上 下
49 / 87
受験生

痛みの我慢

しおりを挟む
幼少期から母に殴られていた私は

『言いたいことも言えず、痛みを我慢する子』

になっていた

ある日、生理痛で座ってられないぐらい痛かったが

「生理でお腹が痛いのは当たり前だ!薬なんかに頼るな!」

と、母から言われていたので薬も飲まずに我慢して学校に行った

授業中どんどん痛みがひどくなるが、それでも保健室に行かなかった

生理についての授業でも

「生理は病気ではない」

と習っていたので、生理の痛みはみんな一緒で我慢しなきゃいけないものなのだと思っていた

とうとう痛みに耐えられなくなって、体育の最中に倒れた

気づいたら保健室に寝ていて、保健の先生に

「体育の最中に倒れたけど、体調悪いの?」

と聞かれ

「生理痛なんです」

と答えると

「生理、重いほうなの?薬は飲んでこなかったの?」

と聞かれ

「薬飲んだことないです。重いかどうかわかりません」

と正直に答えた

どんな痛みなのか聞かれて、痛い部分を指さし、薬をもらって飲んだ
1時間経っても薬も効かず痛みは増すばかりで、それでも家に帰りたくなかったので授業に戻った

給食も食べられず、午後の授業が始まったが、また椅子から倒れた

保健の先生が、2回も倒れるなんておかしい!と救急車を呼んだ

「家に連絡するね」

と言われたので、父の店の番号を教えた

母が来れるわけがない、お酒飲んでるだろうし運転なんてできるわけない

救急車に乗ったのはこれが初めて

だが、学校に救急車が来るのは2度目だった

夏の部活の時に、寝坊で遅刻した男子バスケのYを顧問は正座させて1時間以上殴り続けた

遅刻だったので朝ごはんも食べずに走って部活に来たYは正座したまま倒れたのだ

その時に救急車を呼んだ・・・熱中症だった

なぜあの顧問が当時懲戒免職にならなかったのか、それは顧問の父親が市内の校長だったため、もみ消していたから

親子揃ってとんでもない先生だった

私の話に戻るが、私は救急車に乗り地元の大きな病院に搬送された

いろいろ検査を行い、子宮筋腫があることが判明した

「この子は我慢強いね。こんな大きさの筋腫があったら大人でも相当痛いはずだよ。鎮痛剤も飲んだことないんだよね?痛みを我慢しちゃう子なのかもしれないけど、生理は個人差があるんだから痛みがひどい時は休ませてあげてください」

病院の先生が父に説明していた

普通だったらここで女親が話を聞いたほうが説明早いんだけど・・・
と言われたけど、母になんか知られたくなかった

生理用品も父に頼んで毎回買ってもらってたから、母に生理のことを相談なんてしたくなかった

私は人より初潮が早かったので、痛みはこんなもんだといつも我慢していた

今、生理休暇など出来て、世の中生理について理解してくれるようになったんだなと思った
しおりを挟む

処理中です...