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21初めての経験  航海

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次の日は、可愛い服にしたら、アル様が喜んでくれた。

想像していたよりも、アル様は、素敵だった。
アル様も私といる時は、柔らかくなるから、嬉しい。



毎日この時間が楽しみになった。
好きな人のためにおしゃれをする事がこんなに楽しい事を初めて知った。
マリーンの気持ちが、少しわかった。



ある港に降りることになった。
そこにはサーカス団が、来ていたから、寄ることになった。
サーカスは、動物達が演技をする。
初めてみたクレスタは、感動した。

「観客の声援が、凄い!みんなが楽しんでる。それが素敵!ミュージカルとはまた、違うわ。」

「声を出せるのは、ストレスを発散できる。」

「声援なんだから、はしたくないし、、」




そして、街も見たけど、少し荒れていた。
そーゆうところも帝国内にもあるそう。 

「少なくしたい。孤児院をもっと増やしたり、手を加えたい」とアル様。

「私も王国では、したかった事なんです、でも、公務ばかりだったし、王太子もそこまでしないし、、、悔しかったな。」

「クレスタ。帝国では、クレスタのしたいことは、きちんと相談して、2人で良い国にしたい。」


鯨やイルカ、魚の群れなどを見ることができた。
虹も綺麗だった。
太陽の光が海面に当たりキラキラする。それが綺麗。


天候が悪くなることもあった。
海は、荒れることはよくあることだから、気をつけないといけないそう。この船は大きいから、大丈夫らしい。

慣れない私は船酔いをした。一日中、横になっていた。
そのときに、アル様は、レモンスカッシュを持って来てくれる。

いろんな経験が私を成長させてくれる。
今までの私ではないと感じた。生きていると実感する。
もう、あの生活には戻りたくない。






青い空。青い海。を眺めるのが好きになって、
よくデッキに出て眺めていた。

アル様がやってきて、、
「クレスタ。帝国に居てよかった?」

「?」

「私が、強引に居させたみたいだから、、」

「私、帝国では、いろんな事を知れました。
ダイアナという女友達ができたこと。 
皇帝様、皇后様親の愛。
そして何よりアル様に愛を教えてもらいました。
これが、幸せということだと知りました。





王国での私は、毎日公務に追われ、誰にも愛されない。ロボットみたいでした。

アル様。私を助け出してくれて、ありがとう。」

「良かった。」




「私の話を聞いてくれます。すっかり忘れていたんですけど、
鞄のポケットから出てきたもので、、、
ルーセントと婚約する前に、犬に襲われて助けてもらったことがあるんです。
その時に泣きやまなかった私に、おもちゃの指輪をくれたんです。 
それが彼が私にくれた唯一のものでした。」

「そーなんだね。。」

「今から、海へ投げます。これで、本当にあの人と繋がりもありません。」

捨てた。。海深くに沈んでいった。



「ありがとう。目の前で捨ててくれて。」

アル様は、手を腰にまわして、キスをした。





航海の最後の夜は、打ち上げパーティーになった。

皇太子と皇太子妃は、初めにダンスをして、みんなに披露する。


「アル様とダンスするのは、初めてですね。」

「そうだね。楽しみだよ。」

この2人が、ダンスが下手なわけがない。
練習もなしに、ぶっつけ本番!!


「「「素敵」」」「可愛い」「カッコいい」「息ぴったり」
とたくさんの声が聞こえた。

クレスタも楽しかった。ダンスがこんなに楽しいとは、知らなかった。


その後、ワンピースに変えて、みんなと仲良く楽しく話をしたり、お酒を飲んだりした。

クレスタは、身分関係なく、接する。
だから、みんなもたくさんの話をしてくれる。

アル様は、少し離れところで、話をしてるけど、ずっと見守ってくれてた。

夜も遅くなり、解散することになった。



「クレスタ。部屋に帰ろうかあ。。」

「アル様。少し夜のデッキに行きたい。ダメ?」

「私から離れないなら大丈夫だよ。」

「うん。ありがとう。夜の海をみたい。」

「じゃあ行こうかぁ。」

「皆様。この1週間。ありがとうございます。
私は初めての航海でしたが、この海がとても好きになりました。皆様のおかげです。」

笑顔でお礼を言って、アルフレッドと腕をくんで、出ていった。。
クレスタから腕を組んでくれたから、アルフレッドは、ドキッとした。


「「「「クレスタ様可愛い」」」」と言う声が聞こえた。。
クレスタはもう人気者だった。






夜のデッキは、少し冷えたけど、ほろ酔いのクレスタは、大丈夫だった。少し顔が赤い。

「アルさまっ。ありがとうございます。私、海が大好きになりました。青い海。荒れてる海、夜の真っ黒な海。好きです。」

「良かった。海は、クレスタに合うんだね。」

「女友達もできたのも、愛する幸せを教えてくれたのも、全部アル様のおかげです。
私は今、楽しいです。こんな気持ちになったのは、生まれて初めて。」
とスヤスヤし始めた。

今までのクレスタならありえない行動だな。
誰か来るかわからないデッキで、男の横で、寝顔を晒すなんて、、、

「俺の前、限定にしておくれよ。」  

お姫様抱っこをして、部屋に帰った。










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