スタートライン

もちだ すしの

文字の大きさ
上 下
157 / 240

156 光生side

しおりを挟む




「ごめんね。いっぱい泣かせちゃったから疲れたよね。」

俺の体の上でスースーと寝息を立てかわいい顔で寝ている涼の頭を撫でる。お風呂にも入らずご飯も食べずに疲れて寝てしまった涼に無茶をさせすぎたことを後悔する。

「…謝っても笑って許してくれるんだろうな。」

しょうがないなって柔らかく笑うところが簡単に想像できる。そんな涼をもっと大事にしたいのにいつも空回りしてばかりだ。

「ふふっ、ほっぺたスベスベだ。」

指でスリスリと撫でれば気持ちよさそうにフニャッと笑うかわいい寝顔に癒される。ずっとこのままがいいけどきっと寝心地は悪いだろうし毛布もかけてあげられないからそっと横に移動させれば起こしてしまったらしく眠たそうに目を擦る。

「ん…俺、寝てた…光生ちょっと待ってて……」

突然起き上がりベッドから降りた涼は何かを持ってすぐに戻ってくる。

「これ間違えて買った大きいサイズ、、何回かしか着てないからまだきれいだよ、、」

制服で来た俺にスウェットを貸してくれるらしい。眠たさの限界なのかゆっくりと話す涼はトロンとした目で見つめながら着させてくれるけどこれはまずい。俺の大好きな涼の匂いが離れない。

「………ありがと。」

これ以上触ればまた困らせてしまうから必死に我慢をする。俺は朝まで少しも気を抜けない。

「光生…ギュってして……」

そんな俺の気持ちなんて知らない涼はまた体の上に乗りピタリとくっついてすぐに寝てしまった。

「どうすれば我慢できるんだろ。」

こんなにかわいくてえろくて優しくていろんな表情を見せられると止まらなくなってしまう。毎日涼への気持ちが増えていくばかりだ。

「はぁ~、俺も眠たくなってきた。」

最近あまり寝ていなかったことに涼は気づいていたみたいだ。でも今日は涼がいるから久しぶりにぐっすり寝られる気がする。


それから目が覚めれば朝で俺は1回家に帰らないといけないから気持ちよさそうに寝ている涼を起こしたくはないけど仕方なく起こす。

「涼起きて。もう朝だよ。」

頭を撫でれば毛布の中に潜り込む姿に思わず笑ってしまう。

「ほら学校の準備しないと。俺1回家に帰ってシャワーして行くからね。」

毛布をめくりほっぺたをツンツンと触れば眠たそうな顔で俺にしがみついてくる。

「……やだ。まだ光生と寝る。」

だめだ、かわいすぎる。俺だってこのまま一緒に寝ていたいけど涼を遅刻させるわけにもいかず心を鬼にしてもう一度起こそうとすれば首元にスリスリと顔を擦り付けてくる。

「今日みたいに毎朝起きたら隣に光生がいてくれればいいのに……」

今のはさすがにやばい。俺がその一言にどれだけ喜んでいるか気づかず甘えてくる涼はくっついて離れない。

「………あと10分だけ寝よっか。」

かわいすぎて結局甘やかしてしまう。時間が経ち再び涼を起こせば首を横に振る。

「……やだやだ……まだ寝てても学校間に合うもん……」

間に合う訳がない。これ以上寝ればまた走って行かないといけない。起こすのはかわいそうだけどもう最終手段を使うしかない。服の中に手を入れお腹を撫でる。

「んっ………」

ビクッと反応した涼は声を漏らす。そのまま乳首に移動してツンツンと触る。

「ふっ、乳首勃ってる。」

耳元でそう囁き先っぽをカリカリっと刺激すれば涼は飛び起きる。

「っっ!!!光生の変態っ!!」

「変態なのは涼でしょ。お腹ちょっと触っただけでどっちも勃てちゃってもしかして俺に触って欲しくて起きなかったの?」

涼は自分のものを恥ずかしそうに押さえて必死に隠している。そんなところもかわいくていじわるなことばかり言ってしまう俺を許して欲しい。

「こ、これは朝だからだもん!!」

「ふふっ、そう?」

涼は怒りながらも俺が手を伸ばせば引っ張って起き上がらせてくれる。

「二度寝しちゃだめだよ。また学校でね。」

頭を撫で帰ろうとすると後ろからギュッと抱きしめられる。

「光生一緒に寝てくれてありがとう、、すごい嬉しかった。大好き。」

俺だって人のことを言えない。反応しだしたものを気づかれないように涼しい顔をするところなんてめちゃくちゃダサい。

「それは俺のセリフ。涼のおかげてぐっすり寝れた。ありがと。」

それから家に戻りシャワーを浴びてお気に入りの香水をつけ準備をする。いつもの場所に行けば涼がいた。

「待っててくれたの?ごめん、俺遅かったでしょ。」

「んーん!俺も今来たから!」

ニコッと笑う涼とさっきまで一緒にいたのにもう2人きりになりたくなってきた。

「光生の匂いだ!いい匂い~!」

そんな俺に気づかずに近くに寄ってクンクンと匂ってくる涼は今日も無防備だ。

「ふふっ、涼もお風呂入ったんだ?髪少し濡れてる。」

ちゃんと乾かさないと風邪をひいてしまいそうで心配だ。髪を触ればビクッと体を反応させ離れていく。

「っっ!光生近いって…!……昨日のこと思い出しちゃうからもう少し離れてよ……」

「ふふっ、はいはい。ごめんね、近かったね。」

近づいてきたのは涼の方で理不尽に怒られているのにきっと周りから見れば俺はデレデレしているんだと思う。こんな何気ないことでも俺にとっては幸せな朝だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話

ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに… 結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

3人の弟に逆らえない

ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。 主人公:高校2年生の瑠璃 長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。 次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。 三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい? 3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。 しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか? そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。 調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

処理中です...