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2皇太子。来日

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帝国の皇太子が、サウジランド王国に一週間の訪問になった。

歳の近いルーセント王太子とクレスタ王太子妃が、接待をするようにと国王から、命じられた。

なので、2人で打ち合わせをすることになったけど、今まで話をしたことがない。
初めて、まともに話す機会がやってきた。

「俺は剣の話くらいしかできないから、あとは、王太子妃に任せる。」

「案内はどこをされますか?」

「.......それも任せる」

「どこか、ありませんか?」

「王太子妃なんだから、王太子のために役に立て。」

「わかりました。」と5分もない会話だった。

ルーセントは、全てをクレスタに押し付け、マリーンと仲良くしていた。

その間、クレスタは、寝る時間を削って、準備をしていた。

なんとか1人で、計画を立て、みんなに指示を出し、皇太子を迎える準備ができた。



皇太子を迎える日がやってきた。

「この度は、忙しいところ、すみません。
アルフレッド ロイヤルブルーと申します。
一週間の滞在になりますが、よろしくお願いいたします。」

「ようこそサウジランド王国へ。一週間楽しんで下さい。
妻のリリアと息子のルーセントと妻のクレスタです。
この一週間は、ルーセントとクレスタが案内します。」

「ルーセントです。一週間と短い期間ですが、サウジランド王国を楽しんでください。」

「クレスタと申します。一週間の滞在中、ご不便なことがありましたら、私に申して下さい。」

「ルーセント王太子、クレスタ王太子妃よろしく」

「滞在中の部屋を案内します」

部屋には、柑橘系の香りをほのかに香った。

紅茶を王太子妃自ら入れた。

「この紅茶には、シフォンケーキが合うと思いましたの。」

「ありがとう。この紅茶は、私の好きなものでね。
シフォンケーキに、凄く合うね。美味しいよ。
このシフォンケーキは、作ってくれた人にお礼を言ってほしい。
とても優しい味がして、私のために作ってくれたのがわかるよ」

「気に入って頂けてよかったです。
皇太子様にお出しするのは、緊張しましたが、なかなか気に入ったものがなかったので、私が作って良かったです。、」

「王太子は、幸せ者だね。紅茶を淹れるのも上手だし、お菓子も作れる王太子妃なんていないよ。」

と褒めて下さったけど、王太子には、淹れたことがない。と思った表情が一瞬だけ出てしまった。
ほんの一瞬だから、バレることはないし、この国の人は、誰一人、気がつがないから、ばれないであろう。


皇太子は、帝王学を学び、とても優秀なので、バレたかもしれないけど、初対面の私に興味もないから、大丈夫でしょう。

皇太子は、その一瞬を見逃さなかった。悲しそうな顔していた。
多分誰も気がつかないくらいの一瞬。その一瞬が、気になったのだ。

「もしよかったら、皇太子ではなく、名前で呼んでくれないか?
私もクレスタ様と呼ばさせてほしい。」

「アルフレッド様。敬称入りません。クレスタとお呼びください。」

「クレスタ。一週間よろしくな。」

「はい。こちらこそよろしくお願い致します。この一週間の予定表となります。何か不都合な点がございましたら、なんなりと。」

皇太子と王太子妃は、仲良くなった。クレスタが、心を掴んだのだ。



夜会が行われた。
我が国が誇る特産物を使った料理、ミュージカルを用意した。
説明できるように王太子には、資料を事前に渡していたが、、

「ルーセント様、今日の資料は読んで頂けましたでしょうか?」

「資料?そんなものあったか?知らないぞ。」

「先日、マリーナ様とお見えの時に、渡させて頂きましたが、、」

「マリーナと一緒の時、あーあの時な。資料は、どっかやったな。お前が説明したらいいんじゃないか?わざわざ俺がする必要があるのか?」

「皇太子の案内は、国王様の命でしたよね?」

「あーあ。気にする必要はない。お前がやればいい」

資料も読んでいない。どっかやったって。。
王太子の執務じゃないの。。全部私にさせるんだ。。準備だけかと思ったけど、まさか当日までやらされるなんて思ってもなかったな。。

料理は、美味しいと言ってくださり、それから、取引の話まで出てきたが、それはまた後日とのこと。

ミュージカルの時間になった。
国王と王妃、王太子と側妃、皇太子と王太子妃と座った。

「アルフレッドさま、ミュージカルはお好きでしょうか?」

「好きだよ。日常を忘れさせてくれるからなぁ。」

ミュージカルが始まり、2時間の演劇だった。

その間、王太子は側妃とずっとイチャイチャしていた。皇太子がいるのに呆れてしまう。

王妃様は温かい目で見ていた。王妃様、私のことが嫌いなよう。
いつも当たりが強い。王太子妃教育の時は、まだマシだった。 王妃教育変わってから、辛くあたってきた。
私は何をしたかわからないけど、嫌われているみたい。。

「クレスタ。ありがとう。楽しかったよ。こんな恋愛出来ると楽しいだろうね。クレスタはどう思った」

「私は、こんなふうに愛されることができたらいいなと思います。」と笑顔で答えた。


「帝国には、サーカスっていうのがあるんだ。知ってる?」

「いえ。聞いたことありますが、みたことはないんです。」

「帝国にきたら、案内してあげるよ。」

アルフレッド様とは、とても話が弾んで、楽しかった。












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