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街の灯り

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「すごく綺麗な場所があるんですよ。そこで、お話をしたいことがあります。」

シンスには、また家族の話をしていなかった。シンスはある程度は知っている。調べないわけがない。シンスが、話をしないのは、私がしてくれるのを待っているから。
王妃になる前にきちんと話をしておきたい。

丘の上の木の下だった。
街を全て見渡せる場所。

「綺麗なところだね。」


「私は、昔からここに1人で来るの。」

「1人で?昔から?」


「今からの話は、シンスを責めてるわけじゃないからね。でも聞いてほしくて、、、」

「大丈夫だ。シリアルの話を聞きたい」


私、愛されることを知らなかったの。
小さい頃から、うちの両親は、姉だけが大事だったのよ。

私たち姉妹に家庭教師はつけてくれたのよ。でも、公爵教育は厳しかった。
正直、、逃げ出したかった。
泣きたかった。でも許されなかったの。
姉は、母に辞めたいと泣きついていたから、慰められてた。

でも、私も泣きたかった。だから、泣きつこうとしたら、母は私を避けたの。
気のせいかと思ったけど、違ったの。
それぐらいから、母は私を避けるようになった。

姉も嘘泣きをしていたの。
でも、母は嘘泣きをしている姉のがよかったの。

私は1人だったの。つらくても打ち明けることも、出来なかった。

メイカは、、そばにいてくれて遊んでくれてだんだけど、私は、信じられなくて、、
人を信じることができなかったの。
今もそうなんだけど、、

一度、私は死のうとしたことがあるの。

乳母が亡くなり、おじさんが、メイカを引き取ろうとしてたの。

メイカは、おじさんの家に行った方がいいと思ったの。
メイカは、いろんなことができる人だから、私なんかのそばにいない方がいい。
と思って、
私は、誰にも必要とされていないし、もう家にいていいかもわからなくなり、ある湖のボートに1人で乗ったの。

湖は綺麗で、キラキラしてた。
私はそんなことも知らなかった。
この世には、私が知らないことがたくさんあるけど、こんな綺麗なところで、誰にも知られずに死ぬのもいいかもしれない。と考えてたの。

そしたら、「シリアル様。」という声がしたの。
メイカだった。
メイカが探しに来てくれて、
私は何もなかったふりをした。
「どうしたの?」って、、
でもメイカは、抱きしめてくれた。

「私は、あなたのそばから離れたくありません。これからもずっと一緒にいます。私を1人にしないでください。」
メイカは気がついたみたい。
私が、お星様になって見守るのは、乳母だけでなく、私も入ってることを、、、、


そこで、初めて私は泣けたの。
ずっと泣いていた。今まで泣きたかった分、、、
それでメイカだけは信じれるようになったの。

メイカと二人、家に戻ったけど、やっぱり誰一人声をかけてくれなかった。
5歳の子が夜遅く帰ってきても、誰も何も言ってこなかったのよ。
私がいなかったことさえ気が付かなかった。


それからも
私は、姉のお古のドレス、夜会も出してもらえなかった。
でも、メイカがいたから、メイカにたくさんのことを学んだの。
メイカといたら、たのしかった。

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