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52 光生side
しおりを挟む「ほら家まで送るから帰るよ。」
「、、ありがと。」
俺の顔に照れたのか一切目を合わせてくれなくなった涼がかわいくてしょうがない。
「いつまで照れてんの?」
隣を離れて歩いている涼に聞けば黙ったまま俺の方に少し寄ってきた。いちいちすることがかわいい。どうやら今の俺の感情はかわいいしかないらしい。
「そういえば袖ありがとね。」
「え?あぁ!水で濡れそうだったから!」
そう言いながら俺の顔を見てきた涼にニコッと笑えばすぐにパッと顔をそらされる。
「さっきからそんなにかっこいい顔しないで!」
「いやいつも通りの顔なんですけど。」
なんで怒られたのかは謎だが涼が俺のことをかっこいいと思ってくれているのなら別にいい。
だけどさっきから話してはくれるけど顔を見せてくれないのがなんとも悲しい。
「ねぇ、いい加減こっち向いてよ。もう家着いちゃうじゃん。」
「むり!今は見れない!」
「え~、俺今日めちゃくちゃ傷ついたのにな~それなのに涼の顔も見れないなんて超ショックだなぁ~。」
俺がわざとらしく悲しめば素直な涼は突然止まり歩いていた俺の手を両手でギュッと掴み後ろに軽く引っ張られる。
「おわっ!」
突然引っ張られた俺は何事かと涼を見れば少し俯いたままゆっくりと上目遣いで見上げてきた。
「……光生のいじわる。」
潤んだ目で見つめられてそんなことを言う涼に落ちない人はいないレベルでかわいい。もっとその顔が見たくなった俺はまた少しいじわるをする。
「だって俺にはあーんってしてくれなかったのに苺ちゃんにはしてたしあれすっごい傷ついたな~。」
「うぅ、、ごめんね。もうしない!でもなんか傷ついたって言う割には言い方が軽いような、、」
「は?俺めちゃくちゃ怒ってるけど?」
涼が苺ちゃんに優しくするところを目の前で見せられて怒っていないわけがない。ただ苺ちゃんの気持ちに気づいていない涼を怒れるわけもないしその前にさっきからかわいすぎて俺だって怒っていることを忘れかけていた。
「、、ちょっと来て!」
そのまま手を引っ張られながら着いた場所は涼の家だった。ガチャッとドアを開けて涼の部屋に連れて行かれたかと思えばすぐに俺に抱きついてきた。
「さっきは照れて離れてたくせに涼ちゃんったら急に大胆じゃん。」
少しからかえば涼はキッと俺のことをかわいい顔で睨んだ。
「朝の3分使う!」
抱きついたまま腕をギュッと握られ大好きな顔を目の前で見せられれば今度は俺が照れてしまう。
「俺が残しておいた3分取らないでよ!てかあれは外で手を繋げる3分だから。」
「だめ!俺が今から使うの!」
なぜか急に強気になった涼は背伸びをして俺にキスをした。
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