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23◆言葉学習中
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あれからたぶん一週間ぐらい過ぎた。
アイレンとヒスイが積極的に言葉を教えてくれるから、僕は少しずつ言葉を覚え始めた。
おかげで、拙いけれど皆と意思疎通できるようになったんだ。
まぁ、まだ子供レベルだけどね。
今は言葉を覚えることに集中しているから、敬語とか難しい単語とかは後回しって教育方針なんだってアイレンが言ってた。
「ヒジリ君、これはなんですか?」
「アイレン、これはりんごだよ。赤くて、中は白くて、美味しいよ」
「はい!ヒジリ君、お上手ですね」
「アイレン、ありがとう」
言葉の勉強のために、今はりんごの説明というものをしている。
まだりんごの味を語れるほど言葉を学習してはいない。
でも、今はこれで充分らしい。
エスターとマリウスは仕事が忙しくて、ずっと僕のそばにいられないけれど必ず毎日会いに来てくれる。
ちょっと寂しいけれど、わがままは言えないよね。
だって、嫌われちゃうから……。
今のところ、僕にできる二人の役に立つことは言葉を覚えることだ。
何をするにも、言葉がわからないと僕は何もできないと理解したから。
あの追いかけっこの日に……。
まぁつまり、急がば回れだよね。
そろそろ言葉も覚えてきたということで、僕は僕のことを聞かれることになった。
エスターとマリウスと、セドリック様という人にいろいろ質問されるみたい。
……事情聴取ってやつかな?
セドリック様は偉い人だから、様をつけないといけないらしい。
ソファで、真ん中に僕で左右はエスターとマリウスで一緒に座る。
真正面はセドリック様だ。
机には美味しそうな甘い系のお菓子がたくさん用意されていた。
……甘いもの好きなのかな?
「それでは、質問していくからね。君の名前は?」
「僕の名前はヒジリだよ」
名字はもう名乗らなくていいよね。
ここ異世界だし……。
「性別は?」
「男の子だよ」
すでに分かっていることでも、こうして会話をすることで僕の言語理解力を上げることは大事らしい。
「君の年齢は?」
「17 歳だよ」
「「「えっ!?」」」
「?」
驚愕してしまった三人に、どうしたのかと思う。
エスターは言い難そうに理由を話してくれた。
「その……10にも満たない子供だと思っていたから……」
「……」
なんか納得した。
明らかな子供服とか靴とか、玩具やぬいぐるみをたくさん用意されていたのは、そういう理由だったんだな……。
「出身は?」
「……わからない」
日本とか地球とか異世界とか……多分言ってもわからないんじゃないかなと思ったから、僕はわからないとだけ答えておいた。
その方が無難だよね。
「家族は?」
「……いない」
僕を捨てた母さんのことも、僕を虐げていた父さんのことも、話す気になれない。
もう家族なんかじゃないから、いないって言っても嘘にならないよね……?
俯く僕に対して何を思っているのか、三人は悲痛な表情で僕をみつめるのだった。
アイレンとヒスイが積極的に言葉を教えてくれるから、僕は少しずつ言葉を覚え始めた。
おかげで、拙いけれど皆と意思疎通できるようになったんだ。
まぁ、まだ子供レベルだけどね。
今は言葉を覚えることに集中しているから、敬語とか難しい単語とかは後回しって教育方針なんだってアイレンが言ってた。
「ヒジリ君、これはなんですか?」
「アイレン、これはりんごだよ。赤くて、中は白くて、美味しいよ」
「はい!ヒジリ君、お上手ですね」
「アイレン、ありがとう」
言葉の勉強のために、今はりんごの説明というものをしている。
まだりんごの味を語れるほど言葉を学習してはいない。
でも、今はこれで充分らしい。
エスターとマリウスは仕事が忙しくて、ずっと僕のそばにいられないけれど必ず毎日会いに来てくれる。
ちょっと寂しいけれど、わがままは言えないよね。
だって、嫌われちゃうから……。
今のところ、僕にできる二人の役に立つことは言葉を覚えることだ。
何をするにも、言葉がわからないと僕は何もできないと理解したから。
あの追いかけっこの日に……。
まぁつまり、急がば回れだよね。
そろそろ言葉も覚えてきたということで、僕は僕のことを聞かれることになった。
エスターとマリウスと、セドリック様という人にいろいろ質問されるみたい。
……事情聴取ってやつかな?
セドリック様は偉い人だから、様をつけないといけないらしい。
ソファで、真ん中に僕で左右はエスターとマリウスで一緒に座る。
真正面はセドリック様だ。
机には美味しそうな甘い系のお菓子がたくさん用意されていた。
……甘いもの好きなのかな?
「それでは、質問していくからね。君の名前は?」
「僕の名前はヒジリだよ」
名字はもう名乗らなくていいよね。
ここ異世界だし……。
「性別は?」
「男の子だよ」
すでに分かっていることでも、こうして会話をすることで僕の言語理解力を上げることは大事らしい。
「君の年齢は?」
「17 歳だよ」
「「「えっ!?」」」
「?」
驚愕してしまった三人に、どうしたのかと思う。
エスターは言い難そうに理由を話してくれた。
「その……10にも満たない子供だと思っていたから……」
「……」
なんか納得した。
明らかな子供服とか靴とか、玩具やぬいぐるみをたくさん用意されていたのは、そういう理由だったんだな……。
「出身は?」
「……わからない」
日本とか地球とか異世界とか……多分言ってもわからないんじゃないかなと思ったから、僕はわからないとだけ答えておいた。
その方が無難だよね。
「家族は?」
「……いない」
僕を捨てた母さんのことも、僕を虐げていた父さんのことも、話す気になれない。
もう家族なんかじゃないから、いないって言っても嘘にならないよね……?
俯く僕に対して何を思っているのか、三人は悲痛な表情で僕をみつめるのだった。
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