ポイズン ～少女は眠ったまま目を覚まさない～

第１章 ティーパーティー

第２話

　その日の夕方、夕食の準備を済ませてから、メアリーはメイド長に屋敷の中を案内された。

　６階の角部屋に通されると、部屋の奥に白衣の男性が居た。

「君が今月の最後の1人か」

　そう言った白衣の男はメアリーに近寄って、立ち止まり、メアリーの目をじっと見つめた。

「ここで起きたことや見たことは口外してはいけないよ。わかったね？」
「かしこまりました」
「よろしい。下がって良いよ」

　メアリーはメイド長に連れられて食堂まで案内してくれた。道中はほこりっぽい廊下をひたすら進み、年季の入った赤絨毯の螺旋階段を下りて行った。その間、メイド長はひとこともしゃべりかけてこなかった。

　食堂には既に自分以外のメイドたちと執事が待っていた。

　夕食のデミグラスハンバーグを食べながら、メアリーは白衣の男とメイド長は何か隠していると思いいたった。