上 下
2 / 12
てんやわんや

ちゃっかりリューミィ

しおりを挟む
 リューミィはちゃっかり朝食をいただいた。
 ポテトサラダにソバにコーラ。
 朝食を口に運ぶほどに体力が回復してきた。
「これ、はじめて食べたけど、おいしいね」
 リューミィはチホたちに微笑みかけた。
 
「チホー、ちょっと」
 レイワはチホをとなりの部屋に引っ張っていった。
「あんた、あのリューミィって子どーするつもりなの?」
「どーするって?」
「ずっと面倒見る気?シビアな話をするとうちにそんな余裕はないわよ」
「理由はよくわかんないけど、困ってるひとは放ってはおけないわ」
 レイワは一呼吸置いて、落ち着いた。
「そうね。ヒューマニズムはそう簡単には放棄できないわ。わたしたちでリューミィって子をできるかぎりサポートしていきましょう」
「それにしてもリューミィってかわいいね。リューミィに似合うお花でも摘んでこようかしら」
「ちょ、チホ?どこ行くのさ?仕事は?」
 チホはふらふらと外に出ていった。

 「後片付けぐらい手伝うわ」
 リューミィは食器を流しに持ってきた。
 「ええっと。お皿はどこに入れればいいのかしら?ここ?」
「ちょっと!そこはただの食器棚よ?洗ってない食器をそんなとこに入れるなんて!」 
「ごめんなさい。てっきり食洗機かと……」
 リューミィはテヘペロした。
 レイワは腰に手を当て仁王立ちで言った。
「食洗機?そんな便利なモノあるわけないじゃない。ウチに」
 リューミィはためにし、スポンジに泡を立てて食器を洗おうとしたが、どうも手つきが不慣れだ。
「あんた、もしかして、食器洗うのはじめて?まさか、どっかのお嬢様とか?お姫様じゃないわよね?」
 リューミィは複雑な表情を浮かべた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

99%のサイエンス

千田 陽斗(せんだ はると)
SF
オカルト雑誌編集者の大宮ノリカ、週刊誌編集者の九条レオ、レオの兄で甲斐性なしのオカルトマニアである九条マコト ひょんなことから3人は各地で起こる不思議なできごとを取材することになる -完全なものなんかこの世界にはない 最高の科学者でさえ99%しかこの世界を理解できない-

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日本国転生

北乃大空
SF
 女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。  或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。  ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。  その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。  ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。  その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

果てしなき宇宙の片隅で 序章 サラマンダー

緋熊熊五郎
SF
果てしなき宇宙の片隅で、未知の生物などが紡ぐ物語 遂に火星に到達した人類は、2035年、入植地東キャナル市北東35キロの地点で、古代宇宙文明の残滓といえる宇宙船の残骸を発見した。その宇宙船の中から古代の神話、歴史、物語とも判断がつかない断簡を発掘し、それを平易に翻訳したのが本物語の序章、サラマンダーである。サラマンダーと名付けられた由縁は、断簡を納めていた金属ケースに、羽根を持ち、火を吐く赤い竜が描かれていたことによる。

三界創世秘録設定資料集

きゅうちゃん
SF
人間界、魔界、天界の3つの世界

Imposter

Primrose
SF
2026年、ある少年は未来を見通す力を持っていた。そして同時に、彼の力を狙う者もいた。少年はいままでなんとか逃げてきたが、ある少女との出会いがきっかけとなり、物語は急展開を迎える。

処理中です...