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2◆セシル視点
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私は魔王セシル。
私達は魔族と呼ばれる種族で、人間とは敵対している。
だが、ある日私は人間の子供に恋をした。
だから、私は子供を拐ってきたんだ。
それが、アンセスだ。
アンセスは最初、とても怯えて泣いていた。
人間としての常識があるから私に怯えてしまうと思って、私はアンセスの記憶を消したんだ。
記憶喪失になって人間としての常識を忘れたアンセスに、私は魔族の常識を教えた。
アンセスは私の婚約者なんだよと教えて、アンセスは納得してくれる。
私のための優しい嘘を、私はアンセスに教えたのだ。
だが、ある日アンセスは私に約束事をしてきた。
「セシル、僕は夢をみたんだ。僕は近い内に死んでしまう。だけど、悲しまないでね。僕はセシルの笑顔が大好きだから!」
アンセスが死ぬと言われて、私はたちの悪い冗談かと思ってしまう。
しかし、ある日アンセスに毒が盛られてアンセスは亡くなった。
私は犯人を許せなくて殺したが、犯人なんかよりもアンセスだ!
私はアンセスを蘇生させたが、アンセスは記憶を失っていた。
「貴方は誰?僕は誰?」
「………私がわかりませんか」
「ごめんなさい」
「貴方はアンセス。私はアンセスの婚約者のセシルですよ」
それから、アンセスはいろんな理由で死んだ。
その度に蘇生して、蘇生すると何故かアンセスの記憶もなくなってしまうのを繰り返した。
あの日の約束を私は忘れていない。
アンセスが死んでも、悲しまないために、笑顔でいられるように、何度も何度も蘇生する。
ずっと繰り返しているから、私達はいつまでも婚約者のまま関係は進まない。
アンセスが人間に連れ戻されたりしないように、私は嘘でアンセスを城から出さないように気をつけている。
………優しい嘘は私のため。
私達は魔族と呼ばれる種族で、人間とは敵対している。
だが、ある日私は人間の子供に恋をした。
だから、私は子供を拐ってきたんだ。
それが、アンセスだ。
アンセスは最初、とても怯えて泣いていた。
人間としての常識があるから私に怯えてしまうと思って、私はアンセスの記憶を消したんだ。
記憶喪失になって人間としての常識を忘れたアンセスに、私は魔族の常識を教えた。
アンセスは私の婚約者なんだよと教えて、アンセスは納得してくれる。
私のための優しい嘘を、私はアンセスに教えたのだ。
だが、ある日アンセスは私に約束事をしてきた。
「セシル、僕は夢をみたんだ。僕は近い内に死んでしまう。だけど、悲しまないでね。僕はセシルの笑顔が大好きだから!」
アンセスが死ぬと言われて、私はたちの悪い冗談かと思ってしまう。
しかし、ある日アンセスに毒が盛られてアンセスは亡くなった。
私は犯人を許せなくて殺したが、犯人なんかよりもアンセスだ!
私はアンセスを蘇生させたが、アンセスは記憶を失っていた。
「貴方は誰?僕は誰?」
「………私がわかりませんか」
「ごめんなさい」
「貴方はアンセス。私はアンセスの婚約者のセシルですよ」
それから、アンセスはいろんな理由で死んだ。
その度に蘇生して、蘇生すると何故かアンセスの記憶もなくなってしまうのを繰り返した。
あの日の約束を私は忘れていない。
アンセスが死んでも、悲しまないために、笑顔でいられるように、何度も何度も蘇生する。
ずっと繰り返しているから、私達はいつまでも婚約者のまま関係は進まない。
アンセスが人間に連れ戻されたりしないように、私は嘘でアンセスを城から出さないように気をつけている。
………優しい嘘は私のため。
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