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俺つえーというより、周りよえーってやつ
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今のこの状況。真に掴みづらいことだが、モナちゃんが言うには、転生先には当然、母体が必要なので、その母体をモナちゃんがかって出たというのが事の経緯らしい……。
いや、こうして、おっぱいにしゃぶりつくという赤ちゃんプレイも悪くはないが……。
「可愛いですね。丈様」
とモナちゃんが赤ん坊の俺の頭を撫でてくれる。
「なんだか恥ずかしいな……」
「そうはいっても丈様? 今の丈様は赤ちゃんなんですからどんどん飲んでくださいませんと」
まあ……。美味しいが……。
この優しいモナちゃんの匂いと母乳の甘さが……、なんて、そんな恥ずかしい心の内なんて説明できるわけがないので、ここは割愛。
というか、今の俺は、髪の毛も、モナちゃんと似て、金髪のくりくりなので、遺伝子も同一なのだろう。幼い顔立ちながら、俺は男であるが、モナちゃんそっくりの可愛らしい顔をしている気がする。それはそれで嬉しいのだが……。
そんな俺のことを、カレンさんもロレーヌも、あやすようにして遊ぶから、腹が減っていないというのに、出ない乳にしゃぶりつかせようとしてくるのだ。まあ、そんな時はギャン泣きして、腹が減ったとか、うんちとかおしっことかを知らせて仕返しをするのだが……。これが中々効いた試しがない。みんな喜んで俺の世話を始めるのだ。
まあ、そんなこんなで、5歳になるまで成長したとしても、ママのおっぱいを卒業できないという業を俺は背負うことになったのだが……。そして、そんな姿を娘のルージュに見られて、笑われて、7歳にして渋々おっぱいを卒業することになったという。
というか、モナちゃんに対して、もうえっちな目で見ることができず、ママとしか認識できなくなっていたのが一番の恥ずかしい苦行でした。
「あら丈様。ようやく卒乳ですか?」
「うっさいなあ」
カレンさんが俺の口の周りを拭きながらクスクスと笑う。俺はやっぱり、顔から火が出るほど恥ずかしいのだが、それがカレンさんにはおもしろいらしい。
「私のでしたらいつでも」
「カレンさんはもう28だろ」
「まだ普通の年齢ですし、まだ子供を作るにしても全然大丈夫な年齢じゃないですか? 恥ずかしさを隠してる丈さ様も可愛いですね」
「むう……」
「はいはい。おっぱい飲まないとおおきくなれませんよー?」
「だまれえ!!」
ところで、どうやら、俺が転生したのは、あの時代から、ずっと未来のところのようだ。
日本のような街並みがあり、高層ビルが窓越しに見える
空を箒に跨って飛んでいる人もいるし、アスファルトの上を軽快にバイクが走っている。
俺は少し年季の入った一軒家に住んでいるようだった。
「この一軒家はどうしたんだ?」
俺がそう聞くと、モナちゃんが勢いよく身を乗り出した。
「聞いてください丈様! この国で永住ビザとるのすっごく大変だったんですよ! この家を手に入れるのだって大変で! お金だって稼ぐのすごく大変だったんです!!」
「ああそうか……。すまないな。俺が不甲斐ないばかりに」
「でも大丈夫でした! ロレーヌちゃんが良く分からない書類とか全部やってくれて永住権だってとってくれました! お金だって凄く稼いでくれました!! 丈様の仕事ぶりをずっと間近で見ていたからですね」
「そうか。やるなロレーヌ」
「はい! ロレーヌちゃんは仕事は何でもできる子です!」
「ところでなんだが、ずっと気になっていたんだが、俺ってモナの子供として生まれたんだよな?」
「そうですけど? 出産の時は、大変でしたよ。帝王切開までしましたし」
「相手の男は誰なんだ……?」
「男ですか……? いえ、自然とお腹が大きくなりましたし、そんなことはしていませんよ?」
「ということは、俺は単一生殖で産まれたのか? なら、顔もモナそっくりなはずだが」
気に成って鏡を見て全身をそこに写すと、つつましかやな股間の象さんがまず目に映り、その次にはモナちゃんそっくりな女の子の見た目した顔がそこにあった。
いや、瓜二つと言った方が正しいだろう。それに……、これは……、今俺!! 滅茶苦茶美少年やん!!!
きゃっふううううううううううううう!!
と裸で家の中を駆けまわる7歳児の俺だが、しっかりと、モナちゃんに頭を叩かれました。
「家の中で走ってはいけません」
「ごっ……、ごめんなさい……」
「ごめんなさいママ、でしょう?」
「ごめんなさいママ……」
凄んでくるモナに俺はたじたじになってママ呼びをつける。
「そうですね。そろそろ大きくなってきたころですし、学校にも行きませんとね。体力が有り余っているならちゃんと発散しておかないといけません」
くそう……。本当は俺の方が年上なんだぞ……。
「まあ、なんだ、学校に行けるのか?」
「いやですか?」
「嫌ではないが、自分の家族もいるのに今更青春なんてしてもな……、と思って……」
「何を言っているんですか。ちゃんとご紹介していただければ、別にどれだけの女の子と付き合っていただいても構いませんよ? でも、それはちゃんと自分の力で全員を養えるほどになってからです。今の丈さんは、無一文なんですからね」
「そういやそうだったな……」
いやはや、転生するなら、金も持って来れたら良かったのに……。まあ、また商売をすれば良いか。
「今日は早速編入の準備をしましょう」
俺は自分で着替えられると言うのに、モナは俺を着せ替え人形みたいにあーでもないこーでもないと言いながら、俺を着せ替えた。
まあ、センスは悪くないし、スーツみたいなこの姿のままでも良いだろう。
そうして外に出ると、やはり、ここは俺が見知ったような現代日本の世界で、そこに魔法が加わったような世界となっており、懐かしさやら、色んなものが込み上げてきてしまった。
モナちゃんの自転車に乗せられて、俺は学校指定の教材やらを買いに行く。
そうして立ち寄った本屋でこの世界の歴史について少し調べてみようとすると、教科書の一番最初になんと俺の名前が出てきたのだ。
まあ、それにはびっくりしたのだが、魔法言語というものが発達すると、同時に科学技術も発達したため、今の現代日本のような世界になったと記されている。
俺はその父という位置づけになっていた。
学校は俺が住む場所からそれほど遠くはなく、車で一時間ほどの距離にある学校に通うのだが、そこでは、年齢の統一されていない状態で、授業を受けるらしい。
ようは、入校の制限が無いので、小学生に交じって大人が勉強をしているという状況だ。
そのため、少々違和感があったが、それ以上に問題に思ったのは、魔族に対する差別の方だった。
そのことが分かったのは、魔族専用のトイレや教室といったものだろう。
人間用のトイレは各階に設置されているというのに、魔族のトイレは一階の離れた場所に一つ設置されているだけで、休み時間になると、毎回のように行列ができていたのだ。
しかもだ。その近くを通るたびに、人間が臭い臭いと顔を顰めるのだ。
それを見ただけで、俺はもう、腸が煮えくり返るような怒りが込み上げてきた。
そんな思いを抱えながら俺は教室に入り、教師に紹介を受ける。
「この子は武田丈君だそうだ。珍しい名前だが、外国の子かな? 随分と主張が激しいようだね」
「そうですか?」
そういう教師はひねくれた眼差しを俺にぶつけていた。どうにも俺の名前が有名人と同じであることをキラキラネームかなにかと思っているのだろう。その目は、俺だけでなく、俺の家族までもを馬鹿にしているような気がした。
いや、そもそも、俺みたいな小さい奴にまで意地悪をするだなんてこの教師大丈夫だろうか……。
「じゃあ、君はあの席ね」
そう言って、教師が指さすのは、比較的手前の席であった。
しかし、それとは別に、魔族の席が目に入って、俺は更に嫌な思いをした。
魔族の席は、人間からわざと離すように最後方の場所に設置されているのだ。
これでは、授業を聞くのも大変だろう。
俺が席に着くと、教師はさっそく授業を始めた。
「では、さっそく、教科書の20ページを開き給え。ちなみにだが、武田君、授業に追いつけないと言われても私は授業を遅らせるつもりはないよ。一人の足手纏いに優秀な人間が損を見るのは人類全体の損失になるからね」
教師が意地悪く俺にそう言って、魔法言語を黒板に書き込む。
昔と比べて時代が進んだ分、扱いやすいように術式が変化されているようだが、この程度の術式、俺から言わせれば、それしかできないもの。という評価だった。
もっと根本的な魔法言語は、自在に術式を組み、更に自動的に新しい術式を組ませたりと、あらゆることが可能になるものだった。だが、どうにもそういった術式は、この教師には難しいらしく、教師の書く術式と言うのはあまりにも現代的なものであった。
どうやら、俺が魔法言語を作るうえで日本語をベースにした考えをしたせいで、未来では、日本語に対する理解が変化してきてしまっているようだ。それで、こうして簡略化して捻じ曲げられて伝えられるようになったのだろう。
言語とは、時代と共に変わっていくからな。
しかし、この今の言語ではやれることがあまりにも少ないような気がする。
現代日本人が古典の本を読むのが難しいように、理解をするには何かしらの工夫がひつようなのだ。
さらにとどめは、教師の稚拙な発言であろう。
「これが理解できれば、君たちは十分優秀な存在になれるだろう。だが、魔族には少し難しすぎるかな?」
と言ったのだ。
教師は意地悪く、眼鏡をくいッと、上げたりして、もう、俺は本当に殴りたくなってしまった。
魔族は魔族たちで、酷く落ち込んだ様子を見せるし、人間たちは人間たちで、魔族を嘲笑っているのだ。
俺はこの状況に黙っていられる自信が無かった。
「じゃあ、先生。その問題、俺に解かしてくださいよ」
「武田丈君。本当にできるのかい? 恥をかくだけじゃないかい?」
「簡単ですよ。この、『のためならず』って意味の魔法言語、これは『ためにならない』って意味じゃなくて『~でない』という意味です。だから、この魔法言語を発動させれば、情けは人のためならずということになり、相手に幸せを与えた時、それが自分の幸せとして帰ってくる魔法ということになるんです」
「……、まあ、基礎の基礎は理解できているようだな」
そう言って、教師は教科書を閉じました。
そして、俺を睨みつけてきました。
「じゃあ、次は俺から問題です」
そう言って俺は黒板に複合魔法装甲の魔法言語を書き出しました。
「分かりますよね? この魔法?」
「……」
教師は睨みつけるように俺の書いた魔法減を見るものの、どうにも俺の使う言語が古く、理解ができないようであった。
だがしかし、簡単な構造だけは分かるようで、必死に解こうとしている。
「こんなこともわからないんですか……」
と、俺は大げさにため息をついてやりました。
そんな俺の態度に対して先生は、あからさまに苛立った様子をして、
「適当な魔法言語を書くんじゃない」
とまで言い切りました。
これには、俺も顎が外れかけました。
「これは、複合魔道装甲と言って――」
「授業は変更だ。どうにも生意気な奴がいるみたいなんでな。演習に変更だ」
そう言う教師のに目は、酷く俺を痛めつけてやろうという純粋な悪意が灯っていました。
「あーあ。あいつ、クレソン先生に目を付けられたぞ」
「もう退学決定かよ。馬鹿だねー」
生徒どもが、嘲笑うようにそう言っています。
授業の場所を演習場に移そうとした時、俺は更なる怒りがこみ上げてきました。なんと、同じ生徒であるはずの魔族が人間の生徒の荷物を運んでいるではありませんか。
俺がそのことを注意するも、人間から唾を吐き捨てられてしましました。
吐きかけられた唾を、俺は自分のハンカチで拭います。
だが、同時に理性も働いており、ここで騒いだところで何も変わりはしないだろうということも分かっていました。俺がキレるのは全てが整った後です。
演習場に移動が完了し、縦横100メートルくらいはあるステージに立つと、先ほどの教師が俺に決闘を申し込んできました。
「ルールは簡単。先に相手を気絶させた方が勝ちだ。ここでは防御プログラムが動いていて、超過ダメージを受けると気絶するようになっている。攻撃方法は何でもありだ」
そう言って教師は、どこからともなく大剣を抜き出しました。
何かの魔法を使ったのでしょう。
「おい。クレソン先生の死刑が始まるぞ」
「わー。あの子小っちゃいのに死なないといいね」
そういうクスクスという笑い声を聞きながら、俺も魔法を発動させる。
「ところで、君は英雄と言うものを知っているかな?」
「なんですか? それ?」
「この世界には、国を亡ぼせるほどの強力な生き物がいる。例えば、私が倒したのはドラゴンだ。災害級のそいつらを倒せば、自動的に英雄という称号が付き、栄光を手に入れられるのだ。しかも、私は、そんなドラゴンを3頭も倒して、国を救った。この大剣はそのドラゴンを倒した必殺の武器なのだよ」
「御託はいいんで、早く始めてくれませんか?」
「まあ……、良いだろう。とっととお前には死んでもらうからな!」
そう言って、教師は、大剣を素早く抜いて、斬撃のようなものを俺に向かって放ってきました。
「なぜ……、立っている?」
「さあ? 考えてみたらどうでしょう?」
何かしらの力が働き、斬撃が途中で消えたのです。
すると、教師は猛烈な勢いで距離を詰めてきて、大剣を振るってきました。
ですが、そのたびに、寸前で何かに弾かれたような音がして俺の体から大剣が逸れます。
「なんだ!? 何が起きてる!?」
「俺ねえ、考えてみたんですけど、俺、英雄って奴何人も倒してきてるんですよね」
「ふん! その年で英雄を倒したなどと!!」
「でも、先生のその感じ、俺が嘘をついてないんじゃないかって思っていません?」
俺が先生の心中を言い当てると、ピタリと動きが止まった。
途端に先生の胸を何かが貫通して、膝から崩れ落ちました。
ですが、まだ意識はあるようです。
「そうか……。どこかに銃を持った奴がいるな……」
「今日から心を入れ替えて、魔族や人を見下すようなことはしないようになさい。そうしたら俺も今回は見逃してあげます」
「ふん……! 俺はまだ戦える!!」
そうして、教師が立ち上がろうとすると、足を貫かれて態勢を崩しました。
「仕方がありませんね。あなたみたいな傲慢な人には、俺の力の一部を見せてあげなくてはなりません。世の中には上には上がいるんですから」
そうして、どこからどもなく、恐怖のサイレンの音が鳴り響き、空中に出現した巨大な魔法陣から戦略爆撃が現れます。
教師は事態を飲み込めていないようです。だってそうでしょう。この魔法を使えるのは、何せ、俺だけなんですから。
続けて、俺の周りにも魔法陣が出現して、そこから最新型のレオパルト型戦車と、随伴歩兵が現れます。
みな、俺の時代では最先端の装備でしたが、今の世界ではどうでしょうか? 通用すると良いのですが……(笑)
そして、空中の戦略爆撃機から爆弾が投下されます。
「なんだおまえはあああああああああああ!!!」
という断末魔と共に演習場は跡形もなく吹き飛び、それでも教師は英雄らしく、気絶した状態で助かったようです。
もし、これで彼が英雄でなければきっと死んでいたかもしれません。まあ、これでも俺の本気ではないんですがね。
いや、こうして、おっぱいにしゃぶりつくという赤ちゃんプレイも悪くはないが……。
「可愛いですね。丈様」
とモナちゃんが赤ん坊の俺の頭を撫でてくれる。
「なんだか恥ずかしいな……」
「そうはいっても丈様? 今の丈様は赤ちゃんなんですからどんどん飲んでくださいませんと」
まあ……。美味しいが……。
この優しいモナちゃんの匂いと母乳の甘さが……、なんて、そんな恥ずかしい心の内なんて説明できるわけがないので、ここは割愛。
というか、今の俺は、髪の毛も、モナちゃんと似て、金髪のくりくりなので、遺伝子も同一なのだろう。幼い顔立ちながら、俺は男であるが、モナちゃんそっくりの可愛らしい顔をしている気がする。それはそれで嬉しいのだが……。
そんな俺のことを、カレンさんもロレーヌも、あやすようにして遊ぶから、腹が減っていないというのに、出ない乳にしゃぶりつかせようとしてくるのだ。まあ、そんな時はギャン泣きして、腹が減ったとか、うんちとかおしっことかを知らせて仕返しをするのだが……。これが中々効いた試しがない。みんな喜んで俺の世話を始めるのだ。
まあ、そんなこんなで、5歳になるまで成長したとしても、ママのおっぱいを卒業できないという業を俺は背負うことになったのだが……。そして、そんな姿を娘のルージュに見られて、笑われて、7歳にして渋々おっぱいを卒業することになったという。
というか、モナちゃんに対して、もうえっちな目で見ることができず、ママとしか認識できなくなっていたのが一番の恥ずかしい苦行でした。
「あら丈様。ようやく卒乳ですか?」
「うっさいなあ」
カレンさんが俺の口の周りを拭きながらクスクスと笑う。俺はやっぱり、顔から火が出るほど恥ずかしいのだが、それがカレンさんにはおもしろいらしい。
「私のでしたらいつでも」
「カレンさんはもう28だろ」
「まだ普通の年齢ですし、まだ子供を作るにしても全然大丈夫な年齢じゃないですか? 恥ずかしさを隠してる丈さ様も可愛いですね」
「むう……」
「はいはい。おっぱい飲まないとおおきくなれませんよー?」
「だまれえ!!」
ところで、どうやら、俺が転生したのは、あの時代から、ずっと未来のところのようだ。
日本のような街並みがあり、高層ビルが窓越しに見える
空を箒に跨って飛んでいる人もいるし、アスファルトの上を軽快にバイクが走っている。
俺は少し年季の入った一軒家に住んでいるようだった。
「この一軒家はどうしたんだ?」
俺がそう聞くと、モナちゃんが勢いよく身を乗り出した。
「聞いてください丈様! この国で永住ビザとるのすっごく大変だったんですよ! この家を手に入れるのだって大変で! お金だって稼ぐのすごく大変だったんです!!」
「ああそうか……。すまないな。俺が不甲斐ないばかりに」
「でも大丈夫でした! ロレーヌちゃんが良く分からない書類とか全部やってくれて永住権だってとってくれました! お金だって凄く稼いでくれました!! 丈様の仕事ぶりをずっと間近で見ていたからですね」
「そうか。やるなロレーヌ」
「はい! ロレーヌちゃんは仕事は何でもできる子です!」
「ところでなんだが、ずっと気になっていたんだが、俺ってモナの子供として生まれたんだよな?」
「そうですけど? 出産の時は、大変でしたよ。帝王切開までしましたし」
「相手の男は誰なんだ……?」
「男ですか……? いえ、自然とお腹が大きくなりましたし、そんなことはしていませんよ?」
「ということは、俺は単一生殖で産まれたのか? なら、顔もモナそっくりなはずだが」
気に成って鏡を見て全身をそこに写すと、つつましかやな股間の象さんがまず目に映り、その次にはモナちゃんそっくりな女の子の見た目した顔がそこにあった。
いや、瓜二つと言った方が正しいだろう。それに……、これは……、今俺!! 滅茶苦茶美少年やん!!!
きゃっふううううううううううううう!!
と裸で家の中を駆けまわる7歳児の俺だが、しっかりと、モナちゃんに頭を叩かれました。
「家の中で走ってはいけません」
「ごっ……、ごめんなさい……」
「ごめんなさいママ、でしょう?」
「ごめんなさいママ……」
凄んでくるモナに俺はたじたじになってママ呼びをつける。
「そうですね。そろそろ大きくなってきたころですし、学校にも行きませんとね。体力が有り余っているならちゃんと発散しておかないといけません」
くそう……。本当は俺の方が年上なんだぞ……。
「まあ、なんだ、学校に行けるのか?」
「いやですか?」
「嫌ではないが、自分の家族もいるのに今更青春なんてしてもな……、と思って……」
「何を言っているんですか。ちゃんとご紹介していただければ、別にどれだけの女の子と付き合っていただいても構いませんよ? でも、それはちゃんと自分の力で全員を養えるほどになってからです。今の丈さんは、無一文なんですからね」
「そういやそうだったな……」
いやはや、転生するなら、金も持って来れたら良かったのに……。まあ、また商売をすれば良いか。
「今日は早速編入の準備をしましょう」
俺は自分で着替えられると言うのに、モナは俺を着せ替え人形みたいにあーでもないこーでもないと言いながら、俺を着せ替えた。
まあ、センスは悪くないし、スーツみたいなこの姿のままでも良いだろう。
そうして外に出ると、やはり、ここは俺が見知ったような現代日本の世界で、そこに魔法が加わったような世界となっており、懐かしさやら、色んなものが込み上げてきてしまった。
モナちゃんの自転車に乗せられて、俺は学校指定の教材やらを買いに行く。
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まあ、それにはびっくりしたのだが、魔法言語というものが発達すると、同時に科学技術も発達したため、今の現代日本のような世界になったと記されている。
俺はその父という位置づけになっていた。
学校は俺が住む場所からそれほど遠くはなく、車で一時間ほどの距離にある学校に通うのだが、そこでは、年齢の統一されていない状態で、授業を受けるらしい。
ようは、入校の制限が無いので、小学生に交じって大人が勉強をしているという状況だ。
そのため、少々違和感があったが、それ以上に問題に思ったのは、魔族に対する差別の方だった。
そのことが分かったのは、魔族専用のトイレや教室といったものだろう。
人間用のトイレは各階に設置されているというのに、魔族のトイレは一階の離れた場所に一つ設置されているだけで、休み時間になると、毎回のように行列ができていたのだ。
しかもだ。その近くを通るたびに、人間が臭い臭いと顔を顰めるのだ。
それを見ただけで、俺はもう、腸が煮えくり返るような怒りが込み上げてきた。
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昔と比べて時代が進んだ分、扱いやすいように術式が変化されているようだが、この程度の術式、俺から言わせれば、それしかできないもの。という評価だった。
もっと根本的な魔法言語は、自在に術式を組み、更に自動的に新しい術式を組ませたりと、あらゆることが可能になるものだった。だが、どうにもそういった術式は、この教師には難しいらしく、教師の書く術式と言うのはあまりにも現代的なものであった。
どうやら、俺が魔法言語を作るうえで日本語をベースにした考えをしたせいで、未来では、日本語に対する理解が変化してきてしまっているようだ。それで、こうして簡略化して捻じ曲げられて伝えられるようになったのだろう。
言語とは、時代と共に変わっていくからな。
しかし、この今の言語ではやれることがあまりにも少ないような気がする。
現代日本人が古典の本を読むのが難しいように、理解をするには何かしらの工夫がひつようなのだ。
さらにとどめは、教師の稚拙な発言であろう。
「これが理解できれば、君たちは十分優秀な存在になれるだろう。だが、魔族には少し難しすぎるかな?」
と言ったのだ。
教師は意地悪く、眼鏡をくいッと、上げたりして、もう、俺は本当に殴りたくなってしまった。
魔族は魔族たちで、酷く落ち込んだ様子を見せるし、人間たちは人間たちで、魔族を嘲笑っているのだ。
俺はこの状況に黙っていられる自信が無かった。
「じゃあ、先生。その問題、俺に解かしてくださいよ」
「武田丈君。本当にできるのかい? 恥をかくだけじゃないかい?」
「簡単ですよ。この、『のためならず』って意味の魔法言語、これは『ためにならない』って意味じゃなくて『~でない』という意味です。だから、この魔法言語を発動させれば、情けは人のためならずということになり、相手に幸せを与えた時、それが自分の幸せとして帰ってくる魔法ということになるんです」
「……、まあ、基礎の基礎は理解できているようだな」
そう言って、教師は教科書を閉じました。
そして、俺を睨みつけてきました。
「じゃあ、次は俺から問題です」
そう言って俺は黒板に複合魔法装甲の魔法言語を書き出しました。
「分かりますよね? この魔法?」
「……」
教師は睨みつけるように俺の書いた魔法減を見るものの、どうにも俺の使う言語が古く、理解ができないようであった。
だがしかし、簡単な構造だけは分かるようで、必死に解こうとしている。
「こんなこともわからないんですか……」
と、俺は大げさにため息をついてやりました。
そんな俺の態度に対して先生は、あからさまに苛立った様子をして、
「適当な魔法言語を書くんじゃない」
とまで言い切りました。
これには、俺も顎が外れかけました。
「これは、複合魔道装甲と言って――」
「授業は変更だ。どうにも生意気な奴がいるみたいなんでな。演習に変更だ」
そう言う教師のに目は、酷く俺を痛めつけてやろうという純粋な悪意が灯っていました。
「あーあ。あいつ、クレソン先生に目を付けられたぞ」
「もう退学決定かよ。馬鹿だねー」
生徒どもが、嘲笑うようにそう言っています。
授業の場所を演習場に移そうとした時、俺は更なる怒りがこみ上げてきました。なんと、同じ生徒であるはずの魔族が人間の生徒の荷物を運んでいるではありませんか。
俺がそのことを注意するも、人間から唾を吐き捨てられてしましました。
吐きかけられた唾を、俺は自分のハンカチで拭います。
だが、同時に理性も働いており、ここで騒いだところで何も変わりはしないだろうということも分かっていました。俺がキレるのは全てが整った後です。
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そう言って教師は、どこからともなく大剣を抜き出しました。
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そういうクスクスという笑い声を聞きながら、俺も魔法を発動させる。
「ところで、君は英雄と言うものを知っているかな?」
「なんですか? それ?」
「この世界には、国を亡ぼせるほどの強力な生き物がいる。例えば、私が倒したのはドラゴンだ。災害級のそいつらを倒せば、自動的に英雄という称号が付き、栄光を手に入れられるのだ。しかも、私は、そんなドラゴンを3頭も倒して、国を救った。この大剣はそのドラゴンを倒した必殺の武器なのだよ」
「御託はいいんで、早く始めてくれませんか?」
「まあ……、良いだろう。とっととお前には死んでもらうからな!」
そう言って、教師は、大剣を素早く抜いて、斬撃のようなものを俺に向かって放ってきました。
「なぜ……、立っている?」
「さあ? 考えてみたらどうでしょう?」
何かしらの力が働き、斬撃が途中で消えたのです。
すると、教師は猛烈な勢いで距離を詰めてきて、大剣を振るってきました。
ですが、そのたびに、寸前で何かに弾かれたような音がして俺の体から大剣が逸れます。
「なんだ!? 何が起きてる!?」
「俺ねえ、考えてみたんですけど、俺、英雄って奴何人も倒してきてるんですよね」
「ふん! その年で英雄を倒したなどと!!」
「でも、先生のその感じ、俺が嘘をついてないんじゃないかって思っていません?」
俺が先生の心中を言い当てると、ピタリと動きが止まった。
途端に先生の胸を何かが貫通して、膝から崩れ落ちました。
ですが、まだ意識はあるようです。
「そうか……。どこかに銃を持った奴がいるな……」
「今日から心を入れ替えて、魔族や人を見下すようなことはしないようになさい。そうしたら俺も今回は見逃してあげます」
「ふん……! 俺はまだ戦える!!」
そうして、教師が立ち上がろうとすると、足を貫かれて態勢を崩しました。
「仕方がありませんね。あなたみたいな傲慢な人には、俺の力の一部を見せてあげなくてはなりません。世の中には上には上がいるんですから」
そうして、どこからどもなく、恐怖のサイレンの音が鳴り響き、空中に出現した巨大な魔法陣から戦略爆撃が現れます。
教師は事態を飲み込めていないようです。だってそうでしょう。この魔法を使えるのは、何せ、俺だけなんですから。
続けて、俺の周りにも魔法陣が出現して、そこから最新型のレオパルト型戦車と、随伴歩兵が現れます。
みな、俺の時代では最先端の装備でしたが、今の世界ではどうでしょうか? 通用すると良いのですが……(笑)
そして、空中の戦略爆撃機から爆弾が投下されます。
「なんだおまえはあああああああああああ!!!」
という断末魔と共に演習場は跡形もなく吹き飛び、それでも教師は英雄らしく、気絶した状態で助かったようです。
もし、これで彼が英雄でなければきっと死んでいたかもしれません。まあ、これでも俺の本気ではないんですがね。
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唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
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転生調理令嬢は諦めることを知らない
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リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
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それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
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追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
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