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第一章 拒絶と旅立ち
第14話 肉体美
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村に帰ってきたロック・ティナ・カイルの3人。
2人はカイルにお礼を言って、ヨムじいさんの家に向かった。
「ヨムじいさーん、帰ってきました~!」
「おぉ、おかえり。
ケガはせんかったかの??」
「ちょっとダメージくらっちゃいましたけど、
この通り、元気です!」
「私は攻撃を受けずに済んだわ。
ロックが守ってくれたから。」
「ほぅ。
うまくやってるようじゃの。」
そのほっこりとしたやりとりの中、ロックだけが内心穏やかじゃない。
(…思いっきり鷲掴みしちゃってたからな…。
なんだか気まずい…。)
「おじいさん、装備まで貸してもらってありがとう。」
「あ、ありがとうございました!助かりました!」
「ええぞい。
場所が場所だけに、装備はある程度揃っておるからの。
レベルが上がったなら、次に行くときは別の装備にしなされ。」
「ありがとうございます!」
2日後。
カイルが2回目のレベル上げに連れて行ってくれることになった。
2人はレベルアップしたステータスに合わせて装備を見繕ってもらった。
それぞれのステータスは、
************
名前:ロック
パーティ:ラフリンクス
Lv:4
HP:501
MP:50
体力:45
力:43
素早さ:49
器用さ:42
魔力:48
スキル:
【力30%UP ★★】
【成長促進(パッシブ) ★★★★★】
【隠密 ★★★】
【誘惑 ★★】
【スキルスナッチ ★★★★★】
************
************
名前:ティナ
パーティ:ラフリンクス
Lv:7
HP:593
MP:86
体力:61
力:51
素早さ:53
器用さ:60
魔力:84
スキル:
【 】
【慈愛の祈り ★★★】
【全能力50%UP ★★★★】
************
装備できる武器は、攻撃力が「器用さ」以下、かつ「力×2」以下に限られる。
ロックは攻撃力42以下の武器、ティナなら60以下だ。
それぞれ、攻撃力40の剣、54の弓を貸してもらった。
自分たちで1から作って、自分たちで使う武器なので、名前はないらしい。
防具に関しては、自分の「体力」以下の装備ができるのだが、あいにくちょうどいいものがなかった。
武器と違ってサイズもバラバラ、防具職人もいなくて数が少ないらしい。
「武器だけですまんの。」
「いえいえ!
武器だけでもすっごく助かります!
ありがとうございます!!」
「気をつけてな。」
ヨムじいさんに見送られ、3人は出発した。
「今回はカッコ悪いところ見せないようにしなきゃな!」
前回、ワニのようなモンスターに腕を噛まれちゃった、引率者。
改めて気を引き締めてるようだ。
「あんな風に油断すると危険だから、くどいようだが油断は禁物だぞ!」
「わかりました!」
「気をつけるわ。」
気合を入れ、低レベル帯へ向かう3人。
「今日はあんまりモンスターに会わないな。
…む、リザードマンだ。」
リザードマンを発見したが、前回同様グループだったので、迂回。
迂回中、また池にあのシルエットが…。
「カエルがいるなぁ…。
クネクネ振り返ってるのが誘惑って知ったら、なんか戦いたくないぜ…。」
前回戦ったフリカエルというモンスターが変な動きをしていたのだが、【誘惑】スキルを使おうとしてたことがわかった。(第10話)
少し近づいてみると…、なんか違うカエル。
「お!
違ったぜ!
闘牛ガエルだ!」
「まだ遠くてよく見えないけど、すごいマッチョね…。」
「ああ。
あいつは敵だが、なにか通じるものがあるんだよな。」
筋肉を盛り上げてポーズをとるカイル。
「あのLvにしては力が強くて、ちょっと素早さが低い感じだな。
もしかしたら俺と同じスキル持ってるかもな?」
カイルは中級回復魔法と、もう1つスキルを持っている。
++++++++++++
【見栄っ張りな筋肉 ★】・・力が10%UPし、素早さが5%DOWNする。筋肉が必要以上に盛り上がる。
++++++++++++
回復術師なのに、筋肉ムキムキだ。
「ロック、スキル奪ってみたら?」
「え!?いや、だって、えーと…。
…あ!
スキル奪っちゃうと他のと入れ替えないといけないからね!
もうちょっとレベルの高いモンスターから奪いたいよね!」
「なんだ、ロック?
筋肉はいいぞ?
筋肉は正義だ。」
マッスルポーズをこれ見よがしに決めまくる。
「うーん。
やっぱり、ロックはそのままがいいわ。」
「そ、そう??
じゃあやめとくね!」
「やめんのか。
まぁ、あいつから筋肉を奪うのもいたたまれないしな。」
おしゃべりがすぎて、闘牛ガエルに気付かれた。
このパーティは本当に緊張感がない。
「気付かれたか!
ティナ、矢で攻撃してくれ。
本当なら筋肉ファイトをしたいが、少しでも経験値を稼ぐんだ。」
「筋肉ファイト…?
よくわからないけど、ありがとう、カイル。
レベル差があるから、スキルを使うわね。
<全能力50%UP>。」
スキルを発動し、矢を放つティナ。
だが、カエルの筋肉の壁でほとんどダメージがなさそうだ。
「おかしいな?
アイツのレベルならスキル使ったティナなら、もっと攻撃通りそうなもんだが…。
生き抜いてきた歴戦の筋肉なのかもしれん。」
(歴戦の…、筋肉?
あのスキルの筋肉って見せ筋じゃ…?)
なんてことは思っても、口には絶対に出せないロック。
だって、命の恩人ですし。
闘牛ガエルは闘牛並みのプレッシャー放ちながら突進してきた。
「ハッ!」
2本目の矢を放つティナ。
だが、やはりダメージはな少なそうだ。
3本目の矢が筋肉に阻まれたところで、カイルがカエルと組み合った。
「おぉ!
いい筋肉してやがんなぁ!
「ゲコ!」
「ふんっ!」
カイルがカエルをぶん投げた!
「ティナ、打てそうなタイミングで攻撃だ!」
「はい!」
着地地点を狙って攻撃するティナ。
着地と同時に、矢は気にもとめずカイルへ突進する闘牛ガエル。
その攻防を何度か繰り返し、筋肉バトルは幕を閉じた。
筋肉ファイトだっけ?
『レベルが上がりました。』
「やった!
レベルが上がったわ!
2つも!」
「やっぱりティナの★4スキルはすげえな。
レベル差がある敵にダメージを与えれば、確かに経験値はすごい。
だが、ダメージを与えることができねえんだよな。
1発1発は大したことなくても、半分近くはHP削ってたようだな。」
************
名前:ティナ
パーティ:ラフリンクス
Lv:7→9
HP:593→731
MP:86→104
体力:61→77
力:51→63
素早さ:53→69
器用さ:60→78
魔力:84→106
スキル:
【 】
【慈愛の祈り ★★★】
【全能力50%UP ★★★★】
************
「おおー!
どんどん強くなっていくね、ティナ!
僕もあげなきゃ、置いてかれちゃうな…!」
「ロックがレベル上がったら、すぐ追い抜かれちゃうわよ。
レベル上がるように一緒にがんばろうね。」
(うん!!がんばる!!!)
ティナの優しい言葉はむっつりのやる気をすぐに引き出す。
「あ、ところでカイルさん。
僕たちといる時に倒したモンスターは解体しないんですか?」
「解体は時間かかるからな。
前回みたいに、別行動の時にやっとくよ。」
「そうなんですね。
今さらですが、狩りの時間を奪っちゃってすみません。
早く強くなりますね。」
「がんばれよ!
だが、焦らなくていい。
焦りは死角を生む。
戦いの中でそれは死を招くからな。」
「はい。
ありがとうございます!」
「よし、行くぞ。」
(闘牛ガエル、お前の筋肉、今までの中で最高だったぞ。)
筋肉ファイトを心置きなくしてやれなかったことに心を痛めながら、次に進んでいくカイルだった。
2人はカイルにお礼を言って、ヨムじいさんの家に向かった。
「ヨムじいさーん、帰ってきました~!」
「おぉ、おかえり。
ケガはせんかったかの??」
「ちょっとダメージくらっちゃいましたけど、
この通り、元気です!」
「私は攻撃を受けずに済んだわ。
ロックが守ってくれたから。」
「ほぅ。
うまくやってるようじゃの。」
そのほっこりとしたやりとりの中、ロックだけが内心穏やかじゃない。
(…思いっきり鷲掴みしちゃってたからな…。
なんだか気まずい…。)
「おじいさん、装備まで貸してもらってありがとう。」
「あ、ありがとうございました!助かりました!」
「ええぞい。
場所が場所だけに、装備はある程度揃っておるからの。
レベルが上がったなら、次に行くときは別の装備にしなされ。」
「ありがとうございます!」
2日後。
カイルが2回目のレベル上げに連れて行ってくれることになった。
2人はレベルアップしたステータスに合わせて装備を見繕ってもらった。
それぞれのステータスは、
************
名前:ロック
パーティ:ラフリンクス
Lv:4
HP:501
MP:50
体力:45
力:43
素早さ:49
器用さ:42
魔力:48
スキル:
【力30%UP ★★】
【成長促進(パッシブ) ★★★★★】
【隠密 ★★★】
【誘惑 ★★】
【スキルスナッチ ★★★★★】
************
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名前:ティナ
パーティ:ラフリンクス
Lv:7
HP:593
MP:86
体力:61
力:51
素早さ:53
器用さ:60
魔力:84
スキル:
【 】
【慈愛の祈り ★★★】
【全能力50%UP ★★★★】
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装備できる武器は、攻撃力が「器用さ」以下、かつ「力×2」以下に限られる。
ロックは攻撃力42以下の武器、ティナなら60以下だ。
それぞれ、攻撃力40の剣、54の弓を貸してもらった。
自分たちで1から作って、自分たちで使う武器なので、名前はないらしい。
防具に関しては、自分の「体力」以下の装備ができるのだが、あいにくちょうどいいものがなかった。
武器と違ってサイズもバラバラ、防具職人もいなくて数が少ないらしい。
「武器だけですまんの。」
「いえいえ!
武器だけでもすっごく助かります!
ありがとうございます!!」
「気をつけてな。」
ヨムじいさんに見送られ、3人は出発した。
「今回はカッコ悪いところ見せないようにしなきゃな!」
前回、ワニのようなモンスターに腕を噛まれちゃった、引率者。
改めて気を引き締めてるようだ。
「あんな風に油断すると危険だから、くどいようだが油断は禁物だぞ!」
「わかりました!」
「気をつけるわ。」
気合を入れ、低レベル帯へ向かう3人。
「今日はあんまりモンスターに会わないな。
…む、リザードマンだ。」
リザードマンを発見したが、前回同様グループだったので、迂回。
迂回中、また池にあのシルエットが…。
「カエルがいるなぁ…。
クネクネ振り返ってるのが誘惑って知ったら、なんか戦いたくないぜ…。」
前回戦ったフリカエルというモンスターが変な動きをしていたのだが、【誘惑】スキルを使おうとしてたことがわかった。(第10話)
少し近づいてみると…、なんか違うカエル。
「お!
違ったぜ!
闘牛ガエルだ!」
「まだ遠くてよく見えないけど、すごいマッチョね…。」
「ああ。
あいつは敵だが、なにか通じるものがあるんだよな。」
筋肉を盛り上げてポーズをとるカイル。
「あのLvにしては力が強くて、ちょっと素早さが低い感じだな。
もしかしたら俺と同じスキル持ってるかもな?」
カイルは中級回復魔法と、もう1つスキルを持っている。
++++++++++++
【見栄っ張りな筋肉 ★】・・力が10%UPし、素早さが5%DOWNする。筋肉が必要以上に盛り上がる。
++++++++++++
回復術師なのに、筋肉ムキムキだ。
「ロック、スキル奪ってみたら?」
「え!?いや、だって、えーと…。
…あ!
スキル奪っちゃうと他のと入れ替えないといけないからね!
もうちょっとレベルの高いモンスターから奪いたいよね!」
「なんだ、ロック?
筋肉はいいぞ?
筋肉は正義だ。」
マッスルポーズをこれ見よがしに決めまくる。
「うーん。
やっぱり、ロックはそのままがいいわ。」
「そ、そう??
じゃあやめとくね!」
「やめんのか。
まぁ、あいつから筋肉を奪うのもいたたまれないしな。」
おしゃべりがすぎて、闘牛ガエルに気付かれた。
このパーティは本当に緊張感がない。
「気付かれたか!
ティナ、矢で攻撃してくれ。
本当なら筋肉ファイトをしたいが、少しでも経験値を稼ぐんだ。」
「筋肉ファイト…?
よくわからないけど、ありがとう、カイル。
レベル差があるから、スキルを使うわね。
<全能力50%UP>。」
スキルを発動し、矢を放つティナ。
だが、カエルの筋肉の壁でほとんどダメージがなさそうだ。
「おかしいな?
アイツのレベルならスキル使ったティナなら、もっと攻撃通りそうなもんだが…。
生き抜いてきた歴戦の筋肉なのかもしれん。」
(歴戦の…、筋肉?
あのスキルの筋肉って見せ筋じゃ…?)
なんてことは思っても、口には絶対に出せないロック。
だって、命の恩人ですし。
闘牛ガエルは闘牛並みのプレッシャー放ちながら突進してきた。
「ハッ!」
2本目の矢を放つティナ。
だが、やはりダメージはな少なそうだ。
3本目の矢が筋肉に阻まれたところで、カイルがカエルと組み合った。
「おぉ!
いい筋肉してやがんなぁ!
「ゲコ!」
「ふんっ!」
カイルがカエルをぶん投げた!
「ティナ、打てそうなタイミングで攻撃だ!」
「はい!」
着地地点を狙って攻撃するティナ。
着地と同時に、矢は気にもとめずカイルへ突進する闘牛ガエル。
その攻防を何度か繰り返し、筋肉バトルは幕を閉じた。
筋肉ファイトだっけ?
『レベルが上がりました。』
「やった!
レベルが上がったわ!
2つも!」
「やっぱりティナの★4スキルはすげえな。
レベル差がある敵にダメージを与えれば、確かに経験値はすごい。
だが、ダメージを与えることができねえんだよな。
1発1発は大したことなくても、半分近くはHP削ってたようだな。」
************
名前:ティナ
パーティ:ラフリンクス
Lv:7→9
HP:593→731
MP:86→104
体力:61→77
力:51→63
素早さ:53→69
器用さ:60→78
魔力:84→106
スキル:
【 】
【慈愛の祈り ★★★】
【全能力50%UP ★★★★】
************
「おおー!
どんどん強くなっていくね、ティナ!
僕もあげなきゃ、置いてかれちゃうな…!」
「ロックがレベル上がったら、すぐ追い抜かれちゃうわよ。
レベル上がるように一緒にがんばろうね。」
(うん!!がんばる!!!)
ティナの優しい言葉はむっつりのやる気をすぐに引き出す。
「あ、ところでカイルさん。
僕たちといる時に倒したモンスターは解体しないんですか?」
「解体は時間かかるからな。
前回みたいに、別行動の時にやっとくよ。」
「そうなんですね。
今さらですが、狩りの時間を奪っちゃってすみません。
早く強くなりますね。」
「がんばれよ!
だが、焦らなくていい。
焦りは死角を生む。
戦いの中でそれは死を招くからな。」
「はい。
ありがとうございます!」
「よし、行くぞ。」
(闘牛ガエル、お前の筋肉、今までの中で最高だったぞ。)
筋肉ファイトを心置きなくしてやれなかったことに心を痛めながら、次に進んでいくカイルだった。
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