上 下
29 / 29
番外編

王太子の最後

しおりを挟む
次の日、国王がやってきた。

「一応私の息子だから、最後に挨拶をしにきた。というか、お客様をお連れしたよ。」

「アルフレッド!」

「まだ、元気そうですね。少しは反省しましたか?」

「反省?するわけないだろ?俺は悪くないからな。」

「そうですか。残念ですね。反省したら、毒杯にしようと思っていたのですが、処刑は、突き刺し。皆さんの前で罪を償ってくださいね。」

「国王様。二人にしてもらって構いませんか?」

「ああ。なんかあったら、呼んでくれ。廊下で控えている。」

「ありがとうございます。」


「ルーセント。あなたにお礼を言いたくてね。クレスタと関係を持っていなかったこと、こんなに嬉しいことはなかったよ。
子供ができていたら、結婚できなかったのに、乙女だとはね。ありがとう!!
お前と離婚してすぐに結婚できたんだよ。
乙女と証明されたからな。

お前は、表情がないというけど、クレスタは、初めから、何を考えているかよくわかったよ。一生懸命だよね。
王太子がするべきことなのに、クレスタが全てやってたね。
一目惚れと言ってもいいな。クレスタのこと気に入ったよ。
視察案内だったけど、一緒にいて心地がよかった。

帝国に捨てて行った時、
クレスタは、絶望してたよ。
まさか、人質として置いてかれるとはね。
クレスタの体調が悪いのも確認しなかったんだね。
あれは、仕組んだんだけどね。
まさか捨てていくとは思わなかったよ。」

「仕組んだ?どうゆうことだ?」

「体調が悪いのではなく、毒素が全て出たから、体に負担になっていたんだよ。立つのも辛かっただろうからね。」

「何をしたんだ?」

「何も?薬草風呂に浸かっただけだよ。次の日には、前より元気になっていたよ。お前達も泊まったんだろ?」

「ああ、」

「あれも仕組まれてるだよ。」


「え?」

「側妃が泊まりたそうな宿屋の噂を流したんだよ。」

「それだけ、、、?」

「ああ。お風呂に入り噂を一つながしただけ、変わったことは何もしていない。」


「すぐに、抱きたかったよ。誰にも取られたくなかったからな。
でもな。クレスタは、愛されることを知らなかった。
だから、体をつなげるより、まず、愛を育んだよ。
どんどん可愛くなっていったよ。
ルーセントが、作ったクレスタを溶かしていくのは、楽しかったよ。
表情が崩れてくんだよ。
皇后にもよく怒られてるよ。
俺を好きな顔を出しすぎだってね。
久しぶりに会ったクレスタは、きれいだったろ?
あれは、俺が引き出したものだよ。
綺麗で、可愛くて、優秀。剣まで練習して、なんでもできる。
強いて言えば、もっと甘えてほしいくらい?
それはこれから、、、甘やかすからな。

ルーセント見たことある?クレスタのドレスの下を、、
やばいよ。ドレスを着てる時は、清楚なのに、脱ぐと、、やらしいよ。
柔らかくて、ツルツルで、、触りごごちがいい。
最高だね。。離せないよ。
毎日抱きたいよ。

と散々語った。
「もういいだろ?惚気なんて聞きたくない。」



「そう。まだ語れるけどね。残念だね。。こっちも時間がないしね。じゃあ。頑張って。」
というってアルフレッドは、牢屋から出ていった。
帝国に来た時に、クレスタにした仕返しをしたかったアルフレッドだった。


国王が入ってきて、、
「お前がやったことは、許されることはないが、クレスタにとっては良かったな。これからクレスタは誰よりも幸せになるよ。」

「父上、、、私は、、」

「もう父上ではない。ただの罪人だ。近いうちに処刑する。」

「父上!」


数日後、処刑された。

「ルーセント!」

母上の声を聞きながら、、、、、



しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

美形揃いの王族の中で珍しく不細工なわたしを、王子がその顔で本当に王族なのかと皮肉ってきたと思っていましたが、実は違ったようです。

ふまさ
恋愛
「──お前はその顔で、本当に王族なのか?」  そう問いかけてきたのは、この国の第一王子──サイラスだった。  真剣な顔で問いかけられたセシリーは、固まった。からかいや嫌味などではない、心からの疑問。いくら慣れたこととはいえ、流石のセシリーも、カチンときた。 「…………ぷっ」  姉のカミラが口元を押さえながら、吹き出す。それにつられて、広間にいる者たちは一斉に笑い出した。  当然、サイラスがセシリーを皮肉っていると思ったからだ。  だが、真実は違っていて──。

今夜、元婚約者の結婚式をぶち壊しに行きます

結城芙由奈 
恋愛
【今夜は元婚約者と友人のめでたい結婚式なので、盛大に祝ってあげましょう】 交際期間5年を経て、半年後にゴールインするはずだった私と彼。それなのに遠距離恋愛になった途端彼は私の友人と浮気をし、友人は妊娠。結果捨てられた私の元へ、図々しくも結婚式の招待状が届けられた。面白い…そんなに私に祝ってもらいたいのなら、盛大に祝ってやろうじゃないの。そして私は結婚式場へと向かった。 ※他サイトでも投稿中 ※苦手な短編ですがお読みいただけると幸いです

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

強い祝福が原因だった

恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。 父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。 大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。 愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。 ※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。 ※なろうさんにも公開しています。

【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います

ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には 好きな人がいた。 彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが 令嬢はそれで恋に落ちてしまった。 だけど彼は私を利用するだけで 振り向いてはくれない。 ある日、薬の過剰摂取をして 彼から離れようとした令嬢の話。 * 完結保証付き * 3万文字未満 * 暇つぶしにご利用下さい

旦那様、離婚しましょう

榎夜
恋愛
私と旦那は、いわゆる『白い結婚』というやつだ。 手を繋いだどころか、夜を共にしたこともありません。 ですが、とある時に浮気相手が懐妊した、との報告がありました。 なので邪魔者は消えさせてもらいますね *『旦那様、離婚しましょう~私は冒険者になるのでお構いなく!~』と登場人物は同じ 本当はこんな感じにしたかったのに主が詰め込みすぎて......

【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢

美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」  かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。  誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。  そこで彼女はある1人の人物と出会う。  彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。  ーー蜂蜜みたい。  これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。

毒家族から逃亡、のち側妃

チャイムン
恋愛
四歳下の妹ばかり可愛がる両親に「あなたにかけるお金はないから働きなさい」 十二歳で告げられたベルナデットは、自立と家族からの脱却を夢見る。 まずは王立学院に奨学生として入学して、文官を目指す。 夢は自分で叶えなきゃ。 ところが妹への縁談話がきっかけで、バシュロ第一王子が動き出す。

処理中です...