死にたがりの僕は言葉のわからない異世界で愛されてる

33◆みつかる獲物(ナイトメア視点

アレは見事に愛しい者をみつけた。

邪魔者が愛しい者を隠したままでも、もう愛しい者の居場所はわかってしまったのだ。

少し味が悪くなってしまったようだから、美味しくするために周りの者を操る。

早く美味しくなって、私に最後の美食を堪能させてくれ。



……一つ懸念があるとするならば、愛しい者を愛する二人の人間だ。

奴らには私の力が跳ね返されてしまう。

邪魔者が何かしたのだろうか？

だが、私の力がダメでもアレがいる。

二人がアレを気に入れば、愛しい者よりアレを愛せば、愛しい者は今度こそ私の下へくるだろう。



愛しい者には再び私の力で幻影をみせている。

前は愛しい者の父親の姿だったが、今回は愛しい者自身の姿だ。

その幻影がマイナスの言葉を紡げば、まるでそれは自身の深層心理の言葉のよう。

愛しい者の心を苛み、早く愛しい者を私の下へと誘ってくれるだろう。