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もちだ すしの

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160 光生side

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涼は怒って1人でどこかに行ってしまったけどその場に座り込む俺の顔は緩んでいて喜びを隠せない。

「……涼にお祝いなんてされたら幸せすぎてどうにかなりそう。」

朝、一旦家に帰った時に母さんと莉緒に言われて気づいただけで誕生日なんて本当に忘れていて思い出したところで涼に言っても気を遣わせるだけだし言わなかった。

「椎名本当にごめんっ!」

1人でボーっとしていると目の前に申し訳なさそうにしている夢が現れる。

「私、さくらちゃんに椎名の誕生日言っちゃって、、まさか知らないと思ってなかったから、、本当にごめん!」

そんなこと気にしなくていいのに手を合わせ謝る夢はやっぱり優しくて大好きだ。

「別に全然いいよ。それに夢のおかげで涼にすっごいかわいく怒られて今の俺やばいくらいに幸せだから。」

誕生日を知っていれば昨日寝ないでお祝いできたのにと怒る涼がかわいすぎたし、こんなにも俺のことを想ってくれていたんだとわかり超ハッピーだ。

「それならいいんだけど、、」

「ふっ、夢にそんなに落ち込まれると逆に怖いんだけど。」

いつもみたいに強気でいてくれないと俺だって困る。

「そうだよね!さくらちゃんに誕生日教えてなかった椎名が全部悪いんだよね!」

「いや急に強気になりすぎでしょ。」

ケロッといつも通りに戻った夢につい笑ってしまう。

「ねぇ、俺の幸せだった昨日の話聞く?」

「は?惚気を私に聞いてほしいだけでしょ?」

「俺の涼がどれだけかわいかったか教えてあげようとしてんのになにその態度。」

「だから!さくらちゃんはあんたのじゃなくてみんなのものだから!」

「いや、完全に俺のだね。昨日涼が『俺は光生のものだよ』って言ってくれたんだから。しかもすっごいかわいくてえろい顔で。」

「えー!!なにそれ超かわいいじゃん!!あんたの今のデレデレな顔は超きもいけど!」

ハイテンションで俺の悪口を言う夢にイラッとくる。

「夢って本当にむかつく。」

人がせっかく教えてやったのに。態度なんて誰よりもでかい。

「どうせその後さくらちゃんに呆れられるほど、やったんでしょ。」

「そうだよ。それで超かわいい勘違いしてやきもち妬いてくれたから夢の大食いの写真見せたの。」

「はぁ!?本当に見せたの?信じらんない!」

「涼すごい引いてたから。こんなに食べるのありえないって!」

さっき俺のことをきもいと言ったから適当に嘘をつく。本当は夢の写真を見てかわいいと言っていたけどこれは秘密だ。

「絶対椎名のこと許さないから!覚えておいてよね!」

すごい怖い顔で怒る夢は本当に恐ろしい。やっぱりこんなこと言うんじゃなかったと後悔してもきっと遅い。

「本当にいつか絶対に仕返しするから!」

「あっ、ジュースでも飲む?夢に特別に奢ってあげる。」

自販機を指差し機嫌を取ってもバレているらしい。

「飲むけど仕返しはするからね!」

「…………悪魔だ。」

小声でボソッと文句を言えばさらに怖い顔で睨んでくる。

「なに?なんか言った?」

「なにも言ってません。」

これ以上怒らせれば本当にとんでもない仕返しをされそうで俺は黙ることしかできなかった。
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