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メランコリックアンドロメダ
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この時間が好きだ。
ハーゲンダッツの容器を指で押すと凹み、食べ頃の合図になる。夜十時の喧騒が消えた空気感に、贅沢が相まるとたまらなく幸せを感じるのはなんだか社畜っぽいなとも感じてしまう。とはいえ基本在宅勤務が主で、残業なんてほとんどないが。一日の終わりにこうやって小さな楽しみを作らないとやって行けないのも本当だ。
私、花房 希(はなぶさ のぞみ) は二十五歳社会人。友達なし、恋人なし、家族とも疎遠。上京してきた身なので話す人と言えば会社関係の人くらい。そのうえ在宅勤務なので誰とも会話をせず一日が終わることが多いので、最近は人間としての尊厳が危ういと危惧している。
そんな私の楽しみはハーゲンダッツを食べながら「推し活」をする時間。ベランダに出て夜風に当たりながら、iPadで推しの配信や番組を観るのが至福だ。配信なんて部屋で見ればいいんだけど、なんとなくその方が東京の女感があってオシャレでいいなと思ってやっている。背伸びして東京を演じているのが凄くダサいのは薄々承知の上だ。
東京は朧月夜が良く似合う。本当は美しいものなのに、余計な物が入り交じって汚く思える。それでも月が綺麗だから、憧れの存在だから人が集まるのだろうと。
なんて感傷的なことを思っている間に、推しの配信が始まった。今日はスタジオを使ってコメント欄で拾った曲を即興で歌う、といった内容だ。
私の推しは「アンドロメダ」という男性の歌い手。年齢不詳、素性不明。人前に出る時は目元だけひょっとこのお面を付けている。ミステリアスなのに話すと関西弁で親しみやすく、その上ファンのことをしっかり覚えていて沼る要素しかない。歌声は普段の少し高い声からは想像できない低音ボイス。
今日も彼はコメントを読み上げる。カメラの方に八重歯をよく見せて笑いかけるのがたまらなく可愛い。その笑顔を見ながら一口ハーゲンダッツを放り込むと、バニラの甘くてとろける香りに包まれ、食べるのが進む。
私はコメント欄にフリック入力して希望の曲を書き出す。同接五千人……か。少しずつファンも増えてて昔みたいにほぼコメントを読まれることも難しくなってきた。
「そや、今から皆でクイズしよや」
彼は唐突にそう言った。
「俺が一番好きな曲、当てられた子にとびきりのファンサしたるで」
というと彼は八重歯を強調するようにニコっと笑いかけ、ピックを持て余しながらコメントを追っていく。
アンドロメダが気まぐれにそんなことすることなんてそうそう無い。余程上機嫌なのかもしれない。そんなところも可愛い。推せる。
コメント欄にはさっきよりも早いスピードで文字が現れては消えていく。だがしかし一向に正解者は現れない。
おそらく正解を知っているのは私だけだろう。
私は余裕綽々と入力を始める。
実は私とアンドロメダは同級生で、同じクラスだったのだ。そして私はアンドロメダと割と仲の良い方だった。そして雑談しているときに零していた言葉を今でも覚えているのだ。
『ゆずの夏色 ですよね!』
彼のことは学生時代から好きだった。けど彼は昔から人気者で、とてもじゃないけど私なんかが付き合える様な人ではなかった。その想いのままたまたま彼をネットで見つけて、今では一ファンとして彼を推している。
一度だけ、星の見える丘で夜に二人、アンドロメダ座を見に行った。彼が星が好きで私を誘ってくれたのだ。それが彼の名前の由来なのなら、彼は私のこと、覚えているだろうか……。何度かDMで送ったことがあるが、返信は未だないけど、淡い期待は拭えない。
「おっ! 正解者出たで! えっと、ハナブーさん……」
私のコメントに気がついてくれたみたいだ。だか彼は少し気まずそうに途、中で読むのをやめ、故意にカメラから外れる。何やらスタッフと話しているみたいだが、なんと言っているかは分からない。コメントはさっきより勢いを増していく。
「いやみんな悪いな! ちょっと俺、これで今日の配信終わらなあかんくなった……」
アンドロメダは両手を合わせて謝り、そのまま配信を終わらせてしまった。突然終わった配信に、コメント欄も盛り上がりを見せた。
『は? 急すぎなんで?』
『説明もなく終わるの?』
そんなコメントで溢れかえっていた。私もせっかく正解したのにファンサを貰い損ねるという、ぬか喜びをして終わり怒りが収まらない。
「嘘つき……」
私は怒りのまま空のハーゲンダッツのカップをベランダから投げた。軽くてボールみたいにまっすぐ飛ばずに、不規則な曲がり方をして墜落した。
別の日、給料日だったこともありアンドロメダの配信に、いつもより多めのスパチャを投げた。「赤スパ」と呼ばれる高額をだ。
いつもなら彼はスパチャを投げたら必ず読み上げてくれる。どんなに低い金額でも。
なのに私のコメントだけ、読み上げられなかった。こんなに高額スパチャしてんのに信じられない。
また違う日には、同接数が少なく、ほぼ確実にコメントが読まれるような時も、何度コメントしても読み上げてくれない。おかしい。意図的に避けられている。どうして。どうしてどうしてどうして。
私は何をしても報われない虚しさと、避けられている怒りでどうにかなりそうだった。
私はもう、限界だった——
**
深夜のスタジオはしんと静まり帰っていて、東京と切り離されたみたいだ。
俺は配信を終了して、ギターをケースにしまっていた。
「そういえば、今日も来てましたね、ハナブー」
若いスタッフが呆れ笑いを浮かべながら俺に話しかける。
「あの人、凄いですよね」
「まあな」
「学生時代同じクラスで、アンドロメダさんの友達以上恋人未満なんでしたっけ」
「ちょ、やめろやっ」
「星が綺麗な丘に連れて行かれて、アンドロメダ座を見たんでしたっけ」
「ほんま、しばくで」
スタッフはちょこちょこ俺の熱狂的なファンのことを弄ってくる。
ハナブーというファンは少々イタい感じの子だった。学生時代に俺とよくつるんでたみたいな設定を彼女の中で作り上げているのだ。そういう妄想癖がすごい子はそれなりにいるが、彼女はかなりひどい。正直お金を貰ってもファンサをしたくない。怖い。
「でも、あんまりオキラしてると他のファンにも言われちゃいますから、露骨に避けるのそろそろやめた方がいいですからね」
スタッフはじゃ、と言ってスタジオを後にした。確かにそうなんやけど……、でも怖いねんなぁ。プロである以上お金を貰ってるなら平等に接するべきなんやろうけど、ありもしない事実を一方的に話されても、嫌悪感しかないねんな。
「はぁー、帰ろ帰ろ」
ギターケースを持って、スタジオの電気を消す。
パチッ。
さっきまでの空間が一気に暗闇に包まれる。
背を向け数歩歩き出したとき。何かに見られている気がした。
素早く振り向く。だが誰もいない。
ひた……ひた……
何かの足音が聞こえる。水気がある音。裸足なのだろうか。でも何処から近づいてきているのか分からない。
「だ、誰や!」
俺は恐怖で電気をつけようとする。が、焦っていつもの壁のスイッチにたどり着かない。
ひた……ひた……
音はどんどん近づいてくる。俺は手探りにスイッチを探す。息が浅くなり呼吸が乱れる。見つからない見つからない、早く、スイッチを……!
パチッ。
暖色の光。一瞬眩さに目を瞑る。薄々と目を開けるが、スタジオには誰もいない。
よかった、気の所為やんな……。
安堵と共に俺は向きを変えた時、
「こんばんは」
心臓がギュッと握りしめられたかのように俺は驚いた。背後には小柄な女性が微笑んでいた。
「ハナブーです。ご存知です?」
あまり手入れされていない髪を弄りながら彼女はそう自己紹介した。ハナブー……。あのハナブー……? まずい、俺仮面今被ってないんやけど。てか不法侵入やんか。スタッフみんな帰ってしもたんか? ガバガバやないか。
俺より身長が低くて、体格も小さくて、普通だったら襲われたら勝てるはずなのに、身体が少しも動かない。なんでや、俺は恐怖で何も出来ない。
「私との思い出、大事じゃないの? スタッフさんに言われてたね。私、悲しいな」
あ……? この女、さっきの話聞いてたんか?
「それならね、ずっと忘れられないようにさ、」
「あなたの胸に"刻んで"あげる」
*
次の日、世間ではとあるニュースが話題になった。
『本日未明、東京都杉並区の音楽スタジオで、シンガーソングライターのアンドロメダこと星野陽介さんが殺害される事件がありました。犯人は未だ不明で、警察は行方を追っています』
『警察によりますと、星野さんの胸には複数の刺し跡があり、まるでアンドロメダ座のようになっていたとの事です』
ハーゲンダッツの容器を指で押すと凹み、食べ頃の合図になる。夜十時の喧騒が消えた空気感に、贅沢が相まるとたまらなく幸せを感じるのはなんだか社畜っぽいなとも感じてしまう。とはいえ基本在宅勤務が主で、残業なんてほとんどないが。一日の終わりにこうやって小さな楽しみを作らないとやって行けないのも本当だ。
私、花房 希(はなぶさ のぞみ) は二十五歳社会人。友達なし、恋人なし、家族とも疎遠。上京してきた身なので話す人と言えば会社関係の人くらい。そのうえ在宅勤務なので誰とも会話をせず一日が終わることが多いので、最近は人間としての尊厳が危ういと危惧している。
そんな私の楽しみはハーゲンダッツを食べながら「推し活」をする時間。ベランダに出て夜風に当たりながら、iPadで推しの配信や番組を観るのが至福だ。配信なんて部屋で見ればいいんだけど、なんとなくその方が東京の女感があってオシャレでいいなと思ってやっている。背伸びして東京を演じているのが凄くダサいのは薄々承知の上だ。
東京は朧月夜が良く似合う。本当は美しいものなのに、余計な物が入り交じって汚く思える。それでも月が綺麗だから、憧れの存在だから人が集まるのだろうと。
なんて感傷的なことを思っている間に、推しの配信が始まった。今日はスタジオを使ってコメント欄で拾った曲を即興で歌う、といった内容だ。
私の推しは「アンドロメダ」という男性の歌い手。年齢不詳、素性不明。人前に出る時は目元だけひょっとこのお面を付けている。ミステリアスなのに話すと関西弁で親しみやすく、その上ファンのことをしっかり覚えていて沼る要素しかない。歌声は普段の少し高い声からは想像できない低音ボイス。
今日も彼はコメントを読み上げる。カメラの方に八重歯をよく見せて笑いかけるのがたまらなく可愛い。その笑顔を見ながら一口ハーゲンダッツを放り込むと、バニラの甘くてとろける香りに包まれ、食べるのが進む。
私はコメント欄にフリック入力して希望の曲を書き出す。同接五千人……か。少しずつファンも増えてて昔みたいにほぼコメントを読まれることも難しくなってきた。
「そや、今から皆でクイズしよや」
彼は唐突にそう言った。
「俺が一番好きな曲、当てられた子にとびきりのファンサしたるで」
というと彼は八重歯を強調するようにニコっと笑いかけ、ピックを持て余しながらコメントを追っていく。
アンドロメダが気まぐれにそんなことすることなんてそうそう無い。余程上機嫌なのかもしれない。そんなところも可愛い。推せる。
コメント欄にはさっきよりも早いスピードで文字が現れては消えていく。だがしかし一向に正解者は現れない。
おそらく正解を知っているのは私だけだろう。
私は余裕綽々と入力を始める。
実は私とアンドロメダは同級生で、同じクラスだったのだ。そして私はアンドロメダと割と仲の良い方だった。そして雑談しているときに零していた言葉を今でも覚えているのだ。
『ゆずの夏色 ですよね!』
彼のことは学生時代から好きだった。けど彼は昔から人気者で、とてもじゃないけど私なんかが付き合える様な人ではなかった。その想いのままたまたま彼をネットで見つけて、今では一ファンとして彼を推している。
一度だけ、星の見える丘で夜に二人、アンドロメダ座を見に行った。彼が星が好きで私を誘ってくれたのだ。それが彼の名前の由来なのなら、彼は私のこと、覚えているだろうか……。何度かDMで送ったことがあるが、返信は未だないけど、淡い期待は拭えない。
「おっ! 正解者出たで! えっと、ハナブーさん……」
私のコメントに気がついてくれたみたいだ。だか彼は少し気まずそうに途、中で読むのをやめ、故意にカメラから外れる。何やらスタッフと話しているみたいだが、なんと言っているかは分からない。コメントはさっきより勢いを増していく。
「いやみんな悪いな! ちょっと俺、これで今日の配信終わらなあかんくなった……」
アンドロメダは両手を合わせて謝り、そのまま配信を終わらせてしまった。突然終わった配信に、コメント欄も盛り上がりを見せた。
『は? 急すぎなんで?』
『説明もなく終わるの?』
そんなコメントで溢れかえっていた。私もせっかく正解したのにファンサを貰い損ねるという、ぬか喜びをして終わり怒りが収まらない。
「嘘つき……」
私は怒りのまま空のハーゲンダッツのカップをベランダから投げた。軽くてボールみたいにまっすぐ飛ばずに、不規則な曲がり方をして墜落した。
別の日、給料日だったこともありアンドロメダの配信に、いつもより多めのスパチャを投げた。「赤スパ」と呼ばれる高額をだ。
いつもなら彼はスパチャを投げたら必ず読み上げてくれる。どんなに低い金額でも。
なのに私のコメントだけ、読み上げられなかった。こんなに高額スパチャしてんのに信じられない。
また違う日には、同接数が少なく、ほぼ確実にコメントが読まれるような時も、何度コメントしても読み上げてくれない。おかしい。意図的に避けられている。どうして。どうしてどうしてどうして。
私は何をしても報われない虚しさと、避けられている怒りでどうにかなりそうだった。
私はもう、限界だった——
**
深夜のスタジオはしんと静まり帰っていて、東京と切り離されたみたいだ。
俺は配信を終了して、ギターをケースにしまっていた。
「そういえば、今日も来てましたね、ハナブー」
若いスタッフが呆れ笑いを浮かべながら俺に話しかける。
「あの人、凄いですよね」
「まあな」
「学生時代同じクラスで、アンドロメダさんの友達以上恋人未満なんでしたっけ」
「ちょ、やめろやっ」
「星が綺麗な丘に連れて行かれて、アンドロメダ座を見たんでしたっけ」
「ほんま、しばくで」
スタッフはちょこちょこ俺の熱狂的なファンのことを弄ってくる。
ハナブーというファンは少々イタい感じの子だった。学生時代に俺とよくつるんでたみたいな設定を彼女の中で作り上げているのだ。そういう妄想癖がすごい子はそれなりにいるが、彼女はかなりひどい。正直お金を貰ってもファンサをしたくない。怖い。
「でも、あんまりオキラしてると他のファンにも言われちゃいますから、露骨に避けるのそろそろやめた方がいいですからね」
スタッフはじゃ、と言ってスタジオを後にした。確かにそうなんやけど……、でも怖いねんなぁ。プロである以上お金を貰ってるなら平等に接するべきなんやろうけど、ありもしない事実を一方的に話されても、嫌悪感しかないねんな。
「はぁー、帰ろ帰ろ」
ギターケースを持って、スタジオの電気を消す。
パチッ。
さっきまでの空間が一気に暗闇に包まれる。
背を向け数歩歩き出したとき。何かに見られている気がした。
素早く振り向く。だが誰もいない。
ひた……ひた……
何かの足音が聞こえる。水気がある音。裸足なのだろうか。でも何処から近づいてきているのか分からない。
「だ、誰や!」
俺は恐怖で電気をつけようとする。が、焦っていつもの壁のスイッチにたどり着かない。
ひた……ひた……
音はどんどん近づいてくる。俺は手探りにスイッチを探す。息が浅くなり呼吸が乱れる。見つからない見つからない、早く、スイッチを……!
パチッ。
暖色の光。一瞬眩さに目を瞑る。薄々と目を開けるが、スタジオには誰もいない。
よかった、気の所為やんな……。
安堵と共に俺は向きを変えた時、
「こんばんは」
心臓がギュッと握りしめられたかのように俺は驚いた。背後には小柄な女性が微笑んでいた。
「ハナブーです。ご存知です?」
あまり手入れされていない髪を弄りながら彼女はそう自己紹介した。ハナブー……。あのハナブー……? まずい、俺仮面今被ってないんやけど。てか不法侵入やんか。スタッフみんな帰ってしもたんか? ガバガバやないか。
俺より身長が低くて、体格も小さくて、普通だったら襲われたら勝てるはずなのに、身体が少しも動かない。なんでや、俺は恐怖で何も出来ない。
「私との思い出、大事じゃないの? スタッフさんに言われてたね。私、悲しいな」
あ……? この女、さっきの話聞いてたんか?
「それならね、ずっと忘れられないようにさ、」
「あなたの胸に"刻んで"あげる」
*
次の日、世間ではとあるニュースが話題になった。
『本日未明、東京都杉並区の音楽スタジオで、シンガーソングライターのアンドロメダこと星野陽介さんが殺害される事件がありました。犯人は未だ不明で、警察は行方を追っています』
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