となりのキミへ

夜宮 咲

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Good night.

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『○月○日、××地区の交差点で下校中の高校生2人が事故に遭い死亡しました。青信号を渡っている最中に飲酒運転の車が突進してきたものとされます。高校生は1人が死亡、1人が軽傷です』


あの事故から数年が経った。
いつの間にか20歳だ。大学生になった。
キミが死んでから、同じ夢をみる。
校門の前で待って、会話して、アイスを分け合って。
キミのとなりにいるだけで楽しかった。

「……朝」

携帯の画面を見る。
まだ5時だ。
あの日の夢が毎日続く。
キミが毎日でてくる。

「あ…またか」

夢から覚めた私の目からは、いつも涙が溢れていた。
なぜ?
後悔しているから?
何を?
あの日、返事を言えなかったから…。

「あの日、すぐに言えば…」

何か変わっていたかもしれない?

「私も好きだって、言っていたら…」

事故にならなかった?

「カエデ、に」

キミに。

「ふっ………うぅ…あぁぁぁぁぁ」

涙が止まらない。

「ごめんなさい……ごめんなさいっ…カエデ…ごめん……」

キミの優しい声が聞きたい。
キミの顔がみたい。
あの日に戻りたい。
キミのとなりにいたい。

「……もう、疲れた」

目覚めてから10分。
大学は午後から。

「だめだね、"あたし"」

再びベッドに潜る。
目を閉じれば、またあの日に戻る。
"あたし"に戻る。
そして、キミに会える。
キミのとなりに並ぶことができる。
夢のなかで、キミに。

「カエデ、おやすみ」

キミに会うために、私はまた夢をみる。


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