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143 光生side
しおりを挟む「涼ちょっと待って、、こんな時間だし迷惑かかるからまた今度にしたほうが、、」
グイグイと引っ張る手を止めようとしても離してくれない。
「……今日親いないから大丈夫、、」
大好きな声でそんなことを言ってくれるけどそれは全く大丈夫ではない。単純な俺はそう言われると都合良く受け取ってしまう。部屋に入れば涼は振り返ってまた遠慮がちに抱きついてくる。
「……光生は俺と2人きりになるの嫌?」
そんなあからさまに落ち込んだ顔をするところなんてかわいすぎてどうにかなりそうだ。
「嫌なわけないでしょ。」
頭を撫でて余裕のあるフリを必死にする自分がダサすぎて笑えてくる。今からベタベタ触らないように気をつけなければならない。
「光生ここに座ってて……」
クッションを持たされその場に座れば涼はどこかに行ってしまった。
「はぁ~~、なんであんなにかわいいの。」
もう全てがかわいすぎてため息をつきながらクッションに顔を埋める。すると大好きな涼の匂いがふわっと香りこんな状態で今から平常心を保てるのだろうかと急に不安になってくる。いつだってかっこよく思われたい俺は今からずっと涼の誘惑に耐えなければいけないらしい。
「光生……これ一緒に食べたい…」
カップアイスを1つ持ってきた涼は俺の横にピッタリと体を当てて座ってくる。やばい、もうすでに降参してしまいそうだ。それなのにスプーンですくいとったアイスを俺の口まで持ってくる。
「ふふっ、食べさせてくれるの?」
黙ったままコクリと頷く涼はまだシュンとした顔をしていて少し元気がないように見える。
「すっごいおいしい。ありがと。」
俺がニコッと笑えば、ぱぁっと顔を輝かせる涼にドキッと心臓が動く。今の今まで元気がなかったのに俺が喜ぶと嬉しそうにするなんてたまらない。
「へへっ、よかった!光生チョコレート好きって言ってたから新発売の味買ったんだ!」
なんだこのかわいい生き物は。涼はまたアイスを口に持ってきて食べさせてくれる。
「ふふっ、涼は食べないの?」
さっきから俺ばっかりに食べさせてくれることを不思議に思い聞いてみればゆっくりと近づいてきてキスをされる。
「……んっ…おいしい……」
ちゅっと吸われるようなキスをした後ぺろっと自分の唇を舐める涼に息をするのも忘れるくらい釘付けになってしまう。しかもそんな照れた顔でおいしいなんて言うのはずるい。
「………なにそのかわいすぎる食べ方。」
よく俺はここまでがんばって耐えていると思う。それからアイスを食べ終えればまた俺の横にくっついて座り離れない。
「ふふっ、どうしたの?抱っこする?」
恥ずかしそうに頷いた涼は顔を赤くし甘えたそうに俺の方を見てくる。その顔もたまらなくかわいい。
「ん、おいで。」
腕を広げれば俺に向き合うように膝の上に乗り、もたれかかってくる涼は首元に顔を埋め深く息を吸う。
「光生大好き……」
よく考えずに安易な気持ちで抱っこなんてするんじゃなかった。俺が喜ぶことを平気で言う涼に最初から我慢なんてできるはずがない。
「今そんなこと言うのだめ。」
「……なんで?もしかして嫌だった…?」
また寂しそうにする涼は俺のことをわかってなさすぎだ。
「んーん、全然嫌じゃない。けどこのままだと涼のこと襲っちゃうから。」
ごめんねと頭を撫でれば体を起こしまっすぐに見つめてくる。
「………いいよ、襲っても。」
いや、なんてことを言ってくるんだ。どれだけ必死に気持ちを抑えているのかいつも知らない涼は腰に手を回してくる。
「だめ。今日ゴム持ってきてないし今ならまだ我慢できるからそれ以上俺が喜ぶこと言うの禁止ね。」
ゆっくりと引き離そうとすればさっきよりもギュッと抱きついてくる涼に思わず息を呑む。
「………ゴムいらない。」
「……え?」
言ったそばからまたさらに衝撃的なことを言ってくるからもうお手上げだ。
「……そのまましていいよ、、」
俺に心を許しているような発言を簡単にするなんて恐ろしすぎる。警戒心なんて全くないらしくこれだから星くんと2人きりにさせるのが心配でしょうがない。
「絶対だめ。俺いっぱいイくと思うしそしたら涼のお腹痛くなるから今日はしない。」
拗ねているのか唇を尖らせている涼に機嫌を取るようにほっぺたをツンツンと触れば目に涙を溜め勢いよく顔を逸らされた。
「光生さっきからだめって言ってばっかり!俺のわがまま全然聞いてくれない!光生なんてもう大っ嫌い!」
またそうやってかわいいことを俺の大好きな怒った顔で言ってくるからずっと我慢していた理性はあっけなくプツンと切れる。
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