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第四章 世界中が敵
第206話 全滅!?
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(【スキルスナッチ】!)
分裂体を消滅させたS級魔族へ向かってノーモーションで【スキルスナッチ】を放つロック。
しかし…!
スキルを奪うことは叶わなかった。
明らかに避ける動作をした後、ロックが気付いた時には目の前にまで迫っていた。
「くっ…!」
斧による強力な一撃がロックを襲う。
【深淵の闇】によりダメージは受けないが、一撃でものすごい量のダメージが蓄積する。
しかも、[武技]ではない、通常の攻撃だ。
ティナやミラの援護があるため、ロックを相手にしながら[武技]を使うのは簡単ではないらしい。
しかし、持ってあと2~3発か…?
次の攻撃が来る瞬間に再び【スキルスナッチ】を発動する。
だが、やはり距離をとって避けられた。
魔族やボスモンスターたちにはロックの【スキルスナッチ】の脅威が伝えられていた。
ノーモーションとはいえ、発動するには集中が必要となる。
ある程度以上の実力者なら1対1で向き合っていれば、気付くことは難しくない。
ただ、【バーサーカー】を使った状態でそこまで判断ができるのはこのS級魔族の他にはいないだろう。
3度目の斧による攻撃を喰らう。
[武技]ではないため耐えられているが、それでもあと一撃といったところ。
一か八か、闇玉をカウンターで放つ。
その闇玉を当然のように避けるS級魔族。
闇玉を放つことで大きな隙ができたロック。
[武技]による一撃を急所にもらってしまった。
ティナとミラの援護があるが、その後も続けて2発の攻撃を受ける。
闇玉を放ったことで、ダメージ量はリセットされているが、闇玉を使うことによるデメリットは思った以上に大きいようだ。
またすぐにでも闇玉を放ってダメージをリセットしなければ、もう持たない。
再び闇玉を放とうとするロック。
その隙を見逃してくれる相手であればこれほど苦戦していないだろう。
ロックのダメージ許容量を超えるであろう一撃を繰り出してくるS級魔族。
……その一撃は振り抜かれることはなかった。
「ロック、大丈夫か!?」
ロックの限界を察知したファルクの[武技]により、ロックはS級魔族の斧をもらわずに済んだ。
「ありがとうございま…」
お礼を伝える間もなく、S級魔族が再度攻撃を仕掛けてくる。
ロックを守るようにファルクが立ちはだかる。
「オラっ!」
ファルクが槍で薙ぎ払うように迎撃するが、S級魔族はその槍を軽々と弾き、ファルクに襲いかかる。
ロックが闇玉で狙うが、やはり当たらない。
「ぐほっ…。」
S級魔族は闇玉を躱しながらファルクを蹴り飛ばす。
ティナとミラの援護をいなしながら、S級魔族がロックに迫る。
ロックも応戦するが、一方的に攻撃を受ける。
ダメージがどんどん蓄積していく。
あと一撃で許容量を超える、そのタイミングでファルクが復帰した。
回復し、シールドを掛け直したのだが、一撃でシールドが破壊され、HPも大きく削られた。
「【豪龍化】!」
フォースドラゴンに変身することでHPを倍に増やし、ロックの壁となるファルク。
それでも一撃分の時間しか稼げない。
一撃もらい瀕死になったファルクを、今度はロックが庇おうとする。
S級魔族の斧は無慈悲に振り下ろされる。
ドゴッ…!
振り下ろされた斧が命中したのはロックでもファルクでもなかった。
ティナとミラだった。
2人がかりで命を刈り取るべく振われた斧を止めた。
2人のシールドは破壊され、さらにダメージを受けている。
S級魔族は範囲攻撃の[武技]を放つための予備動作に入った。
止められるものはもう誰もいない。
斧が振り切られた後には硬直したロックと3人の死体が残ることになる。
4人はそれぞれが身を挺して仲間を救うために身体を動かす。
止められないなら、せめて仲間を救うために1人で受け止めようと。
その時、…異変が起きた。
分裂体を消滅させたS級魔族へ向かってノーモーションで【スキルスナッチ】を放つロック。
しかし…!
スキルを奪うことは叶わなかった。
明らかに避ける動作をした後、ロックが気付いた時には目の前にまで迫っていた。
「くっ…!」
斧による強力な一撃がロックを襲う。
【深淵の闇】によりダメージは受けないが、一撃でものすごい量のダメージが蓄積する。
しかも、[武技]ではない、通常の攻撃だ。
ティナやミラの援護があるため、ロックを相手にしながら[武技]を使うのは簡単ではないらしい。
しかし、持ってあと2~3発か…?
次の攻撃が来る瞬間に再び【スキルスナッチ】を発動する。
だが、やはり距離をとって避けられた。
魔族やボスモンスターたちにはロックの【スキルスナッチ】の脅威が伝えられていた。
ノーモーションとはいえ、発動するには集中が必要となる。
ある程度以上の実力者なら1対1で向き合っていれば、気付くことは難しくない。
ただ、【バーサーカー】を使った状態でそこまで判断ができるのはこのS級魔族の他にはいないだろう。
3度目の斧による攻撃を喰らう。
[武技]ではないため耐えられているが、それでもあと一撃といったところ。
一か八か、闇玉をカウンターで放つ。
その闇玉を当然のように避けるS級魔族。
闇玉を放つことで大きな隙ができたロック。
[武技]による一撃を急所にもらってしまった。
ティナとミラの援護があるが、その後も続けて2発の攻撃を受ける。
闇玉を放ったことで、ダメージ量はリセットされているが、闇玉を使うことによるデメリットは思った以上に大きいようだ。
またすぐにでも闇玉を放ってダメージをリセットしなければ、もう持たない。
再び闇玉を放とうとするロック。
その隙を見逃してくれる相手であればこれほど苦戦していないだろう。
ロックのダメージ許容量を超えるであろう一撃を繰り出してくるS級魔族。
……その一撃は振り抜かれることはなかった。
「ロック、大丈夫か!?」
ロックの限界を察知したファルクの[武技]により、ロックはS級魔族の斧をもらわずに済んだ。
「ありがとうございま…」
お礼を伝える間もなく、S級魔族が再度攻撃を仕掛けてくる。
ロックを守るようにファルクが立ちはだかる。
「オラっ!」
ファルクが槍で薙ぎ払うように迎撃するが、S級魔族はその槍を軽々と弾き、ファルクに襲いかかる。
ロックが闇玉で狙うが、やはり当たらない。
「ぐほっ…。」
S級魔族は闇玉を躱しながらファルクを蹴り飛ばす。
ティナとミラの援護をいなしながら、S級魔族がロックに迫る。
ロックも応戦するが、一方的に攻撃を受ける。
ダメージがどんどん蓄積していく。
あと一撃で許容量を超える、そのタイミングでファルクが復帰した。
回復し、シールドを掛け直したのだが、一撃でシールドが破壊され、HPも大きく削られた。
「【豪龍化】!」
フォースドラゴンに変身することでHPを倍に増やし、ロックの壁となるファルク。
それでも一撃分の時間しか稼げない。
一撃もらい瀕死になったファルクを、今度はロックが庇おうとする。
S級魔族の斧は無慈悲に振り下ろされる。
ドゴッ…!
振り下ろされた斧が命中したのはロックでもファルクでもなかった。
ティナとミラだった。
2人がかりで命を刈り取るべく振われた斧を止めた。
2人のシールドは破壊され、さらにダメージを受けている。
S級魔族は範囲攻撃の[武技]を放つための予備動作に入った。
止められるものはもう誰もいない。
斧が振り切られた後には硬直したロックと3人の死体が残ることになる。
4人はそれぞれが身を挺して仲間を救うために身体を動かす。
止められないなら、せめて仲間を救うために1人で受け止めようと。
その時、…異変が起きた。
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