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本編
きみがここにいた理由
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「まずは状況を整理しよう。」
キネセンはそう言うと、雑巾干しと化していたホワイトボードを引っ張ってきて、上下に線を引いた。
そしてノートを見ながらそれに書き込んでいく。
キネセン……先生らしくない性格だけど、教員としての職業病にはかかってるんだな??
何なんだ?この授業みたいなのは??
俺は冷めた目でそれを見ている。
「まずだ、霖が別世界で勇者をやっていて、魔王討伐を行う。その際、霖は死亡、その後魔王は封印される。」
上の線の端にそれを順々に印をつけて書き込む。
霖は真剣に聞き入っていて、鳩になっている女神インディラさんは黙って聞いている。
表情はわからない。鳩だけに。
「で、死んだ際に、勇者の人生救済措置で、異世界、つまり俺たちの国に転生させられた訳だ。」
「その通りです。」
キネセンはそこから下の線を繋ぎ、霖誕生と書いた。
どうやら上が霖が勇者をやっていた世界で、下の線がこっちの世界らしい。
「で?霖は何も知らずにこっちで生きるが、ある時死亡する。多分、10年くらい前だろう。」
キネセンが下のラインに×をつける。
そして鳩に顔を向けた。
「どうしてこの時点でそっちに戻らなかったんだ??」
「それは起こるはずのないイベントでした。もし勇者が願いを叶えた後であったなら、そのイベントでこちらに戻って来る事もできたのですが……。」
「どういうこと??」
俺の疑問に、鳩はクルックーと鳴いた。
え?鳩なの??
女神じゃなかったの??
焦って目を白黒させた俺に鳩は言った。
「魔王の介入です。魔王は勇者の魂が異世界に転生している事に気付き、呼び戻すために、無理矢理緊急返還イベントを起こさせたのです。」
「え!?ならあの事故は、魔王の仕業なのですか!?」
鳩の言葉に、霖は立ち上がって尋ねた。
そりゃそうだよな?
ただの事故なら仕方ないけど、魔王が起こした事故となったら、ちょっとな。
鳩は小さく首をふった。
「そうとも言えるし、違うとも言えます。無理矢理イベントを起こしたのは魔王ですが、イベント自体は元々非常用にこちらが用意したものです。」
「よくわからんな?詳しく聞かせてもらえるか??」
キネセンは相変わらずノートをとりながら話を聞いている。
何だってあんなにノート取るんだろう??
場違いにも感心してしまった。
「本来、異世界に転生した勇者の魂は、寿命を全うしてこちらに還ってきます。しかし魔王の復活が早まったりした特別な場合、願いを叶えた後、強制的に帰還を早める為の緊急イベントが起こる事があります。それが死亡事故です。」
さらりと言った鳩に、珍しくキネセンがあからさまに顔をしかめた。
「勝手に送りつけておきながら、ずいぶんとまぁ乱暴だな。」
「そこは否定致しません。ですが余程の事がない限りそれは起こりません。何しろ勇者の魂だからと言って、毎回、その勇者ひとりに頼りきっている訳ではないのですから。」
「え?そうなの??」
妙に霖にこだわってたみたいだから、てっきり勇者はずっと勇者で、世界にひとつしかない魂なのかと思っていた。
キネセンもそうだと思っていたようで、少し驚いている。
ちらりと霖を見て、顔を戻した。
「なら、霖以外にも勇者がいると言うことか。」
「はい。1度勇者となったからと言って、毎回勇者である訳ではありません。そもそも勇者と言うのは、素質を一定以上持ち合わせている魂の事です。ですから素質を一定以上持っていれば、誰でも勇者になれます。ですがそう言った魂は少ない為、1度勇者となった場合やはり選ばれやすいのが現状です。その時の勇者とならなくても、それを導く役目であったり、共に旅をする仲間であったりと、素質があるゆえに近しい役割になることが多いのです。」
は~。勇者って大変だな??
1度なると、ずっとにたような状況に毎回なるんだ??
とは言え、霖が勇者ってのは本当、まだ信じられないんだけどさ。
こんな可愛い勇者がいたら、戦わせられないよ、俺なら。
「……なるほど。突っ込みたい部分はたくさんあるが、ひとまず置いておいて……。とにかく霖には緊急返還イベントが起きたんだな?魔王が無理矢理ストーリーの書き換えを行って??」
「そうです。魔王はここで霖と呼ばれている勇者に何故か酷く執着しています。その為、半ば覚醒した状態に入ると、魂の願いを叶える為にこの世界に来た勇者を見つけ出だし、すぐさま呼び戻そうとストーリーを書き換え緊急イベントを起こしたのです。」
キネセンはこっちの世界の霖の死亡の×印から上に線を繋ぎ、上の線のところに「魔王が介入、死亡イベント起こす」と書いた。
「で?何で霖はそこで戻らず、ここで幽霊になってるんだ??」
「それは私たちも予想もしていなかった事でした。緊急イベント自体が魔王によってプログラムをねじ曲げられ無理矢理起こされたこと、本来の緊急イベントはたくさんの神々の承認があって行われる為そのプロセスがなかったこと、そして勇者が勇者たる故に魔王の力に対し反発を起こした事で、プログラムがバグを起こしたのです。」
「……つまり、全てが全員にとって予想外の事であり、総じて想定外の事が起きたって訳だ。」
「ええ。その為、緊急イベントも正常に動かず、この世界で勇者は死亡したにも関わらず通常プログラムはまだ動いていて、願いを叶える為にここに勇者を運びました。」
「学校に??」
何で?と言う言葉が全員の頭に浮かんだ。
キネセンはノートを取る手が一瞬止まったし、霖と俺は顔を見合わせた。
しかし鳩こと女神インディラは気にせず話し続けた。
「ここが一番、勇者の願いを叶えるに相応しい場所だったからです。しかしこの世界で死亡した為に送ったはいいのですが、プログラムも私たちも勇者の魂を見失いました。何故なら死亡したなら緊急イベントの力で元の世界に還ったはずだったからです。この2つのイベントが同時に動いた為、勇者の魂とイベントプログラムの接続が切れてしまい、長い間、勇者は死亡したにも関わらずこの世界に残り、願いを叶える場所とされた学校に縛られ続けたのです。」
やっと、何で霖がここにいるかがわかった。
それは霖のこの世界での記憶とは関係なく、前世の魂の願いのせいだった。
何ともスッキリしたようだが、逆にスッキリしない。
「……え?霖の叶えたかった願いって何なの??」
そんでもって、何で学校なの??
学校で何がしたかったの??
俺は不思議に思って、霖を見つめた。
霖は話を聞いていて色々思い出してきたのか、少し考え込んだ後、あっ!と叫んで真っ赤になった。
赤くなって俯き、小さくなる霖が可愛い。
そんな反応をするって何なんだ??
何だか甘酸っぱい雰囲気があって、俺は物凄く気になっていた。
キネセンはそう言うと、雑巾干しと化していたホワイトボードを引っ張ってきて、上下に線を引いた。
そしてノートを見ながらそれに書き込んでいく。
キネセン……先生らしくない性格だけど、教員としての職業病にはかかってるんだな??
何なんだ?この授業みたいなのは??
俺は冷めた目でそれを見ている。
「まずだ、霖が別世界で勇者をやっていて、魔王討伐を行う。その際、霖は死亡、その後魔王は封印される。」
上の線の端にそれを順々に印をつけて書き込む。
霖は真剣に聞き入っていて、鳩になっている女神インディラさんは黙って聞いている。
表情はわからない。鳩だけに。
「で、死んだ際に、勇者の人生救済措置で、異世界、つまり俺たちの国に転生させられた訳だ。」
「その通りです。」
キネセンはそこから下の線を繋ぎ、霖誕生と書いた。
どうやら上が霖が勇者をやっていた世界で、下の線がこっちの世界らしい。
「で?霖は何も知らずにこっちで生きるが、ある時死亡する。多分、10年くらい前だろう。」
キネセンが下のラインに×をつける。
そして鳩に顔を向けた。
「どうしてこの時点でそっちに戻らなかったんだ??」
「それは起こるはずのないイベントでした。もし勇者が願いを叶えた後であったなら、そのイベントでこちらに戻って来る事もできたのですが……。」
「どういうこと??」
俺の疑問に、鳩はクルックーと鳴いた。
え?鳩なの??
女神じゃなかったの??
焦って目を白黒させた俺に鳩は言った。
「魔王の介入です。魔王は勇者の魂が異世界に転生している事に気付き、呼び戻すために、無理矢理緊急返還イベントを起こさせたのです。」
「え!?ならあの事故は、魔王の仕業なのですか!?」
鳩の言葉に、霖は立ち上がって尋ねた。
そりゃそうだよな?
ただの事故なら仕方ないけど、魔王が起こした事故となったら、ちょっとな。
鳩は小さく首をふった。
「そうとも言えるし、違うとも言えます。無理矢理イベントを起こしたのは魔王ですが、イベント自体は元々非常用にこちらが用意したものです。」
「よくわからんな?詳しく聞かせてもらえるか??」
キネセンは相変わらずノートをとりながら話を聞いている。
何だってあんなにノート取るんだろう??
場違いにも感心してしまった。
「本来、異世界に転生した勇者の魂は、寿命を全うしてこちらに還ってきます。しかし魔王の復活が早まったりした特別な場合、願いを叶えた後、強制的に帰還を早める為の緊急イベントが起こる事があります。それが死亡事故です。」
さらりと言った鳩に、珍しくキネセンがあからさまに顔をしかめた。
「勝手に送りつけておきながら、ずいぶんとまぁ乱暴だな。」
「そこは否定致しません。ですが余程の事がない限りそれは起こりません。何しろ勇者の魂だからと言って、毎回、その勇者ひとりに頼りきっている訳ではないのですから。」
「え?そうなの??」
妙に霖にこだわってたみたいだから、てっきり勇者はずっと勇者で、世界にひとつしかない魂なのかと思っていた。
キネセンもそうだと思っていたようで、少し驚いている。
ちらりと霖を見て、顔を戻した。
「なら、霖以外にも勇者がいると言うことか。」
「はい。1度勇者となったからと言って、毎回勇者である訳ではありません。そもそも勇者と言うのは、素質を一定以上持ち合わせている魂の事です。ですから素質を一定以上持っていれば、誰でも勇者になれます。ですがそう言った魂は少ない為、1度勇者となった場合やはり選ばれやすいのが現状です。その時の勇者とならなくても、それを導く役目であったり、共に旅をする仲間であったりと、素質があるゆえに近しい役割になることが多いのです。」
は~。勇者って大変だな??
1度なると、ずっとにたような状況に毎回なるんだ??
とは言え、霖が勇者ってのは本当、まだ信じられないんだけどさ。
こんな可愛い勇者がいたら、戦わせられないよ、俺なら。
「……なるほど。突っ込みたい部分はたくさんあるが、ひとまず置いておいて……。とにかく霖には緊急返還イベントが起きたんだな?魔王が無理矢理ストーリーの書き換えを行って??」
「そうです。魔王はここで霖と呼ばれている勇者に何故か酷く執着しています。その為、半ば覚醒した状態に入ると、魂の願いを叶える為にこの世界に来た勇者を見つけ出だし、すぐさま呼び戻そうとストーリーを書き換え緊急イベントを起こしたのです。」
キネセンはこっちの世界の霖の死亡の×印から上に線を繋ぎ、上の線のところに「魔王が介入、死亡イベント起こす」と書いた。
「で?何で霖はそこで戻らず、ここで幽霊になってるんだ??」
「それは私たちも予想もしていなかった事でした。緊急イベント自体が魔王によってプログラムをねじ曲げられ無理矢理起こされたこと、本来の緊急イベントはたくさんの神々の承認があって行われる為そのプロセスがなかったこと、そして勇者が勇者たる故に魔王の力に対し反発を起こした事で、プログラムがバグを起こしたのです。」
「……つまり、全てが全員にとって予想外の事であり、総じて想定外の事が起きたって訳だ。」
「ええ。その為、緊急イベントも正常に動かず、この世界で勇者は死亡したにも関わらず通常プログラムはまだ動いていて、願いを叶える為にここに勇者を運びました。」
「学校に??」
何で?と言う言葉が全員の頭に浮かんだ。
キネセンはノートを取る手が一瞬止まったし、霖と俺は顔を見合わせた。
しかし鳩こと女神インディラは気にせず話し続けた。
「ここが一番、勇者の願いを叶えるに相応しい場所だったからです。しかしこの世界で死亡した為に送ったはいいのですが、プログラムも私たちも勇者の魂を見失いました。何故なら死亡したなら緊急イベントの力で元の世界に還ったはずだったからです。この2つのイベントが同時に動いた為、勇者の魂とイベントプログラムの接続が切れてしまい、長い間、勇者は死亡したにも関わらずこの世界に残り、願いを叶える場所とされた学校に縛られ続けたのです。」
やっと、何で霖がここにいるかがわかった。
それは霖のこの世界での記憶とは関係なく、前世の魂の願いのせいだった。
何ともスッキリしたようだが、逆にスッキリしない。
「……え?霖の叶えたかった願いって何なの??」
そんでもって、何で学校なの??
学校で何がしたかったの??
俺は不思議に思って、霖を見つめた。
霖は話を聞いていて色々思い出してきたのか、少し考え込んだ後、あっ!と叫んで真っ赤になった。
赤くなって俯き、小さくなる霖が可愛い。
そんな反応をするって何なんだ??
何だか甘酸っぱい雰囲気があって、俺は物凄く気になっていた。
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