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5◆タコの足を焼いたタコ焼き

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僕は、ミーシャの話を聞いて泣いてしまった。

「ふえぇっ!」

号泣する僕をキョトンとみつめるミーシャの手を、慰めるようにタコ足で握る。

「うぅ…ミーシャ、これからは僕が絶対に幸せにするからね!」

「ありがとう。タコの助」

タコならではのヌルヌルをミーシャは気にせず、僕の身体を持ち上げて優しく抱きしめてくれた。

僕はミーシャの胸でたくさん泣いて、泣き止んだ頃にはミーシャと一緒に寝ていたのだった。



起きた後、僕は自慢の料理を振る舞うことにする。

僕のタコ足を切って焼いたタコ焼きだ。

「えいっ」

ザクッ!

「えっ!?」

いきなり僕が自分の足を風の刃で切るから、ミーシャはびっくりしている。

「タコの助、何してるの!?」

「料理をしようと思って!僕のタコ焼き美味しいんだよ!」

「えぇ……痛くないの?」

「痛覚ないんだ。あと、切ってもすぐに再生するよ。ほら」

「あ、本当だ」

切ってしまったタコ足は元通りに再生していた。

たぶん僕って、よほどのダメージくらわないと即再生するタコなのかもしれない。

まぁ特殊なタコだから、そんなこともあるよね!

僕は切った足に棒を刺して、火の魔法で燃やしてタコ焼きの完成!

あとはお好みで塩を振るのが僕のオススメだよ。

「できたよ!熱いからふーふーしてね」

「ありがとう。ふーふー……あむっ!んっ!?ムグムグ……美味しい!!」

「良かった!」

「な、なんだかすごく元気になってきた。今ならたくさん走れそう」

「そういえば、僕ってレア素材らしいから、足一本でも万能薬みたいな効果あるって前にヤーシュ様が言ってたなぁ」

「ふぁっ!?」



ヤーシュ様は、もしかしたら僕が何者なのか知ってるのかな?

僕は僕が特殊ってことしかわかっていない。

……特殊だったから、僕には今まで種族的な仲間はいなかった。

仲良くしてくれるのは、いつもタコ以外の種族達。

それを寂しいとは思わなかったけど、家族がいなかったのはちょっと寂しかったかも。

僕には生みの親も育ての親もわからないから。

気づいたら、海の底で生きていた。

陸に出た際に初めて出会ったヤーシュ様が、何も知らない僕に色々教えてくれた。

だから、僕はヤーシュ様を心の中でお兄ちゃんと思っている。
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