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1章

side アードル

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 俺の名前はアードル、職業は冒険者だ。冒険者、命をチップに富と名声を得る。などとカッコつけているが明日をも知れないその日暮らしだ。

 「同郷のミーシャとイールでPTを組んで、もー5年か……」
田舎を飛び出して、あっちこっちの街や村でクエストを受けて今やCランクのPTだ

今の街、カイドールに拠点を置いて1年位かな?
まー今までで1番長いな、飯もうまいしギルドの居心地も良いギルマスが元冒険者っていうのが大きいね、冒険者の立場に立って考えてくれてるのがわかるからだ。

まーそんなことよりCランクから護衛のクエストが受けられるようになるのだが、このクエスト当たり外れがある。
当たりはもちろん、盗賊やモンスターに合わない時だ。そんな時は横について歩いてるだけで良いしな。

今回はハズレだった。盗賊が現れやがった、数は5人腕前はまーそこそこって感じだ。
落ち着いて対処すればどうということない。
だが最後のしくじった最後っ屁で奴が弓を放ってきやがった俺は寸前でかわしたのだがミーシャの肩にかすっちまった。
ご丁寧に毒まで塗っていやがった。解毒剤の場所を吐かせようにもみんな殺しちまったし、懐を探ったら解毒剤のビンらしきもが割られてやがったクソッ、
街はもうすぐだ街に帰ってポーション屋か最悪教会の坊主共に金貨渡せば治してくれる。
しかしそうなったら今回は儲けどころかマイナスだな、まだ貯えが少しあるから平気だがちと痛いな。
しかし、当然だがミーシャの命にゃー代えられない。

荷台に人が横になれるくらいのスペースを確保してもらってミーシャだけ乗せてもらう。
この商人の依頼を受けるのは2度目だ少しは顔見知りになっているおかげで嫌な顔せずに乗せてくれた。

イールと交代で周囲の見張りとミーシャの世話をしているがミーシャの顔色がどんどん悪くなっていく、クソッ、どんだけ猛毒なんだよ、取りあえずポーションを飲ませるが状態はあまり回復しない。
そんな時いイールから呼ばれた、前の森から何か気配がこっちに向かってくるとの事。

気配を探ってみる……確かに何か来るな?モンスターではないな、警戒がなさすぎる、動物か、にしてはデカすぎるし、俺が行ってみるか・・とか思っていたら森から男が飛び出してきた。

急いで荷馬車を止めてもらい
「イールはここで待機、俺が行く」
「わかった」
商人には何時でも走り出せるように御者台に居てもらう。

男にゆっくり近づく、と何やら地図を見ながらキョロキョロしていた。俺が近づいて来たのに気づくとすごく凝視してきた。
なんだ、警戒してないのか?怪しい
「ここで何をしている?」
「へ?あ、薬草を取りに森に入ってました。」
この森は比較的安全な森だが……こんな軽装で?

しかし薬師かもしれないなら頼んでみるか、ミーシャは街まで持たないかもしれないし。

「すまない、盗賊どもに襲われて仲間が怪我をしてしまって・・薬師なら手持ちのクスリは無いだろうか?あれば売ってほしいのだが」 
取りあえず毒消しなら少しは毒も薄まるだろ

「薬は無いですが少々回復魔法が使えます。怪我をした方はどなたですか?」

回復魔法だとクソッ坊主共か。

「え?教会の方ですか?」

何を言ってるのかわかんないって顔をしてる
「ん?違いますよ?」

ま、いい今はミーシャの事だ
「い、いえお願いします。診てください、こっちです」

男は素直に付いてくる

荷馬車に近づくと商人が心配そうに顔を出した
「アードルさん」
「大丈夫、薬師の方です。ミーシャの怪我を見てもらうためにご同行してもらいました。」

一応説明して安心させる

荷馬車の後ろに寝かせてあるミーシャを見せる。イールも心配そうにミーシャを見ている。
「ポーションも効かなくて……」

回復師の男は頷くとミーシャの事をジーと診ていた何だミーシャに見とれてるのか?文句を言おうとした時

「フムフム」
頷きながら今度はみーしゃの傷口に手をかざしながら《プットアウト》
呪文か?ミーシャの身体がほんのり光り出した

え、なに光ってる?なんで?

《ランヒール》
「落ちた体力もこれで徐々に戻るでしょう」
見るとミーシャの顔色が段々戻ってきた呼吸も落ちついて来たし、良かった

「薬師様ありがとうございます。ありがとうございます。」


これが、愛想が良くて欲が無く、弱ってる人を見つけると一直線で駆けていく底抜けに優しい男、ヒデとの出会いだ。
普段祈った事がないけど今回だけは。

この男をこの街に導いてくれた女神様に感謝を
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