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第五章 最後の決戦

第251話 アッサールvsセレスタン

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話しても埒が明かないセレスタンと戦うことになったアッサール。

セレスタンはレベル77で4つのスキルを保持している。


++++++++++++

【拳神 ★★★★★】・・格闘術が特級レベルになる。
【力50%UP ★★★】・・力が20分間50%UPする。MPを5分の1消費する。
【咆哮 ★★★】・・大きな声で複数の敵の動きを少しの間止める。効果はステータス値に依存。
【タイマン ★】・・1体1でビビらなくなる。

++++++++++++



「楽しみだぜぇぇ…。
 お前とは一度やってみたかったんだぁ!!」

タイマンで戦うのが好きなセレスタン。

実力派のアッサールと戦うのは純粋に胸が躍ることであった。


「わかってると思うが、お互い死なんようにやれよ?
 2人とも大事な戦力なんだからな?」

殺し合いにならないよう、ギルマスが釘を刺す。

2人は相手を見据えたまま、頷く。


「よし、では…はじめっ!!」

ギルマスの合図で飛び出したのは、セレスタン。

【力50%UP】を発動している。

セレスタンの拳を、斧の腹で受けるアッサール。

「いいねぇ!!
 行くぜぇ?
 行くぜ行くぜ行くぜぇぇえええ!!!」

ユニークスキル【拳神】を持つ自分の拳を軽々と止めるアッサールに血がたぎるセレスタン。

セレスタンの弾幕がアッサールを襲う。

しかし、アッサールは一撃も被弾しない。

「やるなぁぁあ!
 自分を見失って斧を振り回してる姿しか知らねえから、びっくりだぜぇえ!!」

単純な攻撃力なら【バーサーカー】を使っていた頃のアッサールでも、セレスタンを上回っていた。

だが、1対1で戦えばセレスタンに軍杯が上がっていただろう。

接近戦の技術に大きな差があったからだ。

【バーサーカー】を使えば大きな力を得るが、大雑把な攻撃となる。


攻撃を全て受け止められ、一度距離をとるセレスタン。

「いいねぇ!
 【拳神】を持つ俺様の攻撃を捌き切るなんて、やるじゃねえかぁぁ!!
 確か代わりに【全能力50%UP】をもらったんだったなぁ?」

「…そうだが…、まだ使ってないぞ?」

「なぁ!?
 う、嘘つくんじゃねぇえ!!」

もちろん嘘ではなかった。

【成長促進】を使いレベル上限の100になったアッサールは、素の状態でもセレスタンの1.5倍ものステータスになっていた。

【力50%UP】を使っているため、力だけは互角。

さらに、セレスタンは知らないが、【斧神】により斧捌きも向上している。

余裕を持ってセレスタンの攻撃を受け止めることができていた。

「…嘘ではない。
 …が、言って信じる男ではなかったな。

 【全能力50%UP】。」

アッサールのステータスが全て1.5倍になり、力以外のステータスがセレスタンの倍以上に膨れ上がった。


「ふ、ふざけんなぁぁああ!!」

信じないとばかりに拳や蹴りを繰り出すセレスタン。

しかし、今度は全て躱され、かすりもしない。


「ば、バカなぁ…。
 こ、こんなに差がぁ…!?」

アッサールがこの短期間で別人とも言える強さになったことに、理解が追いつかない。

「だがぁ!
 俺様はタイマンでは、絶対に負けん!!」

拳に力を込めるセレスタン。

「ユニークスキルの[武技]は強力すぎるから使うつもりはなかったがぁ…、今のお前なら死ぬことはないだろぉ。
 いくぞぉぉおおおお!!!」

セレスタンは相手の動きを止める【咆哮】を使った。

【咆哮】で動きを止めて、【拳神】の[武技]を叩き込むのがセレスタンの鉄板コンボ。

だが、これだけのステータス差があれば効果がないことはわかっていた。

自分を鼓舞するために吠えた。


凄まじい威力の拳がアッサールに襲いかかる。

避けようと思えば避けられるが、斧で向かい打つアッサール。


セレスタンが拳にはめているナックルと、アッサールの斧がぶつかり合う。


ブシュッ!


わずかに押し勝ったセレスタンの[武技]が、アッサールの腕に切り傷をつける。

しかし、【再生】ですぐに回復する。


「…俺様の[武技]でそれだけの傷しか与えられないとはぁ…。
 どれだけ強いんだよぉ?」

落胆と同時に、勝つ可能性がわずかでも残ったと考えるセレスタンに、アッサールが追い討ちをかける。

「…俺は[武技]を使ってないぞ?」

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