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第四章 世界中が敵

第200話 イシュメルとの再会

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ヴァラーハ坑道の中を進む4人。


「ところでイシュメルさん、住処変えてたりしないかしら?」

「あ…。」


途中まで進んだところで、ティナが発した言葉にロックが固まる。

鍛冶師であるイシュメルは居場所を転々と変える生活をしているのだ。

前回も案内人が知っている場所から住処を移していて、見つけるのに時間がかかった。


「ミラ、【気配察知】で広範囲を探ってみてくれないかな?」

「いいよ!」

範囲を広げるためバフをかけて魔力を上げた状態で【気配察知】を使うミラ。


「ん~、なんかモンスターと違う気配がある!」

「行ってみよう!」


気配を頼りに進んだが、ソロの冒険者だった。

その後も別の気配を感じたので、そちらの方に進んだ。


「あれ!?
 行き止まりだよ!?」

「良かった!
 まだこの坑道にいたんだ!」

「どういうことだ?」

「え~と、どこかに入り口が…。」


ロックとティナが壁を探り始めた。


「あ、あったわよ!」

言われないとわからないほどの、わずかな岩の切れ目。

そこに手をかけ力をこめると、ギ…ギ…ギ… と扉が開いた。

「これはわかんねえわ…。」

「秘密基地みたいだね!!」


扉を開け、声を掛ける。

「イシュメルさーん!!
 いらっしゃいますか~?」

「イシュメルさ~ん!」


「…お?
 その声はもしかして…?」

奥からイシュメルの声がする。

そしてイシュメルはすぐに姿を見せた。


「おお~~!!
 久しぶりだな!
 1年ぶりか??」

「お久しぶりです!」

「お久しぶりです。
 そうか、あれから1年も経ったのね。」

「うんうん!
 元気で良かった!
 ここにきたってことは…?」

「はい!
 ボスモンスター、倒してきました!」

「まじか!!
 すげえな、お前ら!
 後ろの2人は仲間か?」

「はい!
 大事な仲間です!
 ミラと、ファルクさんです!」

「よろしくな。」

「よろしくです!」

「どうも。」

「まあとりあえず中に入りな。」

イシュメルに案内され、4人は中へ。


「それで?
 どのボスモンスター倒したんだ!?」

「キングベヒーモスです。」

「ん?
 それって確か…。」

「エスのヌビレティア森林のボスでした。」

「だ、だよな。
 別の大陸に渡ったのか!?」

「はい。」

ロックはチラリとファルクを見る。

「俺が【龍化】のスキルを持ってるんだ。」

「ほぉ~!
 そりゃまた珍しいスキルを。」

「あとですね、僕たちちょっと指名手配されてて…。」

「…は?」

呆気に取られてるイシュメルに、経緯を説明する。



「……そうか。
 思っていたよりも、闇が深いようだな…。」

「はい…。
 そして黒幕の男との力の差は絶望的です。
 ボスモンスターを倒せば力を弱くすることができるみたいなんですが、どのくらい弱くできるかわかりません…。
 倒すためには、イシュメルさんの武器が必要なんです。」

「…今のロックの強さで絶望的となると…、俺の武器も焼石に水かも知れねえな…。」
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