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1、 恋人
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「慎二!また女の子と帰ったでしょ!俺、ずっーーと!待ってたのに!」
「え?あ、ごめん」
「明日は絶対に一緒に帰るから!」
「はいはい」
(絶対,話聞いてないな)
俺はため息をついた。慎二とは幼稚園からの幼馴染でもあり、付き合って半年の恋人でもある。
俺が猛アタックして付き合ったものの、慎二は俺には興味がないらしく、女の子とばかり話している。
俺たちの関係は皆んなには秘密。それのせいなのか、慎二の周りには女の子が沢山。
「慎二…俺のこと嫌い?」
「え?」
今日、慎二が女の子と楽しそうに帰っていたのを思い出した。涙が出てきそうだ。
「嫌いなんでしょ…俺のこと」
「…フフ、そんなわけないじゃん」
少し間を開けて慎二はそう言うと、俺の頬を撫でてキスを誘う。
「本当?俺のこと好き?」
「うん、まぁね」
(あぁ、また…はぐらかされてしまったのだろうか)
だが、今は慎二に触れていたい。俺は慎二の首に手を回してキスをした。
「あ、慎二!って……」
朝、登校路を歩いていると目の前には慎二と3人の女の子が歩いていた。
「…あれって、うちのクラスのマドンナじゃん」
高橋かれん。彼女は勉強ができて運動もできて可愛いくて優しいという、なんとも完璧な女の子だ。
1日に5人に告られ全部振り、彼氏はいないらしい。
って、なんで俺が説明してるんだ?
「うーん…話しかけない方がいいかな」
「あれ?佐藤?」
「え?」
慎二を電柱から隠れて見ていると、話しかけられて、慌てて後ろを振り向くとそこにはクラスメイトの七瀬がいた。
「あ、七瀬」
「佐藤って家こっちだったんだ」
「う、うん…」
(ヤバい、何話せばいいんだろう…気まずい)
なんだか、2人で登校するかんじになってしまった。
「佐藤ってさ、いつも西山のこと見てるよな」
「え?慎二を?」
「うん、仲良いんだね?」
「うん…でも、慎二はいつも女の子といるから」
「確かに!羨ましいなぁ。高橋さんとも仲良いし」
七瀬はそれからどんどん喋ってくれる。
俺は友達とか少ないし、あんまり人とも喋んないのでこうやって一方的に話してくれるのは楽だ。
「それでね、あいつさ派手に転んで皆んな大爆笑!俺もさ笑いすぎて腹が痛かったよ」
「フフ、面白いね」
「……」
少し笑って返事をすると、七瀬は急に黙ってしまった。
すると、俺の方を向いてほっぺをムニってされた。
「へ?」
「佐藤!」
「ひ、ひゃい!」
「お前、もっと笑った方がいいよ!」
そういうと、七瀬は急に変顔をした。
「プッ!フフ…フフフ」
「あ、笑った!可愛い」
「フフ、なに急に?七瀬って面白いんだね」
「そ、そう?なんか喜んでもらえて良かったです…」
急によそよそしくなった七瀬。それにすら俺は笑ってしまう。
なんだか、久しぶりにこんなに笑った気がする。
「ありがとう、七瀬」
「へ?」
「なんか元気出た」
七瀬はポカンとした。すると、顔を隠して小声でブツブツ言い始めた。だが俺は特に気にせずにそのまま校舎に入っていった。
「え?あ、ごめん」
「明日は絶対に一緒に帰るから!」
「はいはい」
(絶対,話聞いてないな)
俺はため息をついた。慎二とは幼稚園からの幼馴染でもあり、付き合って半年の恋人でもある。
俺が猛アタックして付き合ったものの、慎二は俺には興味がないらしく、女の子とばかり話している。
俺たちの関係は皆んなには秘密。それのせいなのか、慎二の周りには女の子が沢山。
「慎二…俺のこと嫌い?」
「え?」
今日、慎二が女の子と楽しそうに帰っていたのを思い出した。涙が出てきそうだ。
「嫌いなんでしょ…俺のこと」
「…フフ、そんなわけないじゃん」
少し間を開けて慎二はそう言うと、俺の頬を撫でてキスを誘う。
「本当?俺のこと好き?」
「うん、まぁね」
(あぁ、また…はぐらかされてしまったのだろうか)
だが、今は慎二に触れていたい。俺は慎二の首に手を回してキスをした。
「あ、慎二!って……」
朝、登校路を歩いていると目の前には慎二と3人の女の子が歩いていた。
「…あれって、うちのクラスのマドンナじゃん」
高橋かれん。彼女は勉強ができて運動もできて可愛いくて優しいという、なんとも完璧な女の子だ。
1日に5人に告られ全部振り、彼氏はいないらしい。
って、なんで俺が説明してるんだ?
「うーん…話しかけない方がいいかな」
「あれ?佐藤?」
「え?」
慎二を電柱から隠れて見ていると、話しかけられて、慌てて後ろを振り向くとそこにはクラスメイトの七瀬がいた。
「あ、七瀬」
「佐藤って家こっちだったんだ」
「う、うん…」
(ヤバい、何話せばいいんだろう…気まずい)
なんだか、2人で登校するかんじになってしまった。
「佐藤ってさ、いつも西山のこと見てるよな」
「え?慎二を?」
「うん、仲良いんだね?」
「うん…でも、慎二はいつも女の子といるから」
「確かに!羨ましいなぁ。高橋さんとも仲良いし」
七瀬はそれからどんどん喋ってくれる。
俺は友達とか少ないし、あんまり人とも喋んないのでこうやって一方的に話してくれるのは楽だ。
「それでね、あいつさ派手に転んで皆んな大爆笑!俺もさ笑いすぎて腹が痛かったよ」
「フフ、面白いね」
「……」
少し笑って返事をすると、七瀬は急に黙ってしまった。
すると、俺の方を向いてほっぺをムニってされた。
「へ?」
「佐藤!」
「ひ、ひゃい!」
「お前、もっと笑った方がいいよ!」
そういうと、七瀬は急に変顔をした。
「プッ!フフ…フフフ」
「あ、笑った!可愛い」
「フフ、なに急に?七瀬って面白いんだね」
「そ、そう?なんか喜んでもらえて良かったです…」
急によそよそしくなった七瀬。それにすら俺は笑ってしまう。
なんだか、久しぶりにこんなに笑った気がする。
「ありがとう、七瀬」
「へ?」
「なんか元気出た」
七瀬はポカンとした。すると、顔を隠して小声でブツブツ言い始めた。だが俺は特に気にせずにそのまま校舎に入っていった。
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