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第002話 三体の部下①
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次に意識が覚醒した時、俺はゴブリンになっていた。
そのことは、目を開ける前の時点で薄々と感じていた。
今までと身体の感覚が違い、手足が短くなった気がしたからだ。
目を開けてすぐに自身の両手を見て、気持ちは確信へと変わった。
ゴツゴツした緑色の肌をしていたからだ。
ゴブリンのシルエットは、人間の五歳児に近い。
背丈は五歳児と同程度だし、二足歩行で指が五本という点も同じ。
顔のパーツも概ね同じだ。
ただ、細かい点では人間と異なっている。
たとえば口に生えた二本の牙。
人だと犬歯や糸切り歯と呼ばれる箇所に生えている。
また、腕や脚が細い割りに、手足は大人のような大きさだ。
加えて、全体的な筋力は一般的な大人よりも強い。
他にも、エルフのようにピンと尖った耳も特徴的である。
エルフのように聴力に優れているのかは分からない。
「(ここは……どこだ……)」
目の前にはたき火が見える。
前回、俺が死んだ場所とは異なるようだ。
たき火の他には……木々が四方八方に生えている。
どこかの森か。
立ち上がる。
やはり、これまでよりも目線の高さが低い。
身長は一メートル前後といったところか。
「たいちょー! たいちょー!」
「起きられましたか、ゴブレス隊長!」
「死んじまったかと思ってましたよー」
背後から声が聞こえた。
まずいぞ、早々に人間と遭遇してしまったのか!?
俺は身体を急速に翻し、たき火に背を向けた。
そうして視界に捉えたのは――――三体のゴブリンだ。
げげっ! ゴブリン!
人間ではないことにホッとするより先に驚く。
つい先ほどまで、俺はゴブリンを狩る側だったからだ。
一瞬焦った後、冷静に状況を判断する。
今の俺はゴブリンなのだ、と。
「隊長って、俺のこと?」
自分の顔に右の人差し指を向ける。
それと同時に、ステータス画面を確認した。
この世界では、さながらゲームのようにステータスを見られるのだ。
そのことは、目を開ける前の時点で薄々と感じていた。
今までと身体の感覚が違い、手足が短くなった気がしたからだ。
目を開けてすぐに自身の両手を見て、気持ちは確信へと変わった。
ゴツゴツした緑色の肌をしていたからだ。
ゴブリンのシルエットは、人間の五歳児に近い。
背丈は五歳児と同程度だし、二足歩行で指が五本という点も同じ。
顔のパーツも概ね同じだ。
ただ、細かい点では人間と異なっている。
たとえば口に生えた二本の牙。
人だと犬歯や糸切り歯と呼ばれる箇所に生えている。
また、腕や脚が細い割りに、手足は大人のような大きさだ。
加えて、全体的な筋力は一般的な大人よりも強い。
他にも、エルフのようにピンと尖った耳も特徴的である。
エルフのように聴力に優れているのかは分からない。
「(ここは……どこだ……)」
目の前にはたき火が見える。
前回、俺が死んだ場所とは異なるようだ。
たき火の他には……木々が四方八方に生えている。
どこかの森か。
立ち上がる。
やはり、これまでよりも目線の高さが低い。
身長は一メートル前後といったところか。
「たいちょー! たいちょー!」
「起きられましたか、ゴブレス隊長!」
「死んじまったかと思ってましたよー」
背後から声が聞こえた。
まずいぞ、早々に人間と遭遇してしまったのか!?
俺は身体を急速に翻し、たき火に背を向けた。
そうして視界に捉えたのは――――三体のゴブリンだ。
げげっ! ゴブリン!
人間ではないことにホッとするより先に驚く。
つい先ほどまで、俺はゴブリンを狩る側だったからだ。
一瞬焦った後、冷静に状況を判断する。
今の俺はゴブリンなのだ、と。
「隊長って、俺のこと?」
自分の顔に右の人差し指を向ける。
それと同時に、ステータス画面を確認した。
この世界では、さながらゲームのようにステータスを見られるのだ。
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