198 / 283
第四章 世界中が敵
第195話 力に溺れる者
しおりを挟む
キニアの握った涅槃珠から大きな光が溢れ、彼女の体の中に吸い込まれていった。
光が収まると、キニアがゆっくりと目を開いた。
「…バカたれ……。」
ハンナが悲しそうにボソッと呟いた。
それが聞こえているのか聞こえていないのか、キニアは気にした素振りも見せない。
どうやら自分のステータスを確認しているようだ。
「…くく……。」
「キニア…!」
ランとスーが鋭い目でキニアを睨みつける。
「くっくっく……。
ははははははははははははははははは!!!!
なんだいこれ!?
真面目にレベル上げするのが馬鹿みたいじゃないか!!」
「キニア、もう冗談じゃすまないよ?」
「あ?
ハンナ姐、いや、ハンナ!
何偉そうな口聞いてるんだい!?」
「あんた!
ハンナさんになんて口の聞き方を!」
「雑魚は黙っとけ!」
スーに対して強い口調で怒鳴りつけるキニア。
「ハンナ、あんたが偉そうにしてたのは国で一番強かったからだろう?
あたいのレベルを教えてあげようか?
…76だよ?
76!!!
68から一気に!!
これであたいもS級じゃないか!
ハンナ?
あんたのレベルはなんだっけ?
確か~、73だったよね~?」
「それがなんだい?」
「はははは!!
悔しくて負け惜しみかい!?
あたいは!!
あんたのレベルを超えて!
スキルも強いスキルが4つ!!
この国で一番強いのはあたいだ!!!」
「だからなんなの?
ハンナさんは、一番強いからって威張ったことも理不尽なことをしたこともない!
みんなを守ろうとがんばってた!
だからみんなに認められてたんだよ?」
スーがハンナを庇うように、でも辛そうに言葉を吐き出す。
「そうだよ。
全部ロックさんたちのおかげで強くなれたのに、その恩をあだで返すような真似して恥ずかしくないの?」
ランも続く。
しかし…
「だ~か~ら~!
雑魚は喋るんじゃないよ!
ねえ、あんたたち!」
キニアはロックたちに向かって話し出した。
「あんたたちの頼みを聞いて一緒に戦ってやったんだ。
素材ももらう権利はあるよね~~??」
「あ、あん……」
暴走を続けるキニアを怒鳴ろうとするハンナを制して、ロックが答えた。
「キニアさん、あなたに渡す素材は……ありません。」
「は!?
なんだって!?
なんでだ!?
理由を言え理由を!!」
「最初にお話しした通り、僕たちが求めているのはただ力をもっただけの冒険者じゃありません。
自分の利益のために人から何かを奪うような人は、魔王と変わらない。
そんな人に、渡すものは…ない。」
「…偉そうに……!
あ!
そういうことか!」
「?
なんですか?」
「あんたいやらしい目であたいの身体見てたもんね~?
おっぱい見せてやったらくれるかい?
特別に触らせてやってもいいよ??」
「な、な、なな何言ってるんですか!?
見てませんよ!」
「嘘つけ!
…なんなら一晩付き合ってやるよ?」
「キニアさん?
いい加減にしてもらえます?」
「あんたみたいなアバズレ、ロックは好みじゃないよ?」
ティナとミラがキレた。
ハンナが慌てて仲介に入る。
「すまない!
涅槃珠はきっとどうにかして返す!
私から言って聞かすから、勘弁して欲しい!!」
散々暴言を吐かれた相手を庇うハンナ。
「……うざいんだよ!!」
「うあっ…!」
そのハンナの背中を、キニアの斧が切り裂いた。
光が収まると、キニアがゆっくりと目を開いた。
「…バカたれ……。」
ハンナが悲しそうにボソッと呟いた。
それが聞こえているのか聞こえていないのか、キニアは気にした素振りも見せない。
どうやら自分のステータスを確認しているようだ。
「…くく……。」
「キニア…!」
ランとスーが鋭い目でキニアを睨みつける。
「くっくっく……。
ははははははははははははははははは!!!!
なんだいこれ!?
真面目にレベル上げするのが馬鹿みたいじゃないか!!」
「キニア、もう冗談じゃすまないよ?」
「あ?
ハンナ姐、いや、ハンナ!
何偉そうな口聞いてるんだい!?」
「あんた!
ハンナさんになんて口の聞き方を!」
「雑魚は黙っとけ!」
スーに対して強い口調で怒鳴りつけるキニア。
「ハンナ、あんたが偉そうにしてたのは国で一番強かったからだろう?
あたいのレベルを教えてあげようか?
…76だよ?
76!!!
68から一気に!!
これであたいもS級じゃないか!
ハンナ?
あんたのレベルはなんだっけ?
確か~、73だったよね~?」
「それがなんだい?」
「はははは!!
悔しくて負け惜しみかい!?
あたいは!!
あんたのレベルを超えて!
スキルも強いスキルが4つ!!
この国で一番強いのはあたいだ!!!」
「だからなんなの?
ハンナさんは、一番強いからって威張ったことも理不尽なことをしたこともない!
みんなを守ろうとがんばってた!
だからみんなに認められてたんだよ?」
スーがハンナを庇うように、でも辛そうに言葉を吐き出す。
「そうだよ。
全部ロックさんたちのおかげで強くなれたのに、その恩をあだで返すような真似して恥ずかしくないの?」
ランも続く。
しかし…
「だ~か~ら~!
雑魚は喋るんじゃないよ!
ねえ、あんたたち!」
キニアはロックたちに向かって話し出した。
「あんたたちの頼みを聞いて一緒に戦ってやったんだ。
素材ももらう権利はあるよね~~??」
「あ、あん……」
暴走を続けるキニアを怒鳴ろうとするハンナを制して、ロックが答えた。
「キニアさん、あなたに渡す素材は……ありません。」
「は!?
なんだって!?
なんでだ!?
理由を言え理由を!!」
「最初にお話しした通り、僕たちが求めているのはただ力をもっただけの冒険者じゃありません。
自分の利益のために人から何かを奪うような人は、魔王と変わらない。
そんな人に、渡すものは…ない。」
「…偉そうに……!
あ!
そういうことか!」
「?
なんですか?」
「あんたいやらしい目であたいの身体見てたもんね~?
おっぱい見せてやったらくれるかい?
特別に触らせてやってもいいよ??」
「な、な、なな何言ってるんですか!?
見てませんよ!」
「嘘つけ!
…なんなら一晩付き合ってやるよ?」
「キニアさん?
いい加減にしてもらえます?」
「あんたみたいなアバズレ、ロックは好みじゃないよ?」
ティナとミラがキレた。
ハンナが慌てて仲介に入る。
「すまない!
涅槃珠はきっとどうにかして返す!
私から言って聞かすから、勘弁して欲しい!!」
散々暴言を吐かれた相手を庇うハンナ。
「……うざいんだよ!!」
「うあっ…!」
そのハンナの背中を、キニアの斧が切り裂いた。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
無能を装って廃嫡された最強賢者は新生活を満喫したい!
えながゆうき
ファンタジー
五歳のときに妖精と出会った少年は、彼女から自分の置かれている立場が危ういことを告げられた。
このままではお母様と同じように殺されてしまう。
自分の行く末に絶望した少年に、妖精は一つの策を授けた。それは少年が持っている「子爵家の嫡男」という立場を捨てること。
その日から、少年はひそかに妖精から魔法を教えてもらいながら無能者を演じ続けた。
それから十年後、予定通りに廃嫡された少年は自分の夢に向かって歩き出す。
膨大な魔力を内包する少年は、妖精に教えてもらった、古い時代の魔法を武器に冒険者として生計を立てることにした。
だがしかし、魔法の知識はあっても、一般常識については乏しい二人。やや常識外れな魔法を使いながらも、周囲の人たちの支えによって名を上げていく。
そして彼らは「かつてこの世界で起こった危機」について知ることになる。それが少年の夢につながっているとは知らずに……。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える
ジャック
ファンタジー
私立三界高校2年3組において司馬は孤立する。このクラスにおいて王角龍騎というリーダーシップのあるイケメンと学園2大美女と呼ばれる住野桜と清水桃花が居るクラスであった。司馬に唯一話しかけるのが桜であり、クラスはそれを疎ましく思っていた。そんなある日クラスが異世界のラクル帝国へ転生してしまう。勇者、賢者、聖女、剣聖、など強い職業がクラスで選ばれる中司馬は無であり、属性も無であった。1人弱い中帝国で過ごす。そんなある日、八大ダンジョンと呼ばれるラギルダンジョンに挑む。そこで、帝国となかまに裏切りを受け─
これは、全てに絶望したこの世界で唯一の「無」職の少年がどん底からはい上がり、世界を変えるまでの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カクヨム様、小説家になろう様にも連載させてもらっています。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる