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深窓の双子
側室争奪戦
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姿見の前に立って、頭から爪先まで視線を走らせて最終チェックをする。うん、どこをどう見ても美しい。メイドが腕によりをかけただけはある。
今日は首都で行われるお茶会の招待状が届いたため、それに向かうための身支度をつい先程終えたばかりだ。王妃が主催ということもあってきっと他の令嬢も気合を入れてくるはず。
王妃が主催の場合、かなりの高確率で王も姿を表す。普段そう簡単に近寄ることもできない王だけれど王妃主催のお茶会だけは違う。普段よりもラフな格好で、けれども決して品格を下げることのない服装は誰もがほぉ……と息を吐き出すほど。そして令嬢がまるで獲物を狙うかの如く目を鋭くさせる。
実はこの国の王は、側室を持ってはいない。未だに王妃一人だけを傍に置いている。その話を聞いて「まさか」と思う令嬢が殆どだ。あんなに美しく望めばなんだって手に入れることができる王が、側室を置かないなんてことはありえない。きっと王妃に隠れて女の自分の部屋に呼んでいるはず。そして、令嬢は自分が呼んでもらうのだと躍起になっている。
よって今度のお茶会は最大のチャンスだ。王が姿を現した時に自分をいい女なのだとアピールする機会。そして私は、そのチャンスを最も持っている女だと言ってもいい。なぜなら光属性として、それなりの成果を上げているから。
「美しいです、フルート様。まさに聖女のようです。これならばきっと見初められることでしょう」
「ありがとう」
メイドがうっとりしながらそう口にしてくれる。その言葉に対して、私は微笑みを浮かべてお礼を言った。そうするとますますメイドは見惚れてくれる。
人に分け隔てなく優しくいつも微笑みを浮かべて、そして怪我を治療してあげる。私は誰もが想像する物語に出てくる『聖女』という仮面を被ってずっと生きてきた。そうすれば簡単に人は私を信じる。聖女様のようですとお礼を言ってくる。
そうでしょう、これがあなたたちが望んでいる姿だもの、と心の中で思いつつもそれを決して口には出さない。
私だって努力したのよ。私はただの庶民だったけど擦り傷を治せた時に自分が光属性だと気付いて、光属性はこの国では貴重だから利用できると思った。これみよがしに貴族の前で治癒の魔法使って、健気で優しい女を演じたわ。そのおかげで貴族の養子となって貧相な生活から抜け出すことができた。
光属性のくせにそんな低層な考え、だなんて言われたことなど一度もない。言わせないようにずっと『いい子』でいたんだから。そうすれば少し恥じらったり遠慮をすれば向こうが勝手に施してくる。私は自分の才能を活用しているだけ、それの何が悪い。
だからお茶会も、その才能を活用するだけ。自分が如何に女として素晴らしい人間か王にアピールして見初められる。そして寵愛を受けて贅沢をする、それが私の目標だった。
王妃を前に遠目から見たことがあったけれど、確かに美しい女ではあった。悔しいけど立っているだけで華があり男たちが目を奪われるのもわかる。けれど所詮、小さい頃から「王子の婚約者」として囃し立てられただけ。
「贅沢だけやっていた女に、苦労した私が負けるはずないのよ」
誰もいない部屋、一人でいる時だけ本音を言える状況はあまりない。だからこそ言える時ははっきりと口にしていた。そうでなければストレスでどうにかなってしまいそうだから。
歪めた顔をパッとやめて、いつもの優しそうな笑顔を作る。最初これに慣れるまでどれだけ顔が引き攣っただろう。今となってはもうお手の物、私の武器になっている。いいタイミングでノックをされて顔を上げれば、先程までいたメイドが私に笑顔を向けた。
「お時間です、フルート様」
「ええ。わざわざありがとう」
「いえいえそんな! 本当にフルート様はいつもお優しい……きっと王様もそんなフルート様に想いを向けるはずです」
「そんな……私はただ傷を癒やすことしかできない人間です。素晴らしい王様にそのような想いを向けてもらえるなんて……」
「本当に慎ましい方でございますね……」
目に涙を浮かべてそう告げるメイドに笑みだけを向ける。こんなことやっている時間すらもったいないけれど、ここでおざなりにしてしまえば今までの努力が水の泡だ。ゆっくりと歩き出し部屋から出ると、まるで勇気づけるようにメイドが背中を弱い力で推してくる。余計なお世話だ。メイドがそんなことしたところでなんの役にも立たない。
そんなことしなくても、王はきっとこの優しく健気な私に惚れるはずなのだから。
王妃主催となると規模もそれなりになる。花が咲き誇り綺麗に整備されている庭園。これだけの参加者がいるというのに息苦しさや狭さをまったく感じない。テーブルに置かれているお菓子などは首都で流行っているものではない。これは王妃主催のお茶会ではよくあること。
こんな素性のわからないお菓子をなぜ置くのか気がしれない、と顔を歪める貴族も少なくなかったというのに今は誰もがその菓子に手を伸ばす。
「御機嫌よう」
「御機嫌よう」
光属性として治療をして回っていたため、こうして声を掛けられる頻度も高くなった。いい傾向だ。私が姿を現した途端会場内の視線はすべてこちらに向く。そして「上品だ」とか「美しい」という単語が耳に届くのは心地いい。美しく清楚なドレスは私によく似合っているだろう、「まるで聖女のようだ」という単語もよく聞こえてくる。
「この間の活躍は聞いておりますわ。大変でしたでしょう?」
「いいえ、治癒の魔法を使える身としては当然のことをしたまでです」
「なんて心の清い方ですの」
「ほら見て、あちらの殿方ずっと貴女を見ていますのよ。きっとお近付きになりたいのですわ」
「そんな……あのような素敵な男性が私なんかに……」
「まぁ! 貴女はもっと自分の魅力に気付いたほうがよくなくて?」
「そうですわ。でも謙虚なところが貴女の美しさを際立たせていますのね」
令嬢の塊に使ってしまったけれど、でも女たちが口々に私を褒めそやすのは悪くない。中には皮肉を言っている女もいるだろうけれど私にとっては負け犬の遠吠え。そういう女に限って濃い化粧で如何にも性格の悪さが滲み出ているのだから。
「そういえばまだいらっしゃらないわね」
「そろそろ時間だと思うのですけれど」
「果たして今回はチャンスはあるかしら?」
「やだ、まだそんなこと言っておりますの?」
「ご冗談を。ここにいる女性はみんなそうでなくて? こんな好機、逃すほうがおかしいですわ」
クスクスと、扇の下で笑う女たちは滑稽だ。女たちの目的はただ一つだけ。まぁ、私もそうだけれどこの女たちのように如何にも狙っている雰囲気は決して表に出さない。
すると会場が少しざわめき始めた。それぞれがパッと顔を上げ、声が聞こえるほうへと視線を向ける。二人並んで現れるのが常だけれど。
今日は一人だったために、こんなにもいつも以上に騒がしかったのだろう。けれど当人はそんなことまったく気に留めることもなく、会場をぐるりと見渡す。
「すまないね、彼女は少し遅れてしまうんだ。けれど折角のお茶会だ、楽しんでほしい」
若くに王座を譲り受けた彼は、やはりいつ見ても若々しい。声も凛としていてこの広い会場内でもよく響く。そして彼の何よりの魅力はやはりその笑顔だ。貴族の男たちのように下心のない爽やかな微笑みに、すでに顔を赤くしている令嬢が何人かいた。
「やだ、チャンスですわ」
「そうですわ、王妃がいない今のうちに」
「早く行かないと先を越されてしまいますわ」
確かに常に二人でいるため、一人でいる時はまたとないチャンスだ。令嬢がこぞって彼の元へ駆け寄ろうとしているけれど、そう考えているのは一人ではないため牽制が起こっている。
余裕がないなんて、なんて惨め。こういう時こそ余裕を持って王に近付き、そして自分をアピールすればいいだけの話なのに。
醜い女たちのあとに言ったほうがより好印象を与えることができる、と考えティーカップに口を付けた時だった。女たちが異様に騒ぎ始めたから何事かと思い視線を上げると、王子の前に一人の女が立っていた。
「やぁソフィア、久しぶりだね」
「ご機嫌麗しゅう。おかげさまで忙しい毎日を送れていますよ」
「例の件は上手くいってよかったよ」
「ふふ、私の手腕を見くびってもらっては困ります」
「ははっ、流石はソフィアだ」
貴族の令嬢が唖然としたり、絶句したりする理由もわからないわけでもない。彼女はソフィア・エトワール。女の身でありながらエトワールの当主であり、またその手腕であらゆる事業を展開している異端者だ。王と古くからの付き合いもあってかああやって気兼ねなく会話をすることもできる。
でも王妃主催のお茶会というのに、ドレスも着飾らずにあんな男みたいな格好。よく王が許しているものだと顔には出さなかったけれど内心で毒吐いた。
ソフィア・エトワールは簡潔な挨拶を済ませ一旦王の傍から離れた。今だ、と令嬢が一斉に動き出す。王妃がいない今ならば、いつも以上にアピールできる。誰もがそう思っていた。
ところが、こういう時に限って状況は女たちの思うように動いてはくれない。
「父上」
「父上」
ある意味最も私たちの障害になり得る二人の子どもが、この場に姿を現してしてしまった。
今日は首都で行われるお茶会の招待状が届いたため、それに向かうための身支度をつい先程終えたばかりだ。王妃が主催ということもあってきっと他の令嬢も気合を入れてくるはず。
王妃が主催の場合、かなりの高確率で王も姿を表す。普段そう簡単に近寄ることもできない王だけれど王妃主催のお茶会だけは違う。普段よりもラフな格好で、けれども決して品格を下げることのない服装は誰もがほぉ……と息を吐き出すほど。そして令嬢がまるで獲物を狙うかの如く目を鋭くさせる。
実はこの国の王は、側室を持ってはいない。未だに王妃一人だけを傍に置いている。その話を聞いて「まさか」と思う令嬢が殆どだ。あんなに美しく望めばなんだって手に入れることができる王が、側室を置かないなんてことはありえない。きっと王妃に隠れて女の自分の部屋に呼んでいるはず。そして、令嬢は自分が呼んでもらうのだと躍起になっている。
よって今度のお茶会は最大のチャンスだ。王が姿を現した時に自分をいい女なのだとアピールする機会。そして私は、そのチャンスを最も持っている女だと言ってもいい。なぜなら光属性として、それなりの成果を上げているから。
「美しいです、フルート様。まさに聖女のようです。これならばきっと見初められることでしょう」
「ありがとう」
メイドがうっとりしながらそう口にしてくれる。その言葉に対して、私は微笑みを浮かべてお礼を言った。そうするとますますメイドは見惚れてくれる。
人に分け隔てなく優しくいつも微笑みを浮かべて、そして怪我を治療してあげる。私は誰もが想像する物語に出てくる『聖女』という仮面を被ってずっと生きてきた。そうすれば簡単に人は私を信じる。聖女様のようですとお礼を言ってくる。
そうでしょう、これがあなたたちが望んでいる姿だもの、と心の中で思いつつもそれを決して口には出さない。
私だって努力したのよ。私はただの庶民だったけど擦り傷を治せた時に自分が光属性だと気付いて、光属性はこの国では貴重だから利用できると思った。これみよがしに貴族の前で治癒の魔法使って、健気で優しい女を演じたわ。そのおかげで貴族の養子となって貧相な生活から抜け出すことができた。
光属性のくせにそんな低層な考え、だなんて言われたことなど一度もない。言わせないようにずっと『いい子』でいたんだから。そうすれば少し恥じらったり遠慮をすれば向こうが勝手に施してくる。私は自分の才能を活用しているだけ、それの何が悪い。
だからお茶会も、その才能を活用するだけ。自分が如何に女として素晴らしい人間か王にアピールして見初められる。そして寵愛を受けて贅沢をする、それが私の目標だった。
王妃を前に遠目から見たことがあったけれど、確かに美しい女ではあった。悔しいけど立っているだけで華があり男たちが目を奪われるのもわかる。けれど所詮、小さい頃から「王子の婚約者」として囃し立てられただけ。
「贅沢だけやっていた女に、苦労した私が負けるはずないのよ」
誰もいない部屋、一人でいる時だけ本音を言える状況はあまりない。だからこそ言える時ははっきりと口にしていた。そうでなければストレスでどうにかなってしまいそうだから。
歪めた顔をパッとやめて、いつもの優しそうな笑顔を作る。最初これに慣れるまでどれだけ顔が引き攣っただろう。今となってはもうお手の物、私の武器になっている。いいタイミングでノックをされて顔を上げれば、先程までいたメイドが私に笑顔を向けた。
「お時間です、フルート様」
「ええ。わざわざありがとう」
「いえいえそんな! 本当にフルート様はいつもお優しい……きっと王様もそんなフルート様に想いを向けるはずです」
「そんな……私はただ傷を癒やすことしかできない人間です。素晴らしい王様にそのような想いを向けてもらえるなんて……」
「本当に慎ましい方でございますね……」
目に涙を浮かべてそう告げるメイドに笑みだけを向ける。こんなことやっている時間すらもったいないけれど、ここでおざなりにしてしまえば今までの努力が水の泡だ。ゆっくりと歩き出し部屋から出ると、まるで勇気づけるようにメイドが背中を弱い力で推してくる。余計なお世話だ。メイドがそんなことしたところでなんの役にも立たない。
そんなことしなくても、王はきっとこの優しく健気な私に惚れるはずなのだから。
王妃主催となると規模もそれなりになる。花が咲き誇り綺麗に整備されている庭園。これだけの参加者がいるというのに息苦しさや狭さをまったく感じない。テーブルに置かれているお菓子などは首都で流行っているものではない。これは王妃主催のお茶会ではよくあること。
こんな素性のわからないお菓子をなぜ置くのか気がしれない、と顔を歪める貴族も少なくなかったというのに今は誰もがその菓子に手を伸ばす。
「御機嫌よう」
「御機嫌よう」
光属性として治療をして回っていたため、こうして声を掛けられる頻度も高くなった。いい傾向だ。私が姿を現した途端会場内の視線はすべてこちらに向く。そして「上品だ」とか「美しい」という単語が耳に届くのは心地いい。美しく清楚なドレスは私によく似合っているだろう、「まるで聖女のようだ」という単語もよく聞こえてくる。
「この間の活躍は聞いておりますわ。大変でしたでしょう?」
「いいえ、治癒の魔法を使える身としては当然のことをしたまでです」
「なんて心の清い方ですの」
「ほら見て、あちらの殿方ずっと貴女を見ていますのよ。きっとお近付きになりたいのですわ」
「そんな……あのような素敵な男性が私なんかに……」
「まぁ! 貴女はもっと自分の魅力に気付いたほうがよくなくて?」
「そうですわ。でも謙虚なところが貴女の美しさを際立たせていますのね」
令嬢の塊に使ってしまったけれど、でも女たちが口々に私を褒めそやすのは悪くない。中には皮肉を言っている女もいるだろうけれど私にとっては負け犬の遠吠え。そういう女に限って濃い化粧で如何にも性格の悪さが滲み出ているのだから。
「そういえばまだいらっしゃらないわね」
「そろそろ時間だと思うのですけれど」
「果たして今回はチャンスはあるかしら?」
「やだ、まだそんなこと言っておりますの?」
「ご冗談を。ここにいる女性はみんなそうでなくて? こんな好機、逃すほうがおかしいですわ」
クスクスと、扇の下で笑う女たちは滑稽だ。女たちの目的はただ一つだけ。まぁ、私もそうだけれどこの女たちのように如何にも狙っている雰囲気は決して表に出さない。
すると会場が少しざわめき始めた。それぞれがパッと顔を上げ、声が聞こえるほうへと視線を向ける。二人並んで現れるのが常だけれど。
今日は一人だったために、こんなにもいつも以上に騒がしかったのだろう。けれど当人はそんなことまったく気に留めることもなく、会場をぐるりと見渡す。
「すまないね、彼女は少し遅れてしまうんだ。けれど折角のお茶会だ、楽しんでほしい」
若くに王座を譲り受けた彼は、やはりいつ見ても若々しい。声も凛としていてこの広い会場内でもよく響く。そして彼の何よりの魅力はやはりその笑顔だ。貴族の男たちのように下心のない爽やかな微笑みに、すでに顔を赤くしている令嬢が何人かいた。
「やだ、チャンスですわ」
「そうですわ、王妃がいない今のうちに」
「早く行かないと先を越されてしまいますわ」
確かに常に二人でいるため、一人でいる時はまたとないチャンスだ。令嬢がこぞって彼の元へ駆け寄ろうとしているけれど、そう考えているのは一人ではないため牽制が起こっている。
余裕がないなんて、なんて惨め。こういう時こそ余裕を持って王に近付き、そして自分をアピールすればいいだけの話なのに。
醜い女たちのあとに言ったほうがより好印象を与えることができる、と考えティーカップに口を付けた時だった。女たちが異様に騒ぎ始めたから何事かと思い視線を上げると、王子の前に一人の女が立っていた。
「やぁソフィア、久しぶりだね」
「ご機嫌麗しゅう。おかげさまで忙しい毎日を送れていますよ」
「例の件は上手くいってよかったよ」
「ふふ、私の手腕を見くびってもらっては困ります」
「ははっ、流石はソフィアだ」
貴族の令嬢が唖然としたり、絶句したりする理由もわからないわけでもない。彼女はソフィア・エトワール。女の身でありながらエトワールの当主であり、またその手腕であらゆる事業を展開している異端者だ。王と古くからの付き合いもあってかああやって気兼ねなく会話をすることもできる。
でも王妃主催のお茶会というのに、ドレスも着飾らずにあんな男みたいな格好。よく王が許しているものだと顔には出さなかったけれど内心で毒吐いた。
ソフィア・エトワールは簡潔な挨拶を済ませ一旦王の傍から離れた。今だ、と令嬢が一斉に動き出す。王妃がいない今ならば、いつも以上にアピールできる。誰もがそう思っていた。
ところが、こういう時に限って状況は女たちの思うように動いてはくれない。
「父上」
「父上」
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