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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第61話 魔武器を求めて⑨

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「ロック!
 大丈夫??」

「ごめんね、油断してたよ…。
 でも、あのゴーレムから【下級回復魔法】を奪えたんだ。

 えーと、…[ヒール]。」

攻撃魔法と違って、回復魔法と特殊魔法は使える魔法が固定されている。

イメージして自分で魔法を作り上げる必要なはない。

HPを回復することができる魔法は、下級から上級に上がるにつれ効果も高くなる。


////////////////////////

[ヒール]・・魔力×2と同等のHPを回復する(消費MP10)。アンデット系にはダメージ。

[ミドルヒール]・・魔力×5と同等のHPを回復する(消費MP30)。アンデット系にはダメージ。

[ハイヒール]・・魔力×10と同等のHPを回復する(消費MP60)。アンデット系にはダメージ。

////////////////////////


スキル説明にはないが、これに治せる症状も違いがある。

[ミドルヒール]は傷や捻挫は治せるが骨折は治せない、など。


ロックの現在の魔力は791。

1582のHPを回復することができる。

3回の[ヒール]で全快することができた。


「ふうっ。」

「下級でも、回復魔法が使えるといいわね。」

「そうだね。
 でも、あの体力でゴーレムに回復魔法使われたら、苦戦するだろうなぁ。」

「Aランクエリアまで、気を引き締めていきましょう。」


Aランクエリアまではそこまで距離もなかったため、その後はトラブルもなく進んだ。


そして…。


「いたわね。」

「いたね。
 強敵だけど、頑張って倒そう。
 まずは、スキルを奪うことに集中するよ。」

「私はロックが奪いやすいようになるべく援護するわね。

 【全能力50%UP】!」

「お願いね。
 【隠密】!」

2人はミスリルゴーレムを発見。

こちらに気づいていないので、先制攻撃をしかけた。

20mまで近づき、スキルを発動。


(<スキルスナッチ>!)


『どのスキルを奪いますか?』

『【武闘家】スキル
 【力30%UP】スキル
 【中級回復魔法】スキル』


(強いスキルばかり!
 まずは…、【武闘家】!)


『【武闘家】スキルを奪いました。どのスキルと入れ替えますか?』


「【下級回復魔法】!」


『【下級回復魔法】スキルは完全に消滅しますが、よろしいですか?』


「うん。」


『【下級回復魔法】スキルと【武闘家】スキルを入れ替えました。』



いつものように、スキルを奪われた敵は何が起きたかわからないといった様子。

その隙に、もう一度スキルを発動。

次は【力30%UP】を奪おうとする。

しかし、やはり攻撃に転じてくる。


「ゴォオオ!!」


拳を繰り出すミスリルゴーレム。

受け流そうとするが、スキルによって底上げされた力はロックより上。

A級モンスターともなると、一筋縄ではいかない。


「ぐっ…!」


1撃で4分の1ほどのHPを削られた。

その途中でティナの矢が当たったのだが、気に介せずロックへと照準を合わせる。


(この距離じゃ奪うのは辛いな…。)


ミスリルゴーレムがティナの攻撃に意識を向けないため、【スキルスナッチ】を発動する暇がない。


「ティナ、僕が攻撃を凌ぐから、攻撃し続けてくれ!」

大声でティナに指示を出す。


ティナの攻撃が矢継ぎ早に飛んでくる。

全ステータスが1.5倍になってるティナの攻撃は軽くない。

が、ミスリルゴーレムはロックに攻撃しながらも、ティナの矢を避けたり弾いたりしている。

それでも全てはかわせず、じわじわとゴーレムのHPが削れていく。


ロックは回避に専念しているため、ダメージは受けていない。

素早さがミスリルゴーレムを大きく上回っているため、完全に回避できている。

しかし、スキルを発動する余裕はない。


(少しだけこちらから意識がそれてくれたら…。)


我慢比べの様相を呈してきた。

スキルを奪ったが、ミスリルゴーレムの体捌きには違和感がない。

[武技]は使うが、技術はスキルに頼っていない、ということだろう。

スキルだけでなく、鍛錬が大事なことがよくわかる。


ポワァ。


ミスリルゴーレムのHPが半分ほどまで削られてきた頃、敵の全身が淡く光った。


(まさか、攻撃しながら!?)


【中級回復魔法】の[ミドルヒール]だ。

せっかく与えたダメージが全快したようだ。


「ゴオオォ!!」
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