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1章 幽霊屋敷な事件
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「うーん。原因の心当たりはないですねぇ」
ここ一年程体調が悪いと言う一人、白髪頭の庭師は首を捻る。
「吐いたり腹を下したり怠かったり。でも年だから色々弱ってるんだろうと言われると、あぁそうかもって気もしてくるし」
ベルティーナに向かい、自信なさげに眉尻を下げる。
ベルティーナはここ数日、あちこち調べ回っている。
人に話を聞いたり、おかしなことが起こっている現場を見に行ったり、図面を確認して計算したり。
相棒のエルンストと一緒に歩き回っていると、ベルティーナの赤毛、エルンストの金髪と青い制服で赤青黄色と賑やかな色でよく目立つ。
床に這いつくばったり、屋根に上ったりしていたかと思ったら、庭で食器を掲げて踊っていた。
ぎょっとした使用人達が、二人に付き添っている執事に助けを求めるように視線を送るが、彼は口元を少し引きつらせつつ厳かに頷くだけだった。
◇◆◇◆◇◆
ベルティーナは体調を崩した一人、伯爵の令嬢を訪ねた。基本的には健康なのだが、時に庭師と似たような症状が出ることがあり、今日もそれで部屋で休んでいるとのこと。
10歳とはいえレディの寝室なので、エルンストは外で待機しベルティーナと侍女だけ部屋に入った。
「エリザベートです。『理系屋さん』のお噂はかねがね。本当にズボンをお召しなんですね」
どんな噂だ。詳細は聞かないことにしようとベルティーナは心に決める。
ベッドの上に座る幼い美少女は、見た目は金色の波打つ髪に碧の目の儚げな妖精のようだが、貴族としての教育の賜物か、背筋を伸ばし綺麗な発音で整然とベルティーナの質問に答えた。
やはり庭師と同様、原因の心当たりを思い付かないらしい。
水や食べ物が原因なら屋敷の大半の者に症状が出てもおかしくないのに、あとは一部のメイドなど患者が限られている。
似た症状でも他の原因の可能性もある、とベルティーナは心のメモに書き込む。
ベルティーナがふと部屋の中に目をやると、書きかけの水彩画があった。
「絵がお好きなのですか」
「水彩画は貴族の淑女の教養の一つなので教師がついているのですが、私には向かないようで正直あまり興味を持てません。それより、貴女のお仕事の方が面白そうです。前から『理系屋さん』とお話してみたかったんです」
エリザベートは純真に目をキラキラさせてベルティーナを見つめる。どうやら『噂』は美化された方向性らしい。
ひょっとして、自分のような庶民がお嬢様と対談できたのは、お嬢様の要望もあったのだろうか。
ベルティーナは内心冷や汗をかく。
「取り立てて話せるようなことは……」
「何か『理系屋さん』ならではのお話を!……だめでしょうか?」
しゅーんとして眉尻を下げると、学生寮にいたモフモフ犬の『帰っちゃうの?』という悲しげな顔に重なった。ふわふわの金の髪にぺたんと倒れた犬耳が見えた。
これはモフモフ好きとして応えねばならんだろう、とベルティーナは謎の使命感に駆られる。
何が話せるだろう……と苦し紛れに辺りを見回し、小物を飾った棚に独楽(コマ)を見つけた。
木の円盤の真ん中に真っ直ぐな木の軸を差しただけの素朴な独楽だ。
「あの独楽は何か謂れのあるものですか?」
「いえ、街で普通の子供達が遊んでいる玩具と聞いてます。たまたま入手しまして、気に入ったので」
年少の使用人か誰かに貰ったのだろうか。
「あの独楽をお借りしてもいいですか?あと、恐縮ですが紙と鋏と絵の具も」
侍女が持ってきてくれた鋏を使い、紙を独楽の円盤と同じ大きさに丸く切る。ホールケーキを8等分にするように放射状に線を引き、1ピース毎に交互に黄緑色と赤を塗る。中心に穴を開け独楽の軸に差して円盤に載せる。
「この独楽を回すと、何色に見えると思いますか?」
「緑と赤が重なって見えるから黒でしょう?反対色だから両方混ざると黒。絵画の先生に習ったわ。少し色の調子はずれるかもしれないけど、それに近い色」
「では回してみましょう」
令嬢が座ったベッドからも見えるようサイドボードの上で回して見せる。
「……え?黄色?!」
綺麗な碧色の目が丸くなって瞬く。
「お嬢様は絵画で『色の三原色』を習ったかと思います。赤、青、黄色。3つ足すと黒です。お嬢様が仰ったように、絵の具の赤と緑を足しても黒になります」
実際にやると灰色とかになるが、原理はその通りだ。
「それとは別に『光の三原色』があります。赤、紺色、緑の3つです。
今回の場合、独楽の色という光を私達の目がどう受け止めるかなので、『色の三原色』でなく『光の三原色』の話になります。
そして、私達人間の目は、赤と緑の光を同時に見ると、黄色と感じる不思議な仕組みになっているのです」
見た目ではっきり色が変わって不思議に見えるので、これは素人目にも楽しい実験だ。だから選んでみた。
説明については、退屈そうにしていたらここまでで止めようと思っていたが、ますます目を輝かせ食い入るように聞いているので、更に踏み込んだ所まで話すことにする。少し難しい話になるのでゆっくり話す。
「人間の目には色を感じる『錐体(すいたい)』という細胞があります。それぞれ赤・緑・青を感じる3種類の錐体です。ーー個人差もありますが大雑把には。
これが光を受けて反応します。
この3つの錐体の反応のバランスで、私達は色を認識します。赤い光を受けると、赤の錐体だけ反応するので赤と認識する、というように。
黄色い光を受けると、人は黄色に対応する錐体を持ちませんが、代わりに赤と緑の錐体の両方が反応します。それを私達の目は黄色と解釈する仕組みとなっています。
ところがこの独楽のように、赤と緑の両方を同時に見ると、赤と緑の錐体が反応するので、それも私達の目は『黄色』と解釈してしまうのです」
錐体の話までは子供には難しすぎるだろうか、とも思ったが、こういうことこそ科学のワクワクする面白さだとベルティーナは思うので、話してみた。
そしてーーとベルティーナは思う。
自分の目に見えているものは『事実』そのものとは限らず、自分自身の目の仕組みによる『解釈』かもしれない。
その視点を持つことは、彼女が今後貴族としてーー人の上に立つ者として生きる上で、きっとこの先プラスになるだろう。
ーーそれから部屋にはいくつも紙の円盤が散らばった。
紺色と黄緑の独楽は明るい水色になり、紺色と赤の独楽はピンク色。3つ揃えば白。色を塗るピースの形を変えるとどうなる?
エリザベートは好奇心が満たされる興奮で頬を赤く染め、手を叩いて素朴な独楽に見入った。
貴族のレディでも妖精でもなく、一人の好奇心溢れる10歳の子供として、とても楽しそうだった。
ここ一年程体調が悪いと言う一人、白髪頭の庭師は首を捻る。
「吐いたり腹を下したり怠かったり。でも年だから色々弱ってるんだろうと言われると、あぁそうかもって気もしてくるし」
ベルティーナに向かい、自信なさげに眉尻を下げる。
ベルティーナはここ数日、あちこち調べ回っている。
人に話を聞いたり、おかしなことが起こっている現場を見に行ったり、図面を確認して計算したり。
相棒のエルンストと一緒に歩き回っていると、ベルティーナの赤毛、エルンストの金髪と青い制服で赤青黄色と賑やかな色でよく目立つ。
床に這いつくばったり、屋根に上ったりしていたかと思ったら、庭で食器を掲げて踊っていた。
ぎょっとした使用人達が、二人に付き添っている執事に助けを求めるように視線を送るが、彼は口元を少し引きつらせつつ厳かに頷くだけだった。
◇◆◇◆◇◆
ベルティーナは体調を崩した一人、伯爵の令嬢を訪ねた。基本的には健康なのだが、時に庭師と似たような症状が出ることがあり、今日もそれで部屋で休んでいるとのこと。
10歳とはいえレディの寝室なので、エルンストは外で待機しベルティーナと侍女だけ部屋に入った。
「エリザベートです。『理系屋さん』のお噂はかねがね。本当にズボンをお召しなんですね」
どんな噂だ。詳細は聞かないことにしようとベルティーナは心に決める。
ベッドの上に座る幼い美少女は、見た目は金色の波打つ髪に碧の目の儚げな妖精のようだが、貴族としての教育の賜物か、背筋を伸ばし綺麗な発音で整然とベルティーナの質問に答えた。
やはり庭師と同様、原因の心当たりを思い付かないらしい。
水や食べ物が原因なら屋敷の大半の者に症状が出てもおかしくないのに、あとは一部のメイドなど患者が限られている。
似た症状でも他の原因の可能性もある、とベルティーナは心のメモに書き込む。
ベルティーナがふと部屋の中に目をやると、書きかけの水彩画があった。
「絵がお好きなのですか」
「水彩画は貴族の淑女の教養の一つなので教師がついているのですが、私には向かないようで正直あまり興味を持てません。それより、貴女のお仕事の方が面白そうです。前から『理系屋さん』とお話してみたかったんです」
エリザベートは純真に目をキラキラさせてベルティーナを見つめる。どうやら『噂』は美化された方向性らしい。
ひょっとして、自分のような庶民がお嬢様と対談できたのは、お嬢様の要望もあったのだろうか。
ベルティーナは内心冷や汗をかく。
「取り立てて話せるようなことは……」
「何か『理系屋さん』ならではのお話を!……だめでしょうか?」
しゅーんとして眉尻を下げると、学生寮にいたモフモフ犬の『帰っちゃうの?』という悲しげな顔に重なった。ふわふわの金の髪にぺたんと倒れた犬耳が見えた。
これはモフモフ好きとして応えねばならんだろう、とベルティーナは謎の使命感に駆られる。
何が話せるだろう……と苦し紛れに辺りを見回し、小物を飾った棚に独楽(コマ)を見つけた。
木の円盤の真ん中に真っ直ぐな木の軸を差しただけの素朴な独楽だ。
「あの独楽は何か謂れのあるものですか?」
「いえ、街で普通の子供達が遊んでいる玩具と聞いてます。たまたま入手しまして、気に入ったので」
年少の使用人か誰かに貰ったのだろうか。
「あの独楽をお借りしてもいいですか?あと、恐縮ですが紙と鋏と絵の具も」
侍女が持ってきてくれた鋏を使い、紙を独楽の円盤と同じ大きさに丸く切る。ホールケーキを8等分にするように放射状に線を引き、1ピース毎に交互に黄緑色と赤を塗る。中心に穴を開け独楽の軸に差して円盤に載せる。
「この独楽を回すと、何色に見えると思いますか?」
「緑と赤が重なって見えるから黒でしょう?反対色だから両方混ざると黒。絵画の先生に習ったわ。少し色の調子はずれるかもしれないけど、それに近い色」
「では回してみましょう」
令嬢が座ったベッドからも見えるようサイドボードの上で回して見せる。
「……え?黄色?!」
綺麗な碧色の目が丸くなって瞬く。
「お嬢様は絵画で『色の三原色』を習ったかと思います。赤、青、黄色。3つ足すと黒です。お嬢様が仰ったように、絵の具の赤と緑を足しても黒になります」
実際にやると灰色とかになるが、原理はその通りだ。
「それとは別に『光の三原色』があります。赤、紺色、緑の3つです。
今回の場合、独楽の色という光を私達の目がどう受け止めるかなので、『色の三原色』でなく『光の三原色』の話になります。
そして、私達人間の目は、赤と緑の光を同時に見ると、黄色と感じる不思議な仕組みになっているのです」
見た目ではっきり色が変わって不思議に見えるので、これは素人目にも楽しい実験だ。だから選んでみた。
説明については、退屈そうにしていたらここまでで止めようと思っていたが、ますます目を輝かせ食い入るように聞いているので、更に踏み込んだ所まで話すことにする。少し難しい話になるのでゆっくり話す。
「人間の目には色を感じる『錐体(すいたい)』という細胞があります。それぞれ赤・緑・青を感じる3種類の錐体です。ーー個人差もありますが大雑把には。
これが光を受けて反応します。
この3つの錐体の反応のバランスで、私達は色を認識します。赤い光を受けると、赤の錐体だけ反応するので赤と認識する、というように。
黄色い光を受けると、人は黄色に対応する錐体を持ちませんが、代わりに赤と緑の錐体の両方が反応します。それを私達の目は黄色と解釈する仕組みとなっています。
ところがこの独楽のように、赤と緑の両方を同時に見ると、赤と緑の錐体が反応するので、それも私達の目は『黄色』と解釈してしまうのです」
錐体の話までは子供には難しすぎるだろうか、とも思ったが、こういうことこそ科学のワクワクする面白さだとベルティーナは思うので、話してみた。
そしてーーとベルティーナは思う。
自分の目に見えているものは『事実』そのものとは限らず、自分自身の目の仕組みによる『解釈』かもしれない。
その視点を持つことは、彼女が今後貴族としてーー人の上に立つ者として生きる上で、きっとこの先プラスになるだろう。
ーーそれから部屋にはいくつも紙の円盤が散らばった。
紺色と黄緑の独楽は明るい水色になり、紺色と赤の独楽はピンク色。3つ揃えば白。色を塗るピースの形を変えるとどうなる?
エリザベートは好奇心が満たされる興奮で頬を赤く染め、手を叩いて素朴な独楽に見入った。
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