削られていく。
「まだ国の中に入らせてはいないけどさっ……!」
「あまり時間をかけてしまうと押し切られてしまう……いい状況とは言えないぞ!」
「わかってる!」
目の前に飛んできた剣をダガーで弾きつつ周囲に目を走らせる。今のところ五分五分、ただし向こうは体力なんてものは気にしなくていい反面こっちはどんどん削られていく。どこかで押し切る何かを起こすしかない。
「流石に無限とは言いませんよ。恐らくどこかにいるでしょうから流れを止めれば好転するはずです」
さっきからエルダが俺と同様にあちこちを見ていると思ったら、やっぱり同じものを探していたかと目の前にいた兵士の腹を蹴飛ばす。流石に『赤』とはいえ遠くからこの量の屍を動かすことは無理がある。できないことでもないが、果たして自分の身を削ってまでやるヤツかと言われればそうでもないだろう。
「どこにいると思う」
「全体を見渡せる場所か、もしくはすべての屍に魔術を流し込めれる場所かと思いますが」
「そうなるよな」
俺たちの会話を聞いていたウィルたちがそれぞれ目を合わせる。そうとなればこの大量にいるイグニート国の兵士の屍の中に突っ込んで行くしかない。
「アミィ、ティエラと防御壁を作れ」
「わかった!」
「足手まといにならないよう頑張ります!」
「アンタは遅れないようにあたしが引き摺ってやるから気にすることはないよ」
「寧ろ気にするところしかありませんが?」
「では僕が後方を務める」
それぞれが役割を決め、そして先頭に立った俺は迷うことなく屍の中に突っ込んでいった。次から次へと襲いかかってくる兵士を弾き飛ばし蹴り飛ばして道を切り開き、その後ろじゃ防御壁を張っているアミィとティエラに攻撃が及ばないようウィルが守っている。フレイは言っていた通り足の遅いエルダを引き摺りつつ鎖鎌を振り回していた。
それなりに中に入り込み周囲は相変わらずイグニート兵で埋め尽くされているものの、前線に比べて隊列はまばらで殺意もそこまでない。ただ唸り声を上げながらユラユラと歩いているだけだ。ふと視線を上に移すと、風になびく白い布が見えた。
「おや、誰かと思ったら。こんなところで会うなんて思ってもみなかったよ、クルエルダ・ハーシー」
「やはり貴女でしたか。貴女の実験とその瞳ならこれほどの屍を動かすことは可能だと思いましたよ」
「君に褒められるとは、悪くはないね」
やっぱり大量の屍の中心でそれを動かしていたのは、あの時フレイの父親の屍を動かしていた赤髪の女だった。
「実験にしか興味のない貴女がこんな戦場に出てくるとは思いませんでしたが、一体どんな心境の変化でしょうね?」
眼鏡のブリッジを上げ女に一歩踏み込んだエルダはそう問いかける。女は一瞬だけ目を丸くしたと思うと宙に浮かせていた身体を地面へと下ろし、軽く肩をすくめた。
「君も知っているだろう? クルエルダ・ハーシー。実験には金と材料が必要だ。私の資金援助している人間が今回私に要請をしてきた。支援されてもらっている身としてはそこで応えないと対等ではない」
「だからといってこれほどまでの兵士の屍を動かす必要があったのですかね」
「仕方がないよ、向こうのご要望だ。それに……私も大量に実験ができて嬉しいよ」
女が目と口元を弧に描いた瞬間、さっきまでユラユラ身体を左右に揺らして歩いているだけの屍が一斉に俺たちに向きを変えた。
「君たち、いいところに来た。私の実験に付き合ってくれないか?」
「ふ……ざけんなっ! アンタは、人間を一体なんだと思ってんのさ⁈」
「人間? 周りにいる物のことかな? ただの実験体、そして材料さ」
一気に襲いかかってきた屍たちはフレイの振り上げた鎖鎌によって一掃される。冷静にとフレイ自身も思っているんだろうが、それでも許せないことがあるんだろう。鎖鎌を握っている手は力が入りすぎて若干震え、そして白くなっている。
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