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閑話
秀才だった従兄弟
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相変わらず本家の屋敷は広い。あちこち歩いて場所を把握するのにどれほど時間がかかるんだろう、とつい小さく息を吐きだしながら案内してくれている執事さんの後ろを歩く。
立派な屋敷からわりと離れた場所に小さな別棟があって、「こちらです」と頭を下げた執事さんに同じようにペコリと頭を下げ扉を開ける。少し埃っぽいのは少し前まで物置として使われていたからなのかもしれない。部屋を見渡していた視線を中心部に戻せば、一箇所にだけ差し込まれている陽の光の下で探していた姿がそこにあった。
「ハイロ」
「……ああ、ハロルド。来たのか」
「うん」
様々な本が置かれているものの、この部屋全体に魔法がかかっているため魔法を使った実験はまったくできない状態だ。知識だけは蓄えられる部屋、だけれど彼は一体何度同じ本を読み返したのだろう。
カナット学園で何があったのかは聞いた。最初こそはあのハイロが、って疑ったけどそれだけ魅了の魔法が厄介だったんだろう。ハイロすらもかかってしまうなんて。魔法を使った人物の魔力が高かったのか、またはハイロがかかりやすい状況に陥っていたのかは僕にはわからない。
でも色々とやってしまったハイロがノレッジ家を追い出されることなくこうして離れに閉じ込められている理由は、彼は真っ先に自分の行いを悔いたからだ。何をしでかしてしまったのか理解した彼は自らノレッジ家から籍を外し罰せられようとしていた。
「ハイロは他の二人と比べていち早く気付いたようだからね。ほんの少しだけ慈悲を与えようかな」
そんなことを王子に言われたらしい。それから学園を追放された彼は魔力を封じられ尚且魔法の使えない部屋に閉じ込められ、ただただ何度も読み返した本を読んでいる日々を過ごしている。
「そんなにすごい魔力だった?」
「いいや、彼女の魔力自体はきっとそうでもなかった。けれど……慣れないことをするべきじゃなかったな」
「……欲しい言葉でもかけられた?」
「……そう、かもしれないな」
それはどんな言葉だったんだろうか。頼り甲斐がある? その知恵にとても助けられている? ノレッジ家はそうであるのが当たり前だから、ハイロほどの知識量があっても普通とされていて周りに褒められることなんてまずない。そこを浸け込まれたのかもしれない。
「情けないな。王子も認めてくださっていたというのに」
「……君は、勉強一筋で女性に対しての免疫があんまりなかったからね」
「はは……痛いところを突く」
知識があっても対処する方法を知っていても、弱点を突かれてしまえばどうしようもない。その対処を更に知っておけば問題なかったんだろうけれど、ハイロはそれを知らなかった。
ほんの少しの強かさが彼には足りなかった。
少し埃っぽい部屋の中に足を踏み入れ、空いている場所に腰を下ろす。小さい頃よくここでハイロと一緒に色んな本を読んだものだ。そのときはまだ魔法が使える部屋だったから、ハイロが色々と見せてくれた。
お互い兄弟がいなくて、ほんの少し歳の離れたハイロは僕にとっては兄のような存在だった。物知りで、色んなことを教えてくれて。
「……本家の養子になることが決まったんだ」
「……そうか。ハロルドが跡継ぎになるんだな」
「そうだね。でも……ほんのちょっとだけ、僕でいいのかなって思っちゃうよ」
自分の指を絡ませて、視線を落とす。だって、僕。
「魔力がないんだもん」
色んな魔術師や研究者を輩出しているノレッジ家だ。そんな家の当主に魔力ゼロだった者なんて未だかつていない。
この国は魔力ゼロの人が少なくて、あまり周りからいい目を向けられない。魔法が使えて当たり前、みんな口々にそう言うけれどその人たちの当たり前は僕らにとっての当たり前じゃない。それを言ったところでなかなか理解をしてもらえない。それもそうだ、当たり前のように息ができるのに僕らは「息ができない」と言っているようなものなんだから。
僕が跡継ぎになって、ノレッジ家は周りに何か言われないだろうか。厳しい眼差しを向けられないだろうか。今までは僕一人耐えればいい話だったけれど、ノレッジ家の人たちや使用人の人たちにまでそんな視線を向けられてしまう。それをわからないハイロの父親じゃないだろうに。
「そんな心配はするな。王子がお前のバックアップをしてくれるんだろう?」
「うん、そうだけど……」
「胸を張るといい。それだけの発明をしたのだから。アイビー様のこともあるし王子は全面的にお前を支援してくれるはずだ」
有名な話だ。王子の婚約者である人も魔力がないということは。周りから色んな声があるものの彼女はそれを実力でねじ伏せてきた。そして王子はそんな婚約者を溺愛している、とかなんとか。それは噂話で聞いた程度で本当かどうかなんて、僕はそこまで親しくないからわからないけれど。
「……ハイロ、実は君にお願いがあって会いにきたんだ」
今までのように魔力がなくても使える道具を作るために籠もっているだけ、なんてことがきっとできなくなる。他にもやりたいこと学びたいことあるけれどそれ以外もきっとやらんきゃいけない。
「君の知恵を貸してほしいんだ」
でもハイロほどの知恵があったら。もしかしたらこれは『甘え』なのかもしれないけれど、僕は全知全能というわけでもない。得意なこともあれば不得意なこともある。それをカバーしてくれる人材がほしかった。もちろん、王子にはこれでもかというほど頭を下げるつもりだ。
「……それによってハロルドの立場が悪くならないか」
「いいよどうせ元から立場がいいってわけじゃないし! 王子には何度も頭を下げてお願いするつもりだから!」
顎に手を当てて考えてる素振りを見せるハイロに、ドキドキしながら返答を待つ。しばらくすると、ハイロは小さく笑みを浮かべながら「俺も何度も頭を下げよう」と言ってくれた。
「ハロルド、気になることがあるんだろう?」
「そうなんだ……魔力についてなんだけど」
魔力ゼロの人間が魔力を持つことができるかどうかの研究をずっとやってきたけれど、それが実になることはなかった。元から持っていない者は何をどうやってもこれから持つことができない。
ただその研究の中で気になるデータが出てきた。
「魔力は歳を取るに連れて、枯渇していく」
「まさかとは思ったが……」
「あの膨大な魔力を持っている今の王だって、全盛期に比べて徐々に魔力が減っていっているみたいなんだ。元から魔力が多い人はいいよ? でもゼロでなくても少ない人だっている。その人たちが将来年老いたときに……」
魔法が使えるんだろうか? 当たり前のようにあったものが突然なくなったとき、戸惑わない人がいるんだろうか。突然魔力ゼロみたいなことを突きつけられて、周りにどんな目で見られるか。
「やっぱり魔力を使わない道具はこれからもっと必要になってくるんだよ」
そんな人たちが悲しい思いをしないように、もっと多くな色んなものを発明して開発していく必要がある。そのためにはハイロの知識だっているし、色んな人たちの助けだっている。
ハイロの視線を受けてハッとして、グッと握っていた手を下ろした。ついつい熱弁してしまって恥ずかしい。ちょっと縮こまっている僕にハイロは小さく微笑んだ。
「ハロルドのそういうところが王子は気に入ったんだろうな」
「え……?」
「謀略や策略など汚いものは俺に任せるといい。俺は慣れているし、何より二度も同じ術を喰らわない。ハロルドはただただ人々のために色んなものを開発してくれ」
ぽかん、と思わず口を開いてしまってそんな僕に「どうした?」とハイロは首を傾げてくる。
「いや……ちょっとびっくりしちゃって。王子もハイロとまったく同じことを言っていたんだ。『謀略や策略は僕に任せておけばいい』って」
「……! ……そうか」
少し俯いて小さく笑ったハイロの顔が、なんだかちょっと切なく見えた。
あんなことがなければきっと今頃ハイロはそのまま王子の傍で色んなものを学んで、そして王子を支えられる人物になっていたはずだったんだ。たった一人の魅了でハイロは人生を狂わされた。
僕は魅了の魔法を使った人間が憎くないのかと言われれば、そうではないとは言い切れないけれど。それでもやっぱり最終的に自分で決めたのはハイロだ。ハイロの詰めの甘さが最も重大な場面で出てしまったということだけだ。
「……頑張って一緒に王子に頭下げようね」
「そうだな……」
これは決してハイロのためじゃなく、将来の僕の開発のためのことだけれど。でもほんの少しだけハイロの助けにもなればいいなとお互い目を合わせて小さく頷いた。
立派な屋敷からわりと離れた場所に小さな別棟があって、「こちらです」と頭を下げた執事さんに同じようにペコリと頭を下げ扉を開ける。少し埃っぽいのは少し前まで物置として使われていたからなのかもしれない。部屋を見渡していた視線を中心部に戻せば、一箇所にだけ差し込まれている陽の光の下で探していた姿がそこにあった。
「ハイロ」
「……ああ、ハロルド。来たのか」
「うん」
様々な本が置かれているものの、この部屋全体に魔法がかかっているため魔法を使った実験はまったくできない状態だ。知識だけは蓄えられる部屋、だけれど彼は一体何度同じ本を読み返したのだろう。
カナット学園で何があったのかは聞いた。最初こそはあのハイロが、って疑ったけどそれだけ魅了の魔法が厄介だったんだろう。ハイロすらもかかってしまうなんて。魔法を使った人物の魔力が高かったのか、またはハイロがかかりやすい状況に陥っていたのかは僕にはわからない。
でも色々とやってしまったハイロがノレッジ家を追い出されることなくこうして離れに閉じ込められている理由は、彼は真っ先に自分の行いを悔いたからだ。何をしでかしてしまったのか理解した彼は自らノレッジ家から籍を外し罰せられようとしていた。
「ハイロは他の二人と比べていち早く気付いたようだからね。ほんの少しだけ慈悲を与えようかな」
そんなことを王子に言われたらしい。それから学園を追放された彼は魔力を封じられ尚且魔法の使えない部屋に閉じ込められ、ただただ何度も読み返した本を読んでいる日々を過ごしている。
「そんなにすごい魔力だった?」
「いいや、彼女の魔力自体はきっとそうでもなかった。けれど……慣れないことをするべきじゃなかったな」
「……欲しい言葉でもかけられた?」
「……そう、かもしれないな」
それはどんな言葉だったんだろうか。頼り甲斐がある? その知恵にとても助けられている? ノレッジ家はそうであるのが当たり前だから、ハイロほどの知識量があっても普通とされていて周りに褒められることなんてまずない。そこを浸け込まれたのかもしれない。
「情けないな。王子も認めてくださっていたというのに」
「……君は、勉強一筋で女性に対しての免疫があんまりなかったからね」
「はは……痛いところを突く」
知識があっても対処する方法を知っていても、弱点を突かれてしまえばどうしようもない。その対処を更に知っておけば問題なかったんだろうけれど、ハイロはそれを知らなかった。
ほんの少しの強かさが彼には足りなかった。
少し埃っぽい部屋の中に足を踏み入れ、空いている場所に腰を下ろす。小さい頃よくここでハイロと一緒に色んな本を読んだものだ。そのときはまだ魔法が使える部屋だったから、ハイロが色々と見せてくれた。
お互い兄弟がいなくて、ほんの少し歳の離れたハイロは僕にとっては兄のような存在だった。物知りで、色んなことを教えてくれて。
「……本家の養子になることが決まったんだ」
「……そうか。ハロルドが跡継ぎになるんだな」
「そうだね。でも……ほんのちょっとだけ、僕でいいのかなって思っちゃうよ」
自分の指を絡ませて、視線を落とす。だって、僕。
「魔力がないんだもん」
色んな魔術師や研究者を輩出しているノレッジ家だ。そんな家の当主に魔力ゼロだった者なんて未だかつていない。
この国は魔力ゼロの人が少なくて、あまり周りからいい目を向けられない。魔法が使えて当たり前、みんな口々にそう言うけれどその人たちの当たり前は僕らにとっての当たり前じゃない。それを言ったところでなかなか理解をしてもらえない。それもそうだ、当たり前のように息ができるのに僕らは「息ができない」と言っているようなものなんだから。
僕が跡継ぎになって、ノレッジ家は周りに何か言われないだろうか。厳しい眼差しを向けられないだろうか。今までは僕一人耐えればいい話だったけれど、ノレッジ家の人たちや使用人の人たちにまでそんな視線を向けられてしまう。それをわからないハイロの父親じゃないだろうに。
「そんな心配はするな。王子がお前のバックアップをしてくれるんだろう?」
「うん、そうだけど……」
「胸を張るといい。それだけの発明をしたのだから。アイビー様のこともあるし王子は全面的にお前を支援してくれるはずだ」
有名な話だ。王子の婚約者である人も魔力がないということは。周りから色んな声があるものの彼女はそれを実力でねじ伏せてきた。そして王子はそんな婚約者を溺愛している、とかなんとか。それは噂話で聞いた程度で本当かどうかなんて、僕はそこまで親しくないからわからないけれど。
「……ハイロ、実は君にお願いがあって会いにきたんだ」
今までのように魔力がなくても使える道具を作るために籠もっているだけ、なんてことがきっとできなくなる。他にもやりたいこと学びたいことあるけれどそれ以外もきっとやらんきゃいけない。
「君の知恵を貸してほしいんだ」
でもハイロほどの知恵があったら。もしかしたらこれは『甘え』なのかもしれないけれど、僕は全知全能というわけでもない。得意なこともあれば不得意なこともある。それをカバーしてくれる人材がほしかった。もちろん、王子にはこれでもかというほど頭を下げるつもりだ。
「……それによってハロルドの立場が悪くならないか」
「いいよどうせ元から立場がいいってわけじゃないし! 王子には何度も頭を下げてお願いするつもりだから!」
顎に手を当てて考えてる素振りを見せるハイロに、ドキドキしながら返答を待つ。しばらくすると、ハイロは小さく笑みを浮かべながら「俺も何度も頭を下げよう」と言ってくれた。
「ハロルド、気になることがあるんだろう?」
「そうなんだ……魔力についてなんだけど」
魔力ゼロの人間が魔力を持つことができるかどうかの研究をずっとやってきたけれど、それが実になることはなかった。元から持っていない者は何をどうやってもこれから持つことができない。
ただその研究の中で気になるデータが出てきた。
「魔力は歳を取るに連れて、枯渇していく」
「まさかとは思ったが……」
「あの膨大な魔力を持っている今の王だって、全盛期に比べて徐々に魔力が減っていっているみたいなんだ。元から魔力が多い人はいいよ? でもゼロでなくても少ない人だっている。その人たちが将来年老いたときに……」
魔法が使えるんだろうか? 当たり前のようにあったものが突然なくなったとき、戸惑わない人がいるんだろうか。突然魔力ゼロみたいなことを突きつけられて、周りにどんな目で見られるか。
「やっぱり魔力を使わない道具はこれからもっと必要になってくるんだよ」
そんな人たちが悲しい思いをしないように、もっと多くな色んなものを発明して開発していく必要がある。そのためにはハイロの知識だっているし、色んな人たちの助けだっている。
ハイロの視線を受けてハッとして、グッと握っていた手を下ろした。ついつい熱弁してしまって恥ずかしい。ちょっと縮こまっている僕にハイロは小さく微笑んだ。
「ハロルドのそういうところが王子は気に入ったんだろうな」
「え……?」
「謀略や策略など汚いものは俺に任せるといい。俺は慣れているし、何より二度も同じ術を喰らわない。ハロルドはただただ人々のために色んなものを開発してくれ」
ぽかん、と思わず口を開いてしまってそんな僕に「どうした?」とハイロは首を傾げてくる。
「いや……ちょっとびっくりしちゃって。王子もハイロとまったく同じことを言っていたんだ。『謀略や策略は僕に任せておけばいい』って」
「……! ……そうか」
少し俯いて小さく笑ったハイロの顔が、なんだかちょっと切なく見えた。
あんなことがなければきっと今頃ハイロはそのまま王子の傍で色んなものを学んで、そして王子を支えられる人物になっていたはずだったんだ。たった一人の魅了でハイロは人生を狂わされた。
僕は魅了の魔法を使った人間が憎くないのかと言われれば、そうではないとは言い切れないけれど。それでもやっぱり最終的に自分で決めたのはハイロだ。ハイロの詰めの甘さが最も重大な場面で出てしまったということだけだ。
「……頑張って一緒に王子に頭下げようね」
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