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第006話 成長の成果

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 ミイラ狩りにより、俺のレベルはすくすくと上がった。
 それにより得られた成長ポイントをユニークスキルの習得に費やす。
 こうして、俺はレベル9でミイラ狩りを卒業した。

===============
【名 前】アレン
【レベル】10
【経験値】0/10,000

【視 覚】
├─┼─★─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【聴 覚】
├─★─┼─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【嗅 覚】
├─★─┼─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【腕 力】
├─┼─★─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【脚 力】
├─★─┼─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【魔 力】
★─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
G F E D C B A S

【ノーマルスキル】
- まだ何も覚えていません

【ユニークスキル:パッシブ】
自動蘇生、痛覚遮断、攻撃予知
気配探知、自動地図

【ユニークスキル:アクティブ】
無限収納、聖域住宅
===============

 成長ポイントの配分はユニークスキルに偏っている。
 今まで得た成長ポイントの合計は9であり、その配分は以下の通り。
 ・ステータス:1
 ・ユニークスキル:7
 ・保留:1

 保留にしているのは有事に備えてのことだ。
 経験値の仕様上、次第にレベル上げが困難になってくる。
 だから、保留という考えも悪くないと思う。

「それにしてもユニークスキルは便利だよなぁ」

 <ミイラの洞窟>の前に作った自宅の中でくつろぐ。
 この家はユニークスキルの【聖域住宅】だ。

 一見するとただの平屋だが、その実は異なっている。
 24時間で自動消滅する家で、必要最低限の家財道具や食器類などは自動で備わっているのだ。その上、家はあらゆる攻撃を受け付けない。ハンマーで殴ろうが、火を放とうが、無傷で耐え凌げる代物だ。欠点は、自分で消すか自動消滅するまで新たな家を作ることが出来ない点と、家の大きさや間取りを自分で指定できない点である。

 【聖域住宅】との組み合わせで役に立つのが【無限収納】だ。
 【無限収納】は、手に持っているアイテムを異次元に保管できるユニークスキル。念じることで任意のアイテムを出し入れ出来るのでとても便利だ。欠点は、持てない大きさの物や動物などの生き物を収納出来ない点。それに、経年劣化が防げないことも。収納時に新鮮な魚でも、1年後に取り出したら腐っているわけだ。

 俺はここ2日ほど街に帰っていない。
 疲れるまで狩りに明け暮れたら、この家で休んでいたのだ。
 日持ちする食糧を街で調達しておいたので飢えの心配もなかった。

「身体が腐臭でやばいし、近くの川で洗ってから帰ろうっと」

 視界の左上隅に表示されているミニマップを見ながら川を目指す。
 このミニマップは、ユニークスキルの【自動地図】だ。これは、現在地とその周辺を表示してくれる、ゲームでお馴染みのマップ機能。ただ表示されているだけでも便利だが、他にも良い点がある。任意でマップの縮尺を調整出来たり、マップを非表示にしたりできる点だ。

「あった、ここだな」

 川に到着する。
 透き通った綺麗な川で、触るとひんやりしていて気持ちいい。
 俺は【無限収納】でタオルを取り出し、川の水に浸した。

「よし、誰も見ていないな」

 周囲に人や敵が居ないことを確認すると裸になった。
 衣類の一式を川の水で洗って、用意していた別の服に着替える。ユニークスキル【気配探知】のおかげで、半径50m以内に敵が居ないことが分かるので安心だ。もしも敵が半径50m以内に侵入すれば、即座に正確な場所を把握出来る。

「ふぅ、さっぱりした!」

 身を清めたので街に戻ろう。
 ミニマップがあるので迷うこともない。
 実に清々しい気持ちで、俺は街に向かって歩き出した。

 テクテク、テクテク。
 <オオサカ>に向かって林の中を進む。
 しばらくすると、【気配探知】に敵が引っかかった。

「あの茂みにいやがるな」

 前方には草むらが茂っている。
 場所を考慮すると、敵は十中八九でゴブリンだ。
 ゴブリンは小さいが、前の草むらよりは絶対に大きい。
 それなのに見えないということは――。

「伏せていやがる」

 待ち伏せだ。
 俺が近づいたら襲う算段だろう。敵の中にはそういう小細工を弄する奴もいる。俺がしばいたゴブリンの中には、死んだふりをする奴もいた。実に上手な演技で騙されかけたものだ。気づけたのは経験値が入らなかったからである。

「ふんふんふーん♪」

 鼻歌を歌いながら近づいていく。
 気づいていない素振りを装っているのだ。
 しかし油断はしていない。
 飛び出した瞬間にぶった切る。

「ゴブゥ……ゴブゥ……」

 距離が近づくと声が聞こえてくる。
 ゴブリンは何かとゴブゴブうるさい生き物だ。
 本人は黙っているつもりなのだろうが、ダダ漏れである。
 心中で「やれやれ」と呆れながら、俺は尚更に距離を詰めた。
 いよいよ距離が10mをきった時――。

「ゴブゥ!」

 ゴブリンが飛び出してきた。
 それと同時に、脳内にビビッと情報が入る。

「(右手の爪で俺の身体を引っ掻くつもりか)」

 ユニークスキル【攻撃予知】が発動したのだ。
 名前の通り、敵の攻撃を予知してくれるスキルである。どういった攻撃が来るのか直感的に分かるので、スッと回避することが可能だ。欠点は、こちらの反応速度を超越する勢いで攻められるとどうしようもないこと。

「ゴブッ!?」

 俺に攻撃を避けられて、ゴブリンが驚愕する。
 勢い余ってバランスを崩し、俺の前にすてんと転んだ。

「残念だったな、ゴブスケ」

 俺はエストックを抜き、ゴブリンの背中に突き刺した。
 ゴブリンの「ゴブゥ!」という断末魔が林に響く。

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経験値を 97 獲得しました
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 レベル差のせいで経験値がしょぼ過ぎた。
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