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28◆僕の愛し方(フラン視点

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僕は貴方だけのもの。

フランという名も貴方がつけた大切な僕の宝物。

僕は貴方のためなら身体も命も魂も、全てを捧げてどんな存在にだってなってみせる。

例え、人々から神子として祀り上げられる存在になっても……。

例え、魔を封じるための人柱という存在になっても……。

……これは愛。

少なくとも、これが僕の愛し方。

僕はただ、叶わぬ愛に目を逸らしただけだった。

だから、この身を捧げることで貴方を愛した。

それを貴方が愛だと思わなくても、それで貴方が泣いてしまっても、僕はそうする以外の答えを知らないから……。

貴方を傷つけるってわかっているのに、役に立つことでしか貴方に愛を伝えられない僕のせいで、貴方は僕を失ってしまった。

貴方の心が絶望に染まってしまっても、世界が平和になれば貴方を幸せにできると僕は信じていた。

……貴方の隣に僕がいなくても、貴方が二度と笑えなくても、貴方の神という立場はそれを【幸せ】だとする。

……まるで、愛は呪いのようだよね。

こんな愛し方しかできない僕を、貴方は愛し続けるのだろう。






僕はアナタをアイしている。

誰よりも尊いアナタだから、世界はアナタのモノにならなくてはならない。

……だけど、どうして僕は悲しいのだろう。

こんなにアナタをアイして、アナタにアイされて、シアワセなのに……。

アナタのために働けて、シアワセなのに……。

何か、大切なことを忘れている気がする。

まるで、誰かを裏切っているような……。

……けれど、思い出そうとしたらアナタへのアイが溢れて、何も思い出せないまま。

アナタのために、僕は僕をみつけなくちゃいけない。

みつけたらアナタは喜んでくれるよね。

そして、世界はアナタのモノになる。

アナタが世界を手に入れたら、アナタはシアワセになれる。

アナタをシアワセにすることが僕の愛し方。



僕はフラン。

フランは大切な名前。

僕の宝物だ。

……でも、僕はその理由を思い出せない。
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