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42.不一致
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街に着いたのはよかったものの、問題はこの腕にあるものだった。アミィはあれからすっかり寝入っていて未だに起きる気配がない。だからといって降ろすというわけにもいかず、そしたら俺はアミィを抱えたままあちこち移動する羽目になってしまう。
「先に宿を探そうか。そのほうがアミィも落ち着くだろうし」
ウィルのその言葉に反論したヤツは一切おらず、寧ろそうしてくれと力強く頷いたもんだ。他の大陸との交流が少ないとはいえ、一応来客用にと宿屋はあった。ただ店主が俺たちの姿を見て「外からの客はめずらしい」と目を丸くしていたが。だが店主の言葉通り他に客はおらず、人数分の部屋を取ることはできた。
「コイツを頼む」
「はいよ」
アミィを部屋まで運び、ベッドに寝かしつけておけばいいだろうと取りあえずフレイにアミィを剥がしてもらうよう頼んだ。今だスースー寝息を立てているアミィの脇の下に手を突っ込んだフレイはそのまま抱き上げようとした……ものの。
「……おい」
「……離れないねぇ」
眠っているはずだというのに、アミィの手は俺の服をしっかりと掴んで離さない。フレイがいくら引っ張ろうとも手が解けることもなければ、指を離させようとゆっくり開かせたところでまたギュッと俺の服にしがみついてくる。
「うん、これはアンタも一緒に寝たほうがいいよ」
「はぁ?」
「アミィはアンタと離れたくないんだからしょうがない」
「周辺の聞き込みは僕たちで行ってこよう」
「アミィちゃんのことはお任せしますね」
「おいおい待てコラおい待て」
言うだけ言って他の連中はさっさと部屋から離れ、最後にドアの前に立っていたフレイは俺たちを部屋の奥に押し込んで丁寧に閉じて行きやがった。ヤツらのあとを追いかけようにも腕には剥がれないアミィ、このままじゃ移動できない俺。
結局、深い息を吐き出して靴を適当に脱ぎ捨てた俺はアミィごとベッドに身体を放った。流石に成長してきているだけあって重力と共に腕にずっしりとアミィの重さが伸し掛かる。
視線を少しだけ隣にずらせば、少しは落ち着いたものの目と鼻を真っ赤にしているアミィの顔がある。あの森の奥での出来事は、アミィの精神にどれほどの負担がかかったのか。ただ、あの場で暴走しなかっただけでも成長したと言えばいいのか、暴走させるほどの余裕がアミィにはなかったと言うべきか。
クロウカシスに近付くに連れ、徐々に記憶が戻ってきていたのだろうか。あの場所に行きたいと言っていたのはアミィだ。
「う、ん……」
もぞりと小さい身体が動く。起きるかと思ったが少しだけ身動ぎしただけだった。
親を殺され、その時のショックで記憶が飛んだ。その状態のまま被験体となって散々実験させられ精神に支障をきたし、挙句の果てに人間兵器にさせられそうになった。散々すぎる人生だ。やっぱりその瞳の良さと特殊な体質をどこかで嗅ぎつけられたのか。そうでないとあんな雪深い奥の林まで進もうとは思わない。
やっと年齢らしく成長してきたものの、それで失っていた記憶まで戻ってしまったのは良いことだったのか悪いことだったのか。
息を吐き出し天井を見上げる。正直、アミィにそんな過去があったとはいえ俺にはどうしようもない。色んな人間が色んなものを抱えて、必死に藻掻いてそれと戦っている。アミィにも、その時が来たのだとしか言えない。
「……カイム?」
「よぉ、よく寝たな」
ようやくもぞりと身体は起き上がり、目を擦りながら隣に寝転がっていた俺に視線を落とす。俺の姿を確認して、次に周囲をキョロキョロと見渡し状況の確認をしていた。
「ここは……?」
「ここは宿で見ての通りベッドの上だ」
「アミィ、ずっと寝ちゃってたんだ」
俺も身体を起こし軽く伸びをする。首を左右に軽く動かして肩を回した。ずっとアミィの枕となっていたせいであちこち固まっちまっている。
「他のみんなは?」
「聞き込みに行ってる。まぁお前はここで大人しくしてろ」
今出たところで行き違いになる可能性もあるし、何よりよく寝ていたとはいえ雪の中にいた身体だ、疲れが溜まったままだと風邪も引く。寝込まれる前にここで疲れでも取ってろとアミィを残したままベッドから立ち上がった俺だったが、クイッと身体が後ろに若干引かれた。
視線を落とし辿ってみれば、俺の服をしっかりと掴んでいるアミィの手があった。コイツよく服引っ張るなと思いつつ更に視線を手から顔に移す。俯けているためどんな表情をしているのか俺のほうからだと全然見えない。
「……よ、ね」
しばらく待ってみたがようやく出てきた言葉はあまりにも小さく、しっかりと俺の耳には届かなかった。なんだと少しだけ身を屈めれば、くしゃりと表情を歪ませた顔がこっちを見上げてきた。
「カイムは、どこにも行かないよね?」
服を掴む手の力が強まる。皺になるとか伸びるとか、今更そんな小さいことを気にするタチじゃねぇけど。
「カイムまでいなくなったら……アミィどうすればいいの……?」
声を震わせながら吐き出された言葉に、俺もまた何かを返すことはなかった。
「おや、いいの食べてるじゃないか」
宿の食堂で待っていれば四人がドアの前で雪を払いながらぞろぞろと入ってきた。あれから起きたアミィは盛大に腹を鳴らし、結局俺たちは四人が戻るのを待っているしかなかったためそしたら腹ごしらえにと飯を食わせていたところだった。
「このオムライスすっごく美味しい!」
「そうかい! そりゃよかったね!」
「どうだった」
「ああ、街から少し離れたところに洞窟があるそうだ。そこが有力候補と言ったところかな」
入ってきた時と同様ぞろぞろと四人が席に座りつつ、対面に腰を下ろしたウィルはそう説明した。ちなみにアミィのご機嫌は飯を食ってから随分とよくなった。
「街の人たちの話しによると、そこの洞窟が街のために祈りを捧げていた場所なのだと言い伝えがあるそうです」
「なら早速そこに行くか」
「もう少し日も暮れそうだし行くのなら明日だろうな。外はもう随分と寒い」
「行くのなら明日にしましょう。私の身体が耐えきれません」
「アンタ本当に軟弱な身体してるね」
「はは、脳筋のあなた方とは一緒にしないでいただきたいですね」
「あぁ?」
フレイとクルエルダの相性の悪さは放っておくとして、アミィが飯を食っていたのを見たせいか四人共腹が減ってきたらしい。続々とメニューを注文しているのを見つつ、水しか飲んでいなかった俺も一応ついでに注文する。
「アミィの様子は落ち着いたかい?」
運ばれてきた水に口をつけていたウィルの視線が、ちらりと食べ終わってティエラたちのところに向かったアミィに向く。情報の聞き込みに行っている間もずっと気になっていたのだとウィルは付け加えた。
「今のところはな。魔術の暴走もなかった」
「そうか……」
アミィが座っていた場所にクルエルダがなぜか腰を下ろし、なんでお前がそこに座るのかよと思わず顔を顰める。まぁまぁ、と俺の表情を気にすることはなかったクルエルダは未だ注文していなかったため、今更ながらメニューと顔を突き合わせている。
再びウィルに視線を戻すとウィルもウィルでズンと沈んだ表情になっている。向こうのテーブルと比べてこっちのテーブルカオスすぎるだろと思わず内心毒づく。
「本当に、なぜアミィばかり……あの子はこの土地で、ただ親子で平凡に過ごしていただけだろう……?」
「まぁ早かれ遅かれそうなっていたと思いますよ。『赤』は貴重とされていますが『紫』もまた数はそこそこに少ないですからね」
「君はまたっ、そんな身もふたもないことをっ……!」
「事実ですよ。普通の人にはわからないでしょうが」
フレイとの相性も悪いが、ウィルとの相性もいいとは思えない。そもそもクルエルダと相性のいい人間がそういるとも思えないと、運ばれてきたシチューとパンを受け取りスプーンを手に取る。ウィルの前には随分とでかい肉が置かれ、クルエルダの前には相変わらず水だけだ。
ただクルエルダの正論に言葉を喉に詰まらせたウィルは、今のところ肉に手を付けようとはしていない。
「今どき何事もなく平凡に過ごせる人間のほうが少ないですよ。彼女だけではありません。それとも貴方は彼女のような生い立ちのすべての人間に同情し心を砕くのでしょうか? それもまた大変ですねぇ」
「ッ、君はっ……!」
「言い争うなら外でやってこいよ。頭も冷えて丁度いいだろうが」
面倒臭ぇ二人だなとパンに齧り付きシチューを飲み込む。他の土地に比べて濃厚で、恐らくこの土地の特産物なんだろう。こりゃアミィがオムライスをぺろりと平らげるのも頷けると続けてスプーンを口に運んだ。
「外は御免被りますねぇ。凍えてしまいます」
「僕は別に構わないが。確かに頭を冷やすには丁度いい」
「お前の飯も冷えるけどな」
「……! ……先に頂こう」
「賢明だな」
やっと目の前に運ばれてきていた肉に気付いたのか、ウィルの手がようやくナイフとフォークを掴む。こっちのテーブルが殺伐としている中、向こうのテーブルは女三人で随分と楽しそうにキャッキャとはしゃいでいた。気付けばアミィの前にはいつの間にか注文されていたパフェが置かれている。
まぁ向こうは向こうで盛り上がってこっちの殺伐とした雰囲気に気付かなかったようで何よりだと、続けてパンを口に運ぶ。未だにクルエルダの前には水しか置かれておらず、メニューを前に唸っている姿に短い息を吐き出した。
「先に宿を探そうか。そのほうがアミィも落ち着くだろうし」
ウィルのその言葉に反論したヤツは一切おらず、寧ろそうしてくれと力強く頷いたもんだ。他の大陸との交流が少ないとはいえ、一応来客用にと宿屋はあった。ただ店主が俺たちの姿を見て「外からの客はめずらしい」と目を丸くしていたが。だが店主の言葉通り他に客はおらず、人数分の部屋を取ることはできた。
「コイツを頼む」
「はいよ」
アミィを部屋まで運び、ベッドに寝かしつけておけばいいだろうと取りあえずフレイにアミィを剥がしてもらうよう頼んだ。今だスースー寝息を立てているアミィの脇の下に手を突っ込んだフレイはそのまま抱き上げようとした……ものの。
「……おい」
「……離れないねぇ」
眠っているはずだというのに、アミィの手は俺の服をしっかりと掴んで離さない。フレイがいくら引っ張ろうとも手が解けることもなければ、指を離させようとゆっくり開かせたところでまたギュッと俺の服にしがみついてくる。
「うん、これはアンタも一緒に寝たほうがいいよ」
「はぁ?」
「アミィはアンタと離れたくないんだからしょうがない」
「周辺の聞き込みは僕たちで行ってこよう」
「アミィちゃんのことはお任せしますね」
「おいおい待てコラおい待て」
言うだけ言って他の連中はさっさと部屋から離れ、最後にドアの前に立っていたフレイは俺たちを部屋の奥に押し込んで丁寧に閉じて行きやがった。ヤツらのあとを追いかけようにも腕には剥がれないアミィ、このままじゃ移動できない俺。
結局、深い息を吐き出して靴を適当に脱ぎ捨てた俺はアミィごとベッドに身体を放った。流石に成長してきているだけあって重力と共に腕にずっしりとアミィの重さが伸し掛かる。
視線を少しだけ隣にずらせば、少しは落ち着いたものの目と鼻を真っ赤にしているアミィの顔がある。あの森の奥での出来事は、アミィの精神にどれほどの負担がかかったのか。ただ、あの場で暴走しなかっただけでも成長したと言えばいいのか、暴走させるほどの余裕がアミィにはなかったと言うべきか。
クロウカシスに近付くに連れ、徐々に記憶が戻ってきていたのだろうか。あの場所に行きたいと言っていたのはアミィだ。
「う、ん……」
もぞりと小さい身体が動く。起きるかと思ったが少しだけ身動ぎしただけだった。
親を殺され、その時のショックで記憶が飛んだ。その状態のまま被験体となって散々実験させられ精神に支障をきたし、挙句の果てに人間兵器にさせられそうになった。散々すぎる人生だ。やっぱりその瞳の良さと特殊な体質をどこかで嗅ぎつけられたのか。そうでないとあんな雪深い奥の林まで進もうとは思わない。
やっと年齢らしく成長してきたものの、それで失っていた記憶まで戻ってしまったのは良いことだったのか悪いことだったのか。
息を吐き出し天井を見上げる。正直、アミィにそんな過去があったとはいえ俺にはどうしようもない。色んな人間が色んなものを抱えて、必死に藻掻いてそれと戦っている。アミィにも、その時が来たのだとしか言えない。
「……カイム?」
「よぉ、よく寝たな」
ようやくもぞりと身体は起き上がり、目を擦りながら隣に寝転がっていた俺に視線を落とす。俺の姿を確認して、次に周囲をキョロキョロと見渡し状況の確認をしていた。
「ここは……?」
「ここは宿で見ての通りベッドの上だ」
「アミィ、ずっと寝ちゃってたんだ」
俺も身体を起こし軽く伸びをする。首を左右に軽く動かして肩を回した。ずっとアミィの枕となっていたせいであちこち固まっちまっている。
「他のみんなは?」
「聞き込みに行ってる。まぁお前はここで大人しくしてろ」
今出たところで行き違いになる可能性もあるし、何よりよく寝ていたとはいえ雪の中にいた身体だ、疲れが溜まったままだと風邪も引く。寝込まれる前にここで疲れでも取ってろとアミィを残したままベッドから立ち上がった俺だったが、クイッと身体が後ろに若干引かれた。
視線を落とし辿ってみれば、俺の服をしっかりと掴んでいるアミィの手があった。コイツよく服引っ張るなと思いつつ更に視線を手から顔に移す。俯けているためどんな表情をしているのか俺のほうからだと全然見えない。
「……よ、ね」
しばらく待ってみたがようやく出てきた言葉はあまりにも小さく、しっかりと俺の耳には届かなかった。なんだと少しだけ身を屈めれば、くしゃりと表情を歪ませた顔がこっちを見上げてきた。
「カイムは、どこにも行かないよね?」
服を掴む手の力が強まる。皺になるとか伸びるとか、今更そんな小さいことを気にするタチじゃねぇけど。
「カイムまでいなくなったら……アミィどうすればいいの……?」
声を震わせながら吐き出された言葉に、俺もまた何かを返すことはなかった。
「おや、いいの食べてるじゃないか」
宿の食堂で待っていれば四人がドアの前で雪を払いながらぞろぞろと入ってきた。あれから起きたアミィは盛大に腹を鳴らし、結局俺たちは四人が戻るのを待っているしかなかったためそしたら腹ごしらえにと飯を食わせていたところだった。
「このオムライスすっごく美味しい!」
「そうかい! そりゃよかったね!」
「どうだった」
「ああ、街から少し離れたところに洞窟があるそうだ。そこが有力候補と言ったところかな」
入ってきた時と同様ぞろぞろと四人が席に座りつつ、対面に腰を下ろしたウィルはそう説明した。ちなみにアミィのご機嫌は飯を食ってから随分とよくなった。
「街の人たちの話しによると、そこの洞窟が街のために祈りを捧げていた場所なのだと言い伝えがあるそうです」
「なら早速そこに行くか」
「もう少し日も暮れそうだし行くのなら明日だろうな。外はもう随分と寒い」
「行くのなら明日にしましょう。私の身体が耐えきれません」
「アンタ本当に軟弱な身体してるね」
「はは、脳筋のあなた方とは一緒にしないでいただきたいですね」
「あぁ?」
フレイとクルエルダの相性の悪さは放っておくとして、アミィが飯を食っていたのを見たせいか四人共腹が減ってきたらしい。続々とメニューを注文しているのを見つつ、水しか飲んでいなかった俺も一応ついでに注文する。
「アミィの様子は落ち着いたかい?」
運ばれてきた水に口をつけていたウィルの視線が、ちらりと食べ終わってティエラたちのところに向かったアミィに向く。情報の聞き込みに行っている間もずっと気になっていたのだとウィルは付け加えた。
「今のところはな。魔術の暴走もなかった」
「そうか……」
アミィが座っていた場所にクルエルダがなぜか腰を下ろし、なんでお前がそこに座るのかよと思わず顔を顰める。まぁまぁ、と俺の表情を気にすることはなかったクルエルダは未だ注文していなかったため、今更ながらメニューと顔を突き合わせている。
再びウィルに視線を戻すとウィルもウィルでズンと沈んだ表情になっている。向こうのテーブルと比べてこっちのテーブルカオスすぎるだろと思わず内心毒づく。
「本当に、なぜアミィばかり……あの子はこの土地で、ただ親子で平凡に過ごしていただけだろう……?」
「まぁ早かれ遅かれそうなっていたと思いますよ。『赤』は貴重とされていますが『紫』もまた数はそこそこに少ないですからね」
「君はまたっ、そんな身もふたもないことをっ……!」
「事実ですよ。普通の人にはわからないでしょうが」
フレイとの相性も悪いが、ウィルとの相性もいいとは思えない。そもそもクルエルダと相性のいい人間がそういるとも思えないと、運ばれてきたシチューとパンを受け取りスプーンを手に取る。ウィルの前には随分とでかい肉が置かれ、クルエルダの前には相変わらず水だけだ。
ただクルエルダの正論に言葉を喉に詰まらせたウィルは、今のところ肉に手を付けようとはしていない。
「今どき何事もなく平凡に過ごせる人間のほうが少ないですよ。彼女だけではありません。それとも貴方は彼女のような生い立ちのすべての人間に同情し心を砕くのでしょうか? それもまた大変ですねぇ」
「ッ、君はっ……!」
「言い争うなら外でやってこいよ。頭も冷えて丁度いいだろうが」
面倒臭ぇ二人だなとパンに齧り付きシチューを飲み込む。他の土地に比べて濃厚で、恐らくこの土地の特産物なんだろう。こりゃアミィがオムライスをぺろりと平らげるのも頷けると続けてスプーンを口に運んだ。
「外は御免被りますねぇ。凍えてしまいます」
「僕は別に構わないが。確かに頭を冷やすには丁度いい」
「お前の飯も冷えるけどな」
「……! ……先に頂こう」
「賢明だな」
やっと目の前に運ばれてきていた肉に気付いたのか、ウィルの手がようやくナイフとフォークを掴む。こっちのテーブルが殺伐としている中、向こうのテーブルは女三人で随分と楽しそうにキャッキャとはしゃいでいた。気付けばアミィの前にはいつの間にか注文されていたパフェが置かれている。
まぁ向こうは向こうで盛り上がってこっちの殺伐とした雰囲気に気付かなかったようで何よりだと、続けてパンを口に運ぶ。未だにクルエルダの前には水しか置かれておらず、メニューを前に唸っている姿に短い息を吐き出した。
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