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国王退任

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私が国王になれば、国王達の言うことを聞く必要がない。
こんなに急いで、国王になるつもりはなかった。
王太子では、国王の権力に負けてしまう。
どんなに優秀でも、国王の権力には負けてしまう。

もう、今までのように、言いなりになるつもりはない。
諦めるつもりもない。
そして、シリアルを守りたい。
王太子では、シリアルを守れない。
もう、俺は道を間違えない。
シリアルを幸せにしたい。
もちろん、民も幸せにしたい。
でも、好きな女を幸せにできなくて、民を幸せにできるわけがない。
遠慮もするつもりもない。


国王には、私がそろそろ国王になりたいと打診した。

公務をしてくれる正妃もきたことから、国王の仕事も全てできます。
ゆっくりしては?と伝えた。

「わかった、半年後に退任しよう。その前に、挨拶周りをしておくんだな。」
すんなり受け入れてくれた。

国王は仕事をしたがらないから、ゆっくりできる方がいい。一生遊んで暮らしたいタイプであった。


「シリアルとはどうなんだ?」

「公務をしっかりやってくれます。流石です。外交が強いですよ。」

「そうか。よかったな。関係はどうなんだ?」

「公務だけをしっかりとしてくれてますよ。」


「カデンとは、どうなの?」

「カデンは、変わらずです。毎日可愛くしてますよ。」

「早く孫の顔を見たいわ」

「そうだな。カデンによく似た可愛い子だろうな。」

「カデンみたいな女の子がいいわ。」


「そうですね。それは、おいおい。」

国王達は、孫はカデンの子と思っている。血筋から、公爵の子になると考えるのが、普通だ。
国王達にもシリアルと関係を隠さないといけない。王宮には、カデンの関係が多すぎる。シリアルを守る為にも今はまだ隠しておかないいけない。
何を仕掛けてくるか分からない。


カデンをよほど気にいっているのか?
国王としての考えも意味がわからないし、公爵も納得してるのか?
公爵にも秘密があるのか?
疑問がたくさん出てきた。



それから、調べていくと、
国王と王妃達が、カデンを可愛がる理由がわかった。

国王は、伯爵を通して、宝石輸入していた。
密輸というやつだ。
それで、儲けたお金を自分の懐に入れて、遊んでいたようだ。

バックラー伯爵が、うまくやっているから、今までわからなかった。

何より、私に探らせないようにしていた。



カデンを可愛がる一つの理由は、伯爵と組んでいることを、俺に気がつかないようにしたかったようだ。

カデンの面倒を見てる間、私は職務ができない。
だから、可愛がれと言ったようだ。

こんな国王では、国が潰れる。
あの2人は、街に視察しに行ったことないな。いつも貴族とワインを飲んだりしてたな。

いつも綺麗なドレスを着ていた母上。
平民たちが、流行り病や天災で、貧困に苦しんでるのに、対策をしなかった。
私が、代わりに視察に行き、対処し国王の実績にしてきた。


もう一つは、国王は、自分の息子が、自分より優秀であることに劣等感を感じて、カデンを幼い頃から、一緒に居させた。
カデンは、勉強嫌いだったから、シンスは、必然的に、一生懸命勉強ができなくなる。
邪魔をさせ、自分より劣ればいいと考えていた。

それはシンスも感じていたから、出来ることは、表に出さなかった。

シリアルが来る前から、国王の仕事を文官たちもしているのを知って、王太子として、仕事を引き継いでいた。それさえも、国王は知らない。
無能すぎる。

シリアルが王妃になれば、絶対国がよくなる。シリアルは、仕事はできるし、人のためにに動ける人だ。

シリアルとなら、楽しんで、いい国を作れそうだ。
早く国王になって、シリアルと一緒に国のために頑張りたいと思う。

俺も、もっと学びたい。
今からでもシリアルの隣に堂々と立てるように、学びたい。
今までの時間が悔しい。
カデンがいなかったら、もっと勉強できたけど、その環境を打破しなかった自分が一番悪いな。




シンス様は、優秀だった。カデン様がいるから、隠れていた。いや隠されていた。
苦手なのは、女の扱いだけだった。特にカデン様のような子に対して、、
いや。興味がない女に対してと言っていいのかもしれない。
洗脳されていたから、あそこまでやれたのだろうが、いざ解けると顔が引き攣っている。カデン様は気がついていないけど、、、

シリアル様には、すごく積極的だから、
好きな人ができると違うんだな。
今まで見たことのない表情をする。

シリアル様が、シンス様のそばにいてくれたら、シンス様は、力を発揮させることができる。

一生そばにいて支えようと思うカイ出会った。



「カイ。色々とありがとうな。カイのおかげで、俺は道を間違えなくて済んだ。これからもよろしくな。」

「ありがとうございます。」



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