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あなたを見た日から
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「セオってほんとかわいいよね!」
「セオちゃん一緒に遊ばない?」
「そっち危ないからこっちにおいでよ、セオ」
子どもの頃から周りによく言われる言葉だった。僕のお父さんは村一番の美形だったらしく、そのお父さんの血を色濃く受け継いだ僕の顔もまた整っていた。
同年代に比べて身長もそこまで大きくなかったせいか、みんな自分の弟や妹のように接してくれる。わかってる、みんなに悪気はないんだって。ただ大切にしようと思っていてくれていただけだって。
そんなある日、みんなでかけっこして一度転んだ時みんなが一斉に駆け寄ってきて世話をしてくれた時があった。膝を擦りむいてしまって痛いことには痛い。涙目になった僕に周りはもう危ない遊びはやめようと口にした。
僕は、例え自分が怪我をしたってみんなと同じように遊びたかった。別に転んで怪我をしたところでこの怪我もすぐに治る。そう言ったのに「危ないから」の一言で怪我をしない遊びになってしまった。
そうして周りを囲まれて遊ぶ日々に、ほんの少しの寂しさと自分に対しての不甲斐なさ。僕が普通の顔だったら、みんな普通に遊んでくれたのかなっていう気持ちを抱いてしまう。
「あっ、今日はいるみたい」
「えっ? ほんと? どこどこ」
「はぁ……本当にすごいよねぇ」
そんなある日、一緒にいた女の子たちがどこかを見ながらそんなことを言っていた。いつも僕に可愛いと言ってくれる子たちは、その方向を見ながらどこかうっとりしている。
その視線の先に誰かいるのかな、って女の子たちの間から僕も同じ方向に視線を向けた。村はずれにあるその家は僕の家と距離があってあんまり近付くことはないし、用事もないため訪れることもない。
見えたのは僕よりも少し年上に見える男の子。ただこの村にいる子たちと比べて少し雰囲気が違っていた。
「リクト見たら他の男子がすごく頼りない」
「わかる~。だって守ってもらうんならリクトがいいもん」
「でもさ、やっぱりちょっと近寄りがたいっていうか、緊張しちゃって話しかけらんない」
「わかる~」
どうやら女の子の間で密かに人気みたいだ。でも、女の子たちが言ってる言葉が少しわかるような気がした。
僕の身体がまだ小さいからか、同じ男の僕から見てもその人はかっこよく見えた。他の子と比べて凛としていて目つきも鋭い。身長は女の子たちとあまり変わらないようになのに、身体が大きく見える。
「ね、ねぇ、あの人は?」
「あ、セオは初めて見る? 狩人の息子のリクトって言うの」
「リクトはお父さんの跡を継ぐのが決まってるから、小さい頃から頑張って身体を鍛えてるのよ。でもそれでわたしたちと一緒に遊ぶ時間がないんだけど」
「あ~あ、ステラとアルフィーが羨ましい」
その二人はどうやらあの人の幼馴染らしくて、だから気軽に声をかけることができるらしい。
ちなみにこうしてお昼に姿を見せるのもめずらしい。いつもなら家の庭で身体を鍛えているか、もしくは森に入っているから滅多に見れないんだとか。
「かっこいい……」
僕がポツッとこぼした言葉に周囲にいた女の子たちは笑顔を浮かべた。
「ふふ、男の子から見てもリクトってかっこいいんだね」
「うん……」
「……あれ? セオ?」
「……これって、もしかしてもしかする?」
女の子たちの会話が耳に入ってこなくなるほど、僕はその人を食い入るように見つめていた。
身体が細いのが駄目なんだなと、ある日ふとそんなことを思った。顔が男でも女でもどっちにも見られることがあるけれど、身体が細いから尚更女の子と間違えられちゃうんだ。
僕もあの人みたいに身体を大きくしたら女の子に間違えられないかもしれない。前みたいに転んで怪我をしてもみんなに余計な心配をかけさせないかもしれない。
そうと決まれば、まずはできることをして身体を鍛えようとお父さんたちの手伝いをするところから始めた。二人が営んでいる食堂は村の人たちにも人気で、特に昼ご飯をみんな食べに来てる。
まずは体力をつけようとホールに出てお客様の注文を聞いて回る。身体が小さいせいか食堂も広く感じる。そこを端から端まで走っていくのだからなかなか大変だった。最初は疲れ切って寝落ちして、抱っこして運ばれていく姿をお客様に見られた。
少しずつ、そうやって僕なりに少しずつ体力と筋力をつけていっているつもりだった。でもやっぱりみんな僕をまだ心配してくる。その度にまだまだなんだなって手伝いを頑張った。
「ふぅ……心配させちゃったかな」
でもあんまりにも頑張りすぎたのか、お父さんたちに少し心配をかけさせてしまった。頑張ってるのはわかる、でも疲れた時はちゃんと休むように。休まないと身体も大きくならないよ、と言われてしまうと「でも」と言い返すこともできない。
疲れた僕に気を遣って、父さんたちは村はずれにある料理に使える薬味を採りに行ってくれないかと頼んできた。森には近付かないから危険はないはずだからと。
その場所は例のあの人の家の近くだったから、ある意味僕にとってのご褒美でそのご褒美につられてホイホイと町はずれの茂みへと向かった。
まず行く時にひと目見れないかな、ってチラッて見てみたけど人がいる様子がなかった。落ち込みつつ、言われた通り茂みの中に入って草を探す。多分それぞれに名前があるんだろうけど僕はまだ覚えきれてない。だから見せてくれたものと同じものを採っていった。
そうして籠の中が草でいっぱいになった頃、僕はようやく立ち上がって伸びをした。ずっと屈んでいたからあちこちが痛い。
痛いといえば、そういえば大きくなる時に身体のあちこちが痛くなると年上の男の子が教えてくれたっけ。成長痛とかいって、関節が痛くなるらしい。痛いのはちょっと嫌だけど僕にも早く来てくれないかなと思ってしまう。
早く大きくなって、あの人みたいに人に頼られる人間になりたい。
「暗くなる前に帰らなくちゃ」
お父さんたちは危なくないって言ってたけど、やっぱり暗くなると危ないらしい。そもそも僕はまだ小さいから暗いとそのへんにつまづいて転びそうだ。
いっぱい採ったし夕方のうちに帰ってしまおうと茂みの外へ向かって歩き出す。この時僕はこの茂みが村のどこにあるのかすっかり忘れてしまっていた。茂みからポッと顔を出した僕は一歩進んで、そして立ち止まる。
「っ……!」
声にならなかった。だってこんなことになるなんて、思いもしなくて。
僕も頑張ってるけれど、それと比べ物にならないほど鍛えられている身体。しっかりとした首周りに太い腕。水面から筋肉で膨らんでる胸も少しだけ見えた。向こうもびっくりしたようで少しだけ目を丸めて、その間にぽたぽたと洗った髪から雫が落ちてその人の頬を伝い鎖骨に落ちた。
どれだけ時間が経ったのかはわからない。多分僕は食い入るように見ていた。そんな僕を見ておかしい子どもだと思わなかったかな、だなんて心配は今は出てこない。何もできなかった。息すらも。
「お疲れ」
僕よりも低い、初めて聞いた声にドッと心臓が爆発するかと思うほど高鳴った。その瞬間僕は駆け出した。
まさかあそこで湯浴みをしているとは思いもしなかった。しかもあの人の、あんな姿を見るなんて。見てはいけないものを見てしまったような感覚で、ずっと心臓がうるさい。
胸が苦しいし顔は熱い。熱を出したときよりもずっとしんどい気がする。家に帰るとお父さんたちは様子がおかしい僕を心配したけれど、二人にはごめんなさいと言うしかなくて急いで部屋に閉じこもった。
ブランケットを頭まですっぽり被って身体を丸くする。ドッドッと動く心臓がまだ落ち着かない。目をギュッとつむればあの人の姿がふわっと浮かび上がって尚更心臓がうるさくなるだけだった。
その日はあちこち痛くて、初めて眠れない夜を過ごした。
「セオちゃん一緒に遊ばない?」
「そっち危ないからこっちにおいでよ、セオ」
子どもの頃から周りによく言われる言葉だった。僕のお父さんは村一番の美形だったらしく、そのお父さんの血を色濃く受け継いだ僕の顔もまた整っていた。
同年代に比べて身長もそこまで大きくなかったせいか、みんな自分の弟や妹のように接してくれる。わかってる、みんなに悪気はないんだって。ただ大切にしようと思っていてくれていただけだって。
そんなある日、みんなでかけっこして一度転んだ時みんなが一斉に駆け寄ってきて世話をしてくれた時があった。膝を擦りむいてしまって痛いことには痛い。涙目になった僕に周りはもう危ない遊びはやめようと口にした。
僕は、例え自分が怪我をしたってみんなと同じように遊びたかった。別に転んで怪我をしたところでこの怪我もすぐに治る。そう言ったのに「危ないから」の一言で怪我をしない遊びになってしまった。
そうして周りを囲まれて遊ぶ日々に、ほんの少しの寂しさと自分に対しての不甲斐なさ。僕が普通の顔だったら、みんな普通に遊んでくれたのかなっていう気持ちを抱いてしまう。
「あっ、今日はいるみたい」
「えっ? ほんと? どこどこ」
「はぁ……本当にすごいよねぇ」
そんなある日、一緒にいた女の子たちがどこかを見ながらそんなことを言っていた。いつも僕に可愛いと言ってくれる子たちは、その方向を見ながらどこかうっとりしている。
その視線の先に誰かいるのかな、って女の子たちの間から僕も同じ方向に視線を向けた。村はずれにあるその家は僕の家と距離があってあんまり近付くことはないし、用事もないため訪れることもない。
見えたのは僕よりも少し年上に見える男の子。ただこの村にいる子たちと比べて少し雰囲気が違っていた。
「リクト見たら他の男子がすごく頼りない」
「わかる~。だって守ってもらうんならリクトがいいもん」
「でもさ、やっぱりちょっと近寄りがたいっていうか、緊張しちゃって話しかけらんない」
「わかる~」
どうやら女の子の間で密かに人気みたいだ。でも、女の子たちが言ってる言葉が少しわかるような気がした。
僕の身体がまだ小さいからか、同じ男の僕から見てもその人はかっこよく見えた。他の子と比べて凛としていて目つきも鋭い。身長は女の子たちとあまり変わらないようになのに、身体が大きく見える。
「ね、ねぇ、あの人は?」
「あ、セオは初めて見る? 狩人の息子のリクトって言うの」
「リクトはお父さんの跡を継ぐのが決まってるから、小さい頃から頑張って身体を鍛えてるのよ。でもそれでわたしたちと一緒に遊ぶ時間がないんだけど」
「あ~あ、ステラとアルフィーが羨ましい」
その二人はどうやらあの人の幼馴染らしくて、だから気軽に声をかけることができるらしい。
ちなみにこうしてお昼に姿を見せるのもめずらしい。いつもなら家の庭で身体を鍛えているか、もしくは森に入っているから滅多に見れないんだとか。
「かっこいい……」
僕がポツッとこぼした言葉に周囲にいた女の子たちは笑顔を浮かべた。
「ふふ、男の子から見てもリクトってかっこいいんだね」
「うん……」
「……あれ? セオ?」
「……これって、もしかしてもしかする?」
女の子たちの会話が耳に入ってこなくなるほど、僕はその人を食い入るように見つめていた。
身体が細いのが駄目なんだなと、ある日ふとそんなことを思った。顔が男でも女でもどっちにも見られることがあるけれど、身体が細いから尚更女の子と間違えられちゃうんだ。
僕もあの人みたいに身体を大きくしたら女の子に間違えられないかもしれない。前みたいに転んで怪我をしてもみんなに余計な心配をかけさせないかもしれない。
そうと決まれば、まずはできることをして身体を鍛えようとお父さんたちの手伝いをするところから始めた。二人が営んでいる食堂は村の人たちにも人気で、特に昼ご飯をみんな食べに来てる。
まずは体力をつけようとホールに出てお客様の注文を聞いて回る。身体が小さいせいか食堂も広く感じる。そこを端から端まで走っていくのだからなかなか大変だった。最初は疲れ切って寝落ちして、抱っこして運ばれていく姿をお客様に見られた。
少しずつ、そうやって僕なりに少しずつ体力と筋力をつけていっているつもりだった。でもやっぱりみんな僕をまだ心配してくる。その度にまだまだなんだなって手伝いを頑張った。
「ふぅ……心配させちゃったかな」
でもあんまりにも頑張りすぎたのか、お父さんたちに少し心配をかけさせてしまった。頑張ってるのはわかる、でも疲れた時はちゃんと休むように。休まないと身体も大きくならないよ、と言われてしまうと「でも」と言い返すこともできない。
疲れた僕に気を遣って、父さんたちは村はずれにある料理に使える薬味を採りに行ってくれないかと頼んできた。森には近付かないから危険はないはずだからと。
その場所は例のあの人の家の近くだったから、ある意味僕にとってのご褒美でそのご褒美につられてホイホイと町はずれの茂みへと向かった。
まず行く時にひと目見れないかな、ってチラッて見てみたけど人がいる様子がなかった。落ち込みつつ、言われた通り茂みの中に入って草を探す。多分それぞれに名前があるんだろうけど僕はまだ覚えきれてない。だから見せてくれたものと同じものを採っていった。
そうして籠の中が草でいっぱいになった頃、僕はようやく立ち上がって伸びをした。ずっと屈んでいたからあちこちが痛い。
痛いといえば、そういえば大きくなる時に身体のあちこちが痛くなると年上の男の子が教えてくれたっけ。成長痛とかいって、関節が痛くなるらしい。痛いのはちょっと嫌だけど僕にも早く来てくれないかなと思ってしまう。
早く大きくなって、あの人みたいに人に頼られる人間になりたい。
「暗くなる前に帰らなくちゃ」
お父さんたちは危なくないって言ってたけど、やっぱり暗くなると危ないらしい。そもそも僕はまだ小さいから暗いとそのへんにつまづいて転びそうだ。
いっぱい採ったし夕方のうちに帰ってしまおうと茂みの外へ向かって歩き出す。この時僕はこの茂みが村のどこにあるのかすっかり忘れてしまっていた。茂みからポッと顔を出した僕は一歩進んで、そして立ち止まる。
「っ……!」
声にならなかった。だってこんなことになるなんて、思いもしなくて。
僕も頑張ってるけれど、それと比べ物にならないほど鍛えられている身体。しっかりとした首周りに太い腕。水面から筋肉で膨らんでる胸も少しだけ見えた。向こうもびっくりしたようで少しだけ目を丸めて、その間にぽたぽたと洗った髪から雫が落ちてその人の頬を伝い鎖骨に落ちた。
どれだけ時間が経ったのかはわからない。多分僕は食い入るように見ていた。そんな僕を見ておかしい子どもだと思わなかったかな、だなんて心配は今は出てこない。何もできなかった。息すらも。
「お疲れ」
僕よりも低い、初めて聞いた声にドッと心臓が爆発するかと思うほど高鳴った。その瞬間僕は駆け出した。
まさかあそこで湯浴みをしているとは思いもしなかった。しかもあの人の、あんな姿を見るなんて。見てはいけないものを見てしまったような感覚で、ずっと心臓がうるさい。
胸が苦しいし顔は熱い。熱を出したときよりもずっとしんどい気がする。家に帰るとお父さんたちは様子がおかしい僕を心配したけれど、二人にはごめんなさいと言うしかなくて急いで部屋に閉じこもった。
ブランケットを頭まですっぽり被って身体を丸くする。ドッドッと動く心臓がまだ落ち着かない。目をギュッとつむればあの人の姿がふわっと浮かび上がって尚更心臓がうるさくなるだけだった。
その日はあちこち痛くて、初めて眠れない夜を過ごした。
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